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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
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神子、ご褒美に悩む。

ずっと脇に控えていた母様が見兼ねたのか、そっと横から教えてくれた。


「何か高価な物を渡して功績に報いたいのよ・・・」


成程、つまりシルヴィーが自由に歩き回れるのは許可だけで済むし、お肉もたかが知れてるから宰相さんは困った顔をしていたのか・・・

どおりで隅に立っているゴードンさんが肩を震わせて笑うのを堪えている訳だ。

隣でお座りしているシルヴィーは私がお肉って言ったからか尻尾をバッサバッサ振ってる。


ちらっと宰相さんを見るとコクコクと頷く、王様を見てもコクリと顔を縦に振った、王妃様はクスクス笑っていたけど。


「そういう事なら、」

「はい!!」

「高くて美味しいお肉を沢山」

「・・・」

私の言葉を聞くと宰相さんはガクリと膝をついてしまった

同時に部屋内に居る偉い人達みんながブハっと笑い出す、なんで?

何処からか「違う、そうじゃない」と聞こえた・・・



「神子マリア様はとても謙虚なご様子、ならば今後その都度用立てる事にしようと思う、如何だろうか?」


王様が声を上げると周囲がウンウンと肯定していた

最初からそう言って欲しかった・・・




始まりは張り詰めた空気が最後には和やかになった所で謁見は終わった。

この後は別室で王様と話をする事になっていた



「改めて神子様、此度の件ありがとうございます」

王様シルヴェスターさん、王妃様エリステラさん、宰相

ラディクスさんが揃って頭を下げる


大した事はしていない、って言うのはあまり良くないんだっけ?

えーっと、

「出来る事をしただけです」

「神子様の心遣い痛み入る・・・」

「あの、マリアで良いです」

「クロードに聞いていた通りだな、マリア殿、俺の事はシロと呼んでくれ」

「私はエリーよ、マリアちゃん」

「宜しく御願い致します、マリア様」

私が呼び方を訂正すると王様達は見合わせ、フと笑って態度を崩してくれた。


うん、私としてはどんな相手だろうと頭を下げられるのは苦手

ラフィスタ家では普通に暮らせるけど、そう言えば私のお世話をしてくれるレインも最初は頭を下げて「神子様」って呼んでたっけ。

今後もこういった事を繰り返すのかなぁ

王様でさえこうなんだから、そうなるだろうなあ・・・


マリアは遠い目をして、今後の状況を考え少し憂鬱になった。



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