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タモンビーチ 2

 水質は爽やかで浴びれば浴びるほど気持ちいい! まったく透明で、色とりどりな魚も間近に見ることができた。存分に泳ぎ、楽しんだ。


 いったん上がって、ホテルロード沿いでショッピング。お土産を物色した。そのあと軽く食事だ。ココナッツの刺身なんて初めて食ったよ!? ワサビ醤油で、驚きの味だった。

 6時過ぎになって、もうそろそろホテルに行こうかと意識しだしたところで、マリが提案してくる。

「夕焼け見ようよ!」

 ナイスなアイデアで、なぜ思いつかなかったのかと大反省、もろ手をあげて賛成するのだった。今の時期、サンセットは7時ごろ。浜でブラブラするにも丁度いい時間だろう。


 タモンビーチに戻ると、百人ほどの美少女が、全裸でビーチバレーをやっていたのだった。

「――」

 あんぐりと、声も出ないとはこのことで、さすが外国、目の前で起こっていることが理解できない。なんだこれ? 裸族(ナチュリスト)の集会? もう他の大勢の観光客ら同様、ただただ、素直に、目をくぎ付けにさせられたのだった。

「よく見なよ……!」と、ギョッとする言葉を、マリから呆れ顔で告げられる。

「ちゃんと、体表面にグラフィックを走らせてる。パブリックビーチだから、一応自重(じちょう)したようね」

 ……うん、そうだね。ようやく頭が現実を受け入れる。各個人、さまざまな花の意匠(デザイン)が肌を撫でさすり、流れ、重要(デリケート)な部分を絶妙にピンポイントで(シール)している。でも、オリハがポロリをやらかす可能性はゼロと百もわかっていながらも、どうしても視線を奪われてしまうのだった。

 中でも。

 裸に金色の百合の花を一つ、二つ、漂わせている、金髪の長髪少女に心を奪われた。

 あっ、今。目が合ったような――


「ふううん……?」


 ピシッと氷りつく声が聞こえて。

 反射的速度で我を取り戻す。顔が熱くなった。なにやってんだ僕は――

「い、行こう……」

 ようやく、二人して波打ち際に向かって歩き出す。おそるおそる手を差し出したら、握り返してくれたのだった。ほっとする、も――

「シンの趣味がわかって有意義だったわ!」

 当分、イジメを覚悟しなきゃならないな、と思った。

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