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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
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神子と銀狼と王女。

王女様はとても強かった。

ガウェインさんから事情を聞いて目をつり上げると

お兄様と呼ばれた第三王子ケビン、さん?を叱責した

「国の為に戦う騎士、その騎士が怪我をして命を助けた神子様に対して媚びを売るのが得意ですって!?」

と、激怒。


バチンバチンと平手打ちで王子様を殴り倒した


数分後・・・


「も、申し訳ございませんでした神子様、」

「あ、はい・・・」


謝る王子様の両頬は真っ赤になっていて

謝罪後はトボトボと去って行く

そして王女様は何事も無かったように此方に向き直り


「改めて、初めまして神子様、わたくしはフィリア・ヴェリルナイトです」


「マリアです・・・」


しゃなりとカーテシーをする様は先程まで王子を張り倒していた王女様とは思えない程綺麗な所作だった。


「愚兄が大変失礼致しました、お父様から聞いておりますがマリアさんとお呼びしても?」

「はい、えっとフィリアさん?」

「ええ!マリアさんお時間は?」

「治療は終わったし、回復薬も作り終わったので有りますけど・・・」

「まあ!では!」


「へ?」


花が咲いたように明るい笑顔になった王女様にガシリと手を掴まれて歩き出す

何を言う間もなく部屋に連れて行かれた

問答無用な感じが少しベル姉様に似ているかもしれない・・・


王女様、フィリアさんは私とお友達になりたくて探していたらしい

呼び付ける事も考えたけど、自分から行くのが礼儀で

でも習い事やお勉強で忙しくて、私が来た日は時間を作っては会おうとしていた。



「やっと会えましたわ、それに・・・」


フィリアさんは淹れたての紅茶を余所にチラリと私が座るソファーの横で寝転んでいるシルヴィーを見る、ああ・・・

2mを超える銀狼、珍しいし触りたいよね


「触ります?」

「いいんですの!?」

パァっと明るい顔で食い付いてくるフィリアさん


「シルヴィー?」

「わふ」

「良いそうです」

シルヴィーに確認すると尻尾をパタパタとして「構わないよ」という姿勢だった。


「で、では、お言葉に甘えて・・・、あ、ふわぁ・・・

暖かくて、毛並みはとても柔らかいですわね」


フィリアさんは最初恐る恐るシルヴィーを撫でていたけど

大人しく撫でられているシルヴィーに安心したのか両手でもふもふし始めた。


「シルヴィーさんは大人しいですわね」

「お話出来るので多分言葉は理解してますよ」

「だからお兄様に怒ったのね」

「わふん」

「いい子ね・・・」

「あ、そこ撫でてあげると喜びますよ」

「ここかしら」

「グルグル・・・」


撫でられて気持ち良くなったのか、シルヴィーはお腹を見せる

もっと撫でろと言わんばかりにゴロリと転がった。


「うふふ、懐っこいわね」


ニコニコと撫で続けるフィリアさん

因みにシルヴィーは人懐っこいけど、人は選びます

触れる事は許してもお腹を見せる事はそうそうありません

ラフィスタ家周辺を除くと今の所ガウェインさんとフィリアさんだけですね。


シルヴィーが許したという事は、きっといい人です!





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