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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第一章 神子、異世界に現る。
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神子、異世界を知る。

この世界はアルカディアと言う名前で、今居る場所はエルティール王国のラフィスタ辺境伯領というらしい。


地球、日本と言う呼称の国や地域は存在しない

ソフィアさんが教えてくれた事はとても衝撃的な事だった

魔法が存在していて

魔物と呼ばれる人を襲う化け物も存在している


ラフィスタ辺境伯領にある魔瘴の森と呼ばれる隣国の国境を越えて存在している森には魔物が沢山居て

この数ヶ月は特に瘴気が濃くなって魔物は増えて強くなっている。


「瘴気」とは霧のようなもので

森に居る動植物や鉱物、ありとあらゆる物質に影響を与えて人に害を為す「魔物」に変化させてしまう。

例えば狼や熊と言った動物は、より強く、速く、知能も上がり、体も大きくなり人を襲うようになる

植物は自力で移動出来るように、鉱物は意思を持ち生き物のような存在に。

土は腐り、毒を吐き出す沼へとなる事もある

辺境は「田舎」という意味ではなく、「国境」という意味で

ソフィアさんの旦那さんであるクロード・ラフィスタさんが領地を治め、また魔瘴の森の魔物と隣国からの侵略を防ぐ役割を担っている家なのだという。


そして「神子」と呼ばれる存在について


ラフィスタ辺境伯家の邸宅敷地内には「封印された屋敷」という建物があって、約200年程前に神子が現れた時に使用していたお屋敷らしい。

ラフィスタ家は忽然と現れた神子をお世話していて記録は沢山残っている、その時の神子はラフィスタ家当主と結婚して仲睦まじく生涯を終える迄、私が現れたお屋敷で過ごした。

葬儀を終えてお屋敷に皆が帰って来ると、屋敷は魔法で完全に封印されていて誰も出入り出来なくなっていた、何人もの魔法使いがその結界を解こうとしたが、どんなに大掛かりな手段を持ってしてもどうにもならず、時を止めていたらしい。


数十年、百年と時を経ても全く老朽化もせず当時のまま建ち続ける屋敷はいつしか「封印された屋敷」として神子の伝承と共に語り継がれていたそうな。


神子は魔瘴の森の非常に濃くなった瘴気を祓い

ラフィスタ辺境伯領ひいてはアルカディア王国を救ったとされている。

辺境が魔物に負けると国が揺らぐ

どうやら魔瘴の森は数十年単位で定期的に瘴気が濃くなるらしく、神子が現れた時代は特に魔物の被害が大きくなるそう。

どうやって、何処から、何故現れるのかは解明出来ていないが瘴気の濃くなる周期を見計らったように現れる事から「神の采配」「神の遣い」「神子」といつしか呼ばれるようになった。


200年もの間、誰も入れなかった「封印された屋敷」の結界が解けて屋敷から現れた私は間違いなく神子という存在なのだ、と言うのがソフィアさんのお話し。


ボロボロに泣いてしまった私を優しく抱き締め

泣き止むまで背中を撫でてくれたソフィアさんは私の手を引いて自分が住むお屋敷の部屋まで連れて来て、そう話した。



「と、言われても・・・」



正直どうしていいか分からない。

特別な力なんて無いし

まして大きく凶暴になった狼や熊と闘うなんて出来ない

それ以前に私はこれからどうなるんだろう

両親が居なければそもそも知り合いさえも居ない

生活は? 住む場所は? お金はどうしよう・・・


先行きを不安に思い考え込む真里亞

ソフィアも真里亞から話を聞いて両親を亡くした直後である事を慮り、考え込んでいる真里亞を静かに待っていた、その時である



「お母様!神子様が現れたって本当!!?」


バーーン!!と一人の女の子が沈んだ部屋に突撃して来た。





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