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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第一章 神子、異世界に現る。
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神子の異世界の家族。

「お母様!神子様が現れたって本当!!?」

バーーン!!と一人の女の子が沈んだ部屋に突撃して来た。


ふわふわとしたウエーブ掛かった赤茶色の髪、翠色の瞳は勝ち気な印象の女の子。


「マリア、部屋に入る時は必ずノックなさい」


ノックもなく部屋に入って来た女の子を窘めるソフィアさん


「あ、ごめんなさい!って、この子が神子様なの? 意外と普通の子ね」

「あ、あの?」

「初めまして、私はマリアベル・ラフィスタ9歳!」

あなたは? と見つめられては返すしかない


「初めまして、サト・・・、、マリア・サトウ、7歳、です」

「あなたもマリアって言うのね、私も屋敷のみんなにはマリアって呼ばれてるの、お揃いね!」

ニコリと笑うマリアベルは部屋に突撃して来た勢いのまま真里亞の手をガシっと掴む

「来て!使用人のみんなもあなたの事知りたいって気にしてるの、紹介してあげるわ」


「え、あ、その」

返答に困ってしまいソフィアさんを見ると、

「良いわマリアちゃん、こちらは大事に預かるからマリアベルに付き合ってくれないかしら?」

「は、はい・・・」

「やった!どっちもマリアじゃ困ってしまうわ、私はベル!あなたはマリアね、決まり!

サニー、これからはベルって呼びなさい」


「はい、ベルお嬢様」


いつの間にか近くに一人のメイドさんが立っていた


「マリアこの子はサンディ、私の侍女よ。サンディこの子は神子マリア」

「神子様、宜しくお願い致します」


やはり萎縮したような畏れ多いといった様子で挨拶された



「硬い!サニー、普通の子じゃない」

「いえ、ですが神子様ですから・・・」

「神子の前に普通の子よ、どこ見てるの? 当分ウチに居るんだから毎日そんな態度で居るわけ?」

「しかし・・・」


当分ウチに居る?

そうなの?とソフィアさんを見ると、ソフィアさんはにこりと笑顔で言った。

「ひとまず、落ち着くまではゆっくりするといいわ。

ベル、マリアちゃんは御両親を亡くしたばかりよ、優しくしてあげてね」


「え、そうなの?」

「うん・・・」

「お祖父様やお祖母様は?」

「居ない・・・」

「一人なの?」

「・・・」

「そう・・・、じゃあ私がマリアのお姉様になってあげるわ!」


「え?」


「一人ぼっちは寂しいものね、来て!姉様が屋敷のみんなを紹介するわ!」

「わ!」


ドタドタドタと慌ただしく部屋を出て行ったマリアベル、勿論手を引かれて真里亞も連れて行かれた。




「・・・奥様」

「サンディ、神子様、ううんマリアちゃんは本当に御両親を亡くしたばかりなの、葬儀が終わった直後に此方に降臨なされたようだから」

「だからですか、神子様のお召し物も黒で統一されていたのは」

「ええ、さっきも封印された屋敷の前で泣いてしまったし、出来るだけベルと一緒にお世話してあげて。

正式に鑑定してないから分からないけど確かに神子としての力も備えているみたい、とても強い魔力を感じたから。

ただ、ベルの言った通り本当に普通の女の子だとも思うわ、その辺りを出来るだけ汲んであげて」

「かしこまりました」


大人が色々と心を砕く中、遠くからは・・・


バーーーン!!

「セバス!この子はマリア、私の妹になったから!

マリア、この人はセバス・・・・・・」


等と、次々と突撃しては真里亞を引っ張り回すマリアベルの声が聴こえて来ていた。


「・・・お願いね、サンディ」

「はい・・・」





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