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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
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神子、感謝される。

王様が朝食に誘ってくれたという事で母様と一緒に朝食に行くとまたもや頭を下げられた。

騎士は国に命を捧げてくれた、その命を救って貰った、ならば国王たる自分がそれに応えねばならない。と


食事を済ませ、ふと気になった事を口にする

「そう言えば、聖女様ってどうしてるんだろう?」

日本から召喚された筈の聖女様はお城に居ると聞いている

治癒魔法が得意と言われている聖女様が居るのに騎士団の怪我人の数は明らかにおかしいと思う。


何気なく言ったつもりなのに、王様も王妃様も何やら気まずそうな様子になってしまった、え?


「シロさん、エリーさん?」

「あ、ああ、聖女殿は今息子の第一王子コーディーと共に他の街へと慰問に行っている」

「慰問?」

「ええ、マリアさんは聖女様の事はどこまで?」

「えっと、同じ日本から来た人で、強力な光魔法を使えて、18歳?」

私の返事を聞き、王様は首肯してから続けた

「神子様のように存在するだけで瘴気を浄化出来る訳では無いから、王都を中心に街を回ってもらい直接浄化魔法で瘴気を浄化したり、派遣されている騎士の治療を()()している、怪我人の中には城まで移送する事に耐えられない者も居るしな・・・」

「そうなんですね、私も各地回った方が良いんですか?」


「い、いや、大丈夫だ、王都に来て頂いただけで近辺の瘴気は格段に薄くなったし・・・」

「マリアさん()本当にお優しいですね」

「え?」

「騎士団の治療までしていただいて、何かお返しをしなければなりません」

「や、昨日貰ったので十分ですから、それにまだ終わってませんし」

「あら、終わってないと言うのは?」

「あれ?騎士団の怪我人ってあと400人くらい居るって第一騎士団の団長さんから聞きましたけど」


「ランスロットか、まさか全員治していただけるのか?」

「怪我、してるんですよね? なら治しますよ?」

「対価は・・・」

「要りません、お肉楽しみにしてます」

「おお・・・」

「ありがとうマリアさん・・・」


「??」


とても感激した様子の王様と王妃様

なんか微妙に噛み合ってないような・・・

だって怪我人がそのままだと困るのだから、当たり前じゃないの?

お城に居る治癒魔法使いでは治しきれない人もきっと沢山居る、昨日の重傷者もそうだしね


魔力を消費すると言っても大して手間でもないのに何やら王様達はやたらと下手というかなんというか

「手伝ってくれないか?」と気軽に言っても良いのに。

おかしいと思い、隣の母様を見ると

「後で」と小さく言ったので頷く、何か理由があるようだった。



母様は私が倒れたから一緒にお城に泊まったけど

学校入学する姉様の身の回りも整えないといけないので先に帰って行った。


取り敢えず騎士団の怪我人治しちゃおう!

昨日と同様、第一騎士団の団長ランスロットさんが案内についた。

ランスロットさんによれば残りの大半は軽傷、1割が骨折や噛み傷などの大怪我。

「軽傷は放っておいても治りますから」

「じゃあ40人?」

「はい、宜しく御願いします」


ササッと治す、とは言え今日は昨日の意識不明な人達ではなく、ベッドの上に居るもののガヤガヤと元気にしていた。

「ありがとうマリアちゃん!」

「すげえなマリアちゃん、骨折が一瞬かよ!」

「どういたしまして、違和感があれば言ってください」

「おう!」


気軽にお礼を言われる、うん、これくらいで良いんだよ

どうせ余る魔力なら使えば良いんだから。

騎士さん達の態度に辺境の討伐部隊が重なった

みんな元気にしてるかな?

王都に来る直前ギリギリまで謎回復薬と霊薬擬きを作りおいて来たから余程の怪我を負わない限りは大丈夫だと思うけど・・・

あ、騎士団にも謎回復薬渡した方良いかな?

不味いけど効くなら多分欲しいはずだよね!



のちに差し入れされたォォォォ、ァァァァと怨嗟の声(?)をあげる謎回復薬は効果は抜群だったが、味がアレなので騎士達は飲み込むのに苦戦する事となる。

だが「神子様自らお作りになり下賜された回復薬である!」と、それらしく言われた為に誰も吐き出す事は出来なかった・・・



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