表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/64

ムー

『起動したからには、いくら見た目が大きくても、コーティング材には変わりないだろ』

『そうだけど――持ち主(オーナー)でないと――???』

 戸惑いを見せるマリーの手を少しばかり強引に引いて、僕はクリスタルの壁に歩く。おでこが衝突し、やはりだ。抵抗なく体が潜り込んでいくことを体感する。そのまま完全にオリハ内部に侵入したのだった。

 引き続いてマリーも、ブランもだ。

「そういうことさ」

 これを見て、ショーグンも、エマも、そしてレッドローズ以下すべてのメンバーが、巨大なクリスタルの中に、そう、ムー大陸に、侵入を果たしたのだった。


 これがクリスタル・コーティング内の浮力、粘性というものか? 皆、身体の軸線がバラバラだ。体の横が見えていたり、背中が、頭頂が、足の裏が見えていたりした。

 マリーだけ、羞恥の表情で、手で体を隠した。


 だが皆の注目は“下”に向けられていたのだ。


 エマたちは相変わらず震えている。

 超深海が平気だったマリーも、今は震えている。それは――


 丸い西瓜(スイカ)があったとする。それを、包丁さばきも巧みに三角錐に切り取った跡、というか――

 あるいは、美味しそうな(まる)いホールケーキから三角ピースを一個取り去った跡、というか――

 つまりは、透明な三角(くさび)を地球中心にまで打ち込んだような!


 深さ、6400km――


 そのすべての断面模様が見えていて、そこに、クリスタルの光の源があったわけで――


 それは地球内部の、つまりはマントルの、外殻の、そして内核の、極大な圧力(エネルギー)が放つ、灼熱の輝きなのだった!


「これは、アタシたちの物だ……!」地球重力、火炎地獄への落下の恐怖に震えながら、レッドローズが職務の執念でもって口走る。

「なぜなら、こうして、原石をまとえたのだからな……!!!」

 それは皆もいっしょのことで――あえて口を挟む者は、そんな心の余裕のある者は、いなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=237211115&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ