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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
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神子、道中で人を助ける。

「奥様、この先で事故が・・・」

ゴードンさんが馬車に騎馬を寄せて話す

先の道で馬車がひっくり返っていて、その馬車の付き人達が何とか起こそうとしているらしい

中には主人が居る、御者は投げ出され首の骨が折れているとか。


「母様」

「分かっています、ゴードン、周囲の警戒と手空きの者で手伝いなさい」

「はい」

「マリア、ゴードンが呼びに来るまで馬車で待ちなさい、昔事故を装っての強盗があったの、直ぐには外に出ちゃダメよ?」

「えっ!?」


なんと、一時期街道に馬車をひっくり返してそれをエサに襲うという強盗が頻発したそう

馬車の近くに倒れたふりをして、助けが来たら襲う

更に周囲には仲間が潜んでいて・・・


「よっ、と」

座席の下から姉様が剣を取り出す、念の為なのだろう。

姉様は討伐部隊に同行出来る程強い、精鋭の隊員と打ち合える程の剣の腕を持っている。


程なくして安全確認が終わる

倒れた馬車の傍に行くとピクリとも動かないおじいさんと血を流しているドレスを着た人が居た。

早速おじいさんにヒールを掛ける、首の骨が折れているなら一刻も早く回復しないと危ない

続けてドレスを着た人にもヒール、良し!



ドレスを着た人はアイシャ・ルクシードさん、母様の知り合いだった。

学園での知己、先輩らしい

アイシャさんも王都へ向かう途中で、馬車が滅茶苦茶になっているので一緒に行く事になった。


「やっぱりラフィスタの地に居たのね神子様、ありがとうマリアさん」

「いえ、大した事はしてませんから」

「あら、首の骨を折った人を回復させたのだもの謙遜は無しよ」

「は、はい」

面と向かって丁寧にお礼を言われると、ちょっと恥ずかしい。

いつもは「お嬢!ありがとうございます!」

「お嬢あざっす!」とかだからね。


王都のルクシード家のお屋敷に送り届けると必ず御礼をするからと言って別れた

本当に大した事はしていないのだから過剰に言われても困る・・・


「恩の価値は受けた側が決める事もあるのよ、マリアが大した事無いと言っても、命を救われた御者さん、そしてその主のアイシャにとってはとても価値のある事だったの。

その価値を貶めてはいけないわ、素直に受け取りなさい、ね?」

「うん」

「まあ、でもそういう所がマリアのいい所だよね!」


母様には諭され、ベル姉様にはヨシヨシと撫でられた

何はともあれ助けられてよかったよね!





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