表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
19/109

神子の街歩き。

こちらに来てから姉様と頻繁に街に出て歩いていた。

一応お忍びの体なんだけど、マリアベル姉様の性格上ラフィスタ家の娘と完全にバレている

討伐部隊の部隊長としてゴードンさんは顔が売れているし、そんなゴードンさんが護衛で近くに居たらそれはまあ隠せるものでもない


3年間で色々と変化があった

最初は普通に街で買い物をしていたのに

今では何故かおじいさんおばあさん方には手を合わせて拝まれる

おじさんおばさん方にはオマケをやたらと増量されたり・・・


うーん?

私は縁の広い帽子を被って行ってるからバレてないと思うんだけど

そりゃあ、偶に教会とか診療所の人に遠くからヒール飛ばしてるけど遠いからバレないだろうし

折角こういう力が有って、討伐に同行する時と霊薬作る時以外は魔力余ってるんだからこれくらいはいいよね?




・・・実際はマリアが神子様だと完全にバレている。


まず3年前の時点でクロードから国王陛下に報告は挙がっている

その際の話し合いにおいて国中に神子様の降臨は発表されていた。

城に滞在しているのならそのままお披露目出来たのだが、諸事情も相まって神子様の所在は伏せられている。


しかし、ラフィスタ辺境伯領は先代神子様の事もあり何かと縁がある

普段の生活においても魔物の脅威は身近にあって、魔物や瘴気についての関心は高い土地柄

特に魔瘴の森の情報は辺境伯家から常に公開されていた。


地図を街中に掲示、討伐見廻り済みの区域の危険度マップが神子様降臨の発表からやたらと広範囲で更新されては誰しもが思うだろう


「神子様、辺境伯様の所に居るのではないか?」と。


更に発表と同時期、共を連れて街中にお忍び(笑)をしていた辺境伯の娘マリアベルが「妹が出来た」と小さな女の子を連れ歩き始めた。

その女の子は帽子を被っていて顔は見えないものの、チラチラと見える黒髪となれば、それはもう


「あっ・・・、ふーん」と街中が気付く

辺境伯のお屋敷の敷地内に先代神子様が過ごした舘がある事は周知の事実。


更に更に、マリアベルと共に女の子がお忍びに出て来ると何故か、そう何故か病人や怪我人が謎の回復を遂げたりしていたりするので

気付かない方が不自然ではあるのだ。


だが国王陛下も辺境伯様も、神子様の所在を何も言っていない以上、街で騒ぎ立てる訳にはいかない。

お忍びを楽しんでいる様子から、神子様と言って接するのは不粋なものだと静かに見守られているのが現状であった。


なので・・・


「はい、お待ち!バニラとチョコね」

手渡されるジェラートがこんもりと盛られていたり


「はあー、ありがたやありがたや・・・」

道行くおじいさんおばあさん方が静かに手を合わせてしまったりといった行動は必然と言える。


忍ばないお忍び

街ではベルちゃんマリアちゃんと呼ばれ親しまれていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ