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ムー 3
エマに顔を向けて説明した。
「“石の記憶”だよ。発掘される、おびただしい数の原石の中には、ごく稀に、過去の映像を記憶した物が見つかる。なら――」
はっ、とする彼女。さすが、感づいたようだ。
「なら、“考える石”、“しゃべる石”も、どこかにあってもいい!?!」
頷く。「探すまでもなく――」
「――それは、“この”ムー大陸にできないこと、とは考えられない。だろ?」
僕はクリスタル空間を振り仰ぐと、声をかけた。
「貴女をムーと呼ばせてもらう。この呼びかけに応えてほしい」
とたん――
神秘性も、権威も、虚仮威しも、もったいぶるところも何もなく、ただ純粋に、コーティングがオーナーの意思に瞬時に反応するように、声が返ってきたのだった。
『諾……』
機械音声だ。皆がどよめく。そして――
『わたしは“ムー”。承知した。なにを問われる?』




