神子、王都を振り返る。
王都やお城では色んな人に出会った
国王のシルヴェスター・ヴェリルナイト、シロさん
王妃のエリステラ・ヴェリルナイト、エリーさん
第3王子のケビン・・・、様?
王女のフィリアさん
宰相のラディクス・オルテナ、ラディさん
フィリアさんとは仲良くなれたな、もう1人姉様が増えたようで嬉しかった。
学校でも頼り甲斐があった、クラスも仕切って考え方もしっかりしていて格好良かったし、フィリアさんが居なかったらあんな簡単にクラスに入り込めなかったと思う。
クラスのみんなも勉強いっぱい教えてくれたし
貴族ってとても頑張って色々考えてるんだなあ・・・。
手紙、書いた方良いよね?
討伐からすぐに帰る準備だけで挨拶もなにも出来なかったもん。
後は、騎士団の皆さんだ。
第一騎士団団長ランスロットさん、第二騎士団団長モルディードさん
ランスロットさんとは1番話す事があったな、モルディードさんは仕事が忙しそうで騎士さんを治療した後に御礼を言われてからあまり話してない。
近衛騎士団団長さんは・・・、よく分からない。
謁見が終わって偉い人と挨拶したけど
なんかじっくり見られたような気がする。
そしてガウェイン・ルクシード伯爵家次男、ガウェインさん。
王都への道すがらアイシャ・ルクシード伯爵夫人、アイシャさんが馬車事故で怪我をしていて御者さんとアイシャさんを助けた縁が始まりだった。
王都に着いてから騎士さんの治療をしたら
重傷者の中にルクシード伯爵家三男のハルシオンさんが居て、当主ギルバートさんに家に招かれて御礼されてからの知り合い。
お城に行った時は必ずガウェインさんが付き人になってエスコートしてくれたっけ・・・
金の髪にオレンジ色の目、そう言えば森で炎魔法を使った時の炎の色も同じ色だった、カッコ良かったなあ。
ガウェインさんにも手紙書こう・・・。
王都に来ないと知り合いの大半に会えない
魔瘴の森の毒沼は大丈夫かな、父様から手紙が来るとしても2週間前の話になってしまう。
今朝出発の時点では何も無いから私が領地に戻る今の行動が最速な筈だ。
ゴードンさんから詳細な情報はあがるだろうけど、私が浄化しないといけないから北の森のことは考えをまとめておこう!
あ、聖女様と第一王子様には結局会えなかったな
第二王子様は他国へ留学しているんだっけ?
「ね、レイン」
「はい、なんでしょうマリア様」
「会えなかったけど、聖女様って忙しいのかな?」
「そうですね・・・、私が奥様から聞いた(マリア様に話せる)内容ですと、マリア様の方が格段にお忙しいと存じます」
「私の方が? でも聖女様は私が王都に居る3ヶ月近く帰って来てないよね?」
「はい、ですが公式に発表されている日程では3ヶ月で4箇所程の街を拠点に治癒と浄化の活動とされています」
「私は北の森しか・・・」
「マリア様、それは違います」
「え?」
「先ず、聖女様は18歳です、これは立派な成人、この国では15で成人と見なされます。 対してマリア様は10歳、まだまだ親の庇護下にある立場です」
「うん・・・」
「成人ともなれば立場に沿った役割が求められるので、聖女様のお仕事は適正かそれでも足りない位なのですよ
ですがマリア様は未成年の身で、既に辺境の浄化、回復薬と霊薬の供出、騎士の治療とこれだけでも十分過ぎるのです、決して『北の森しか』と卑下されるものでは有りません」
「ん」
「そもそもマリア様は働く年齢ではないので、気にする事はありませんから」
「そっかぁ」
「私としましては辺境でごゆっくりなされるのが良いかと、マリア様は頑張り過ぎです」
「うん分かった、とりあえず魔瘴の森もどうなるか分からないしね、ありがとうレイン」
「はい」
聖女様にはその内会う機会あるよね?
同じ日本の人だし、仲良く出来たら良いなあ。
取り敢えず、辺境のお屋敷に到着したら父様と話をして
みんなに手紙を送ろう。
母様、兄様、姉様、ガウェインさん、フィリアさんにクラスの人達
名前は覚えたけど家名まではちょっと自信が無い、それも父様に相談して・・・
瘴気の毒沼は多分話をしたらスグ確認の為に部隊が森に行く筈だ
毒沼が無ければ取り越し苦労で済む話
もし毒沼が消えずに活性化していたら浄化に向かわないといけない。
あ、その前に街のジェラート食べに行きたいなあ、大盛りの。
王都では殆ど出掛けることもなく、遊ぶ事は無かったし・・・
シルヴィーとピクニックに行って走り回るのも良いかも、完全に散歩足りてないもんね王都生活
王都出てからはゴードンさん達の騎馬に混じって走り回っているから、やっぱりストレスはあったみたい。
3ヶ月もあっという間だったよ。
次はいつ王都に行けるかな?
ガウェインさんと湖畔の街に行く約束も果たせなかったし
今度はゆっくり観光出来たら良いなあ。
王都を出たばかりではあるが、既にマリアは再会を心待ちになっていた。
辺境伯領地の方が郷心が強いが、付き合う世界は限られたものだった
今回の王都生活では多くの人に出会い、マリアの世界が広がった事も確かである
そんなマリアの心の内とは裏腹に辺境伯領地でこれから5年過ごす事になるなどとは思いもよらないのだった。
やはり元々瘴気の強い魔瘴の森とあって、消えていない瘴気の毒沼が多く発見されたのである。
 




