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魔法の扱い方とエルフの救出の件について

 レンガ造りの建物が並ぶその街は、コンゴウという名前らしく、この世界で文化的にも経済的にも一番の大国である。

 というのはみーちゃんの言だ。

 確かに、たくさんの人が住んで、大通りを轟音をたてて馬車が走る姿は活気を感じさせた。

 そして何よりも目を引いたのはおよそ人には見えない二足歩行する生物たちだ。


「亜人じゃ。鳥人族から獣人族。魚人族やら龍人族まで。この世界では特に珍しくもない生き物じゃな」

「俺らの世界にはいない、空想上の生き物だったね。見た目がケモノっぽい人と耳だけケモミミの人がいるみたいだけど……」

「あれは純潔と混血、先祖返りとかの違いなのじゃ。のじゃ、といっても人間と亜人や純潔と混血の間に差別なんぞはないぞ!」

「へぇ〜。みーちゃん、さっそく街を見て回ろうよ!」

「の、のじゃ! ちょっと待つのじゃ!」

「ん?」

「どうじゃ、コウタ。体の調子は。違和感とかないかの?」

「ん、言われてみれば確かに……」


 違和感、と言っても軽微なものだが。それも良い方向に。


「今までのコウタの身体能力とは違うからの。それに世界間を移動して環境も違う。転移の影響の有無は大事なのじゃ!」

「といっても、違和感はほとんどないっていうか、むしろ調子が良いくらいだよ」


 その場で何度か軽く跳ねて、手足を軽く振ってみる。


「フッ、フッ……! うん、良い感じ」

「な、なんじゃ、コウタ。やけに様になっとるの……」

「え? あぁ、これでもうちの実家、総合格闘技の道場をやってたからね。多少の心得はあるよ」


 ボクシングや柔道、空手のメジャーどころはもちろん、合気道やキックボクシング、ムエタイ、ブラジリアン柔術にテコンドーなど門下生たちに混ざってさまざまな競技を齧ったものだ。


「そ、そうか……。なんじゃ、コウタ。思いのほか頼もしかったのじゃな!」

「まぁ、でもなきゃ暴走トラックから妹たちを守れなかったからね。これも親に感謝だよ」

「のじゃ! 体が問題ないなら次は魔法じゃな! これには少しコツがいるんじゃが、なにせこの世界はコウタの世界と違って治安が良くないからの。今のうちに戦い方は覚えておいた方が良いのじゃ!」

「おお! 魔法!」


 古今東西、様々な創作物で人々を魅了してきた魔法。それを僕が使えるだなんて……!


「それで! 何をどうすればいいの? やっぱり詠唱かな!」

「詠唱はまたあとで、じゃ。まずはそうじゃな、魔力を取り出し、属性を付与し、自由な形に造形する。これが魔法の基本なのじゃ。まずは魔力をちゅうしゅつしゅるところからじゃな!」

「あはは、みーちゃん、噛んでるよー」

「のじゃ! 噛んでないのじゃ! つーしゅつなのじゃ!」

「抽出だよ、ちゅ、う、しゅ、つ。ほら言ってごらん? ちゅ」

「ちゅ!」

「う」

「う!」

「しゅ」

「しゅ!」

「つ」

「つ!」

「抽出する」

「ちゅーちゅちゅちゅる!」

「一番酷くなってるじゃん!」

「のじゃ! もう良いのじゃ! 早く魔力を取り出すのじゃ!」


 からかいすぎたかな。顔を真っ赤にして怒るみーちゃんを横目に魔力のちゅーちゅちゅに神経を注ぐ。


「良いかの? まずは集中して、体のどこか。まぁどこでも良いが、まずは掌が分かりやすいかの。そこに意識を向けて体の一部を切り取るイメージじゃ」


 掌に意識を集中……。体の一部を切り取る……。

 言われた通りにやっていると、数秒すると掌に真っ白な球体が浮かび上がった。


「それがコウタの魔力の一部じゃ。次は属性の付与じゃが、まぁ今は水をイメージすると良いのじゃ」


 その通りに、川の清流をイメージしていくと今度は球体が青く染まっていき最後に水球へと変化する。


「それが属性付与じゃな。そしてそれを思いのままに造形するのじゃ!」

「じょうけい?」

「造形じゃ!」


 あまりからかうと今度こそ拗ねられてしまう、と悪ふざけもそこそこに水球を鞭のイメージに近づけていく。


「そこで発射じゃ!」

「はぁ‼」


 鞭の形になった水は蛇のようにくねりながら近くの壁にぶち当り弾け飛んだ。


「これが魔法の一連の流れじゃな」

「なんか……面倒なんだね」

「じゃろ? それでその集中やイメージを単語と結びつけて簡略化して打つのが詠唱、というわけじゃな!」

「おお! なんかそれっぽい!」


 そう言われるとさっきの魔法もウォーターウィップとでも名付けておけば次から簡単に使えそうだ。


「あとはその速度を上げていけば立派な魔法使いじゃな。この世界の魔力はおよそ万能での、魔力さえあれば不可能はない、とさえ言われてるのじゃー。というわけで、これでみーちゃん先生の魔法授業はこれでおしまいじゃ!」

「ありがとうございましたー!」

「それじゃ、今度こそ街を見て回るのじゃー!」


 ピョンピョンと目を輝かせて跳ねるみーちゃんの手を握って大通りの方へと出て行く。



 街は本当に広く、見たことのないものに溢れていた。


「みーちゃん! あれは何!?」

「あれはバジリスクの蒲焼きじゃな。かなりエグミが強くてワシは嫌いじゃ」

「あれは!?」

「あれはユニコーンの角のレプリカなのじゃ。お守りとして人気なのじゃ」


 露店を冷やかしながら街を歩くだけでも新しい発見があってずっとこうしてられそうだった。



「良いからついて来いや! オラ‼」


 一時間ほど見て回った頃だろうか。街の細い路地の方からふと、怒号が聞こえた。


「……ん? 何だろう、今の声」

「大方、チンピラが暴れとるんじゃろ。一々関わってたら身が持たないのじゃ」

「ふぅん……」


 そんなものか、と思いながらそっとその路地を覗き込んでみるとそこにいたのは大柄な男たちとその男たちに取り囲まれるようにされている少女だった。


「……ごめん、みーちゃん。ここで待ってて!」


 次の瞬間には俺の体は動いていた。みーちゃんに一声かけてその路地の方へと入っていく。


「あのー、すみません」

「あぁ!? んだてめえは!」


 もしかしたら知り合いでただ会話してるだけの可能性を捨てきらず、出来る限りフランクに男たちに話しかける。が、その少女の期待のこもった視線を送り、俺を見てすぐに諦めたように目を伏せたのを見て確信する。


「その子、嫌がってるじゃないですか。離してあげて下さい」

「んだ、おら。てめーには関係ないだろ、すっこんでろ」

「……私は平気。だから放っておいて」

「そんな心配して下さいって顔で言われてもな……」


 その女の子が興味の薄そうな声でそう語りかけてくるが、ここで見捨てられるような教育は受けていない。


「おい、ガキ。これが最後の忠告だ。俺らのことは忘れて失せろ。今なら見逃してやるよ」


 一番奥に立っている特に大柄な男がそう不愉快そうに吐き捨てる。こいつがリーダーだろうか。


「そういうわけにはいきません」

「そうか、なら……。おい、てめーら、やっちまえ!」


 その声を皮切りに数人の男たちがナイフやグローブをはめてこちらに向かって襲いかかってくる。


「やれやれ、なんとか温厚に済ませたかったんだけど。ウォーターウィップ!」


 さきほどと同じく水の大蛇が手から現れて、こちらに向かって来ていた男たち全員をはじき飛ばす。


「習いたてだったけど、問題なさそうだな」

「こいつ、魔法使いか!」

「てめえら落ち着け! 数で襲い掛かれば魔法使いなんざ怖かねえ! 詰めれば俺らの勝ちだ!」


 荒くれ達は少し怯んだようだが、今度は数を増やして一斉に襲いかかってくる。


「アイシクルブレイド!」


 それに合わせて俺も氷の剣を錬成して、敵の攻撃を捌ききる。


「実は剣道やら棒術も習ってたりするんだよな」

「こ、こいつ! 魔法使いの癖にこの身のこなし! 魔法剣士か!」

「くっ! おい、見ろ! 坊主! こいつがどうなってもいいのか!」


 先ほどのリーダー格の大男が女の子を取り押さえ、喉元にナイフを突きつける。


「卑怯な! その手を離せ!」

「へっへっへ、ならまずはその剣を捨ててもらおうか。おっと、下手に抵抗するなよ? 下手に魔法使えばこいつが怪我しちまうぜ?」


 くそっ! しくじった……。どうすれば……。


「フリーズ! のじゃ!」


 その時後方からかわいらしい声が響く。


「まったく……コウタはかんむりょー、というやつなのじゃ」

「へっ……あ、み、みーちゃん! ……それを言うなら、無鉄砲、でしょ? 待っててって言ったのに」

「のじゃ! ワシはこんな見た目でも神なのじゃ! こんなチンピラくらいならちょちょいのちょいなのじゃ」

「そ、そっか……。そ、そうだ! 今はそんな場合じゃ!」


 バッと彼女とチンピラの方を振り返る。

 しかしそこには先ほどまでと全く変わらず微動だにしないチンピラ達の姿があった。


「こ、これは……?」

「魔法で一時的にこいつらの時間を止めたのじゃ」

「す、すごい……!」

「のじゃ! これくらいならコウタの魔力量でもちょちょいのちょいなのじゃ。魔力さえあればなんでもできるって言ったのじゃ? さ、今のうちのその子をこっちに連れてくるのじゃ」


 言われた通りリーダーらしき大男の腕から無理矢理に女の子を引き剥がし、路地の入り口の辺りまで避難させる。


「よし、じゃ、街の探検を続けるのじゃ」

「えっ……? でもこいつらは? ていうかこの子は?」

「まぁもう少し置いておけば元に戻るのじゃ。其奴は……解除!」

「私のことはもういいから逃げて! ……ってあれ?」

「どうも、大丈夫? 怪我はない?」

「あ、あれ……? 私、あいつらに人質にされて……ていうかあいつらは……?」

「あぁー、まぁチンピラ達はあんな感じで」


 と言って未だに固まったままのチンピラを指差す。


「ひっ……! し、死んでるの……?」

「いや、時間が止まってるだけだよ。それより、動き出すと面倒だ。一旦ここを離れたいんだけど、いいかな?」

「え、えぇ……」

「みーちゃん、行くよ」

「のじゃ!」


 二人に確認を取ってから俺は未だ混乱収まらない女の事、みーちゃんの二人の手を取って人混みの中に紛れていった。



「ハッ! ……なっ!? あ、あいつらどこに行きやがった!」

「親分! 奴らどこにもいません!」

「どうしましょう、親分」

「……俺ら町裏愚連隊が舐められたまま引き下がれるか。街のタイルひっくり返してでも探し出せ!」

「ヘッ、ヘイーッ!」

「……それと、ついでだ。あの人を呼んでこい」

「へっ……? し、しかし、あの娘を殺すのはまずいのでは……」

「かまやしねえよ。質は落ちるがそれでも丸々一体死にたてほやほやなら十分欲しがる奴らはいるさ」



「そうして君を助けたってわけ」

「そう……。なんにせよ、ありがとう。助かったわ」


 そのあと俺たちは女の子が借りている宿に場所を移した。


「自己紹介が遅れたわね。私はチア。あいつらに捕まってたのは……その、私、エルフなの」

「エルフ!?」

「妖精族とも言うのじゃ。昔はある程度はいたんじゃが、百年くらい前かのー。エルフの血や涙は霊薬や宝石になるという噂が広がり裏社会でエルフ狩りが流行っての。そこから一気に数が激減してしまったのじゃ」

「みーちゃん、小さいのに詳しいのね……」


 ちなみにみーちゃんはこんなに小さい子がフリーズなんて高レベルの魔法を使ったとバレると注目を集めてしまう、として助けたのは俺の力だけだってことにし、みーちゃんは俺の妹である、と説明していた。


「そう、私も家族と森の奥で小さな集落に過ごしていたのだけれど、エルフ狩りにあってね。なんとか私だけは生き延びたのだけどパパやママは……」

「そうか……。君も大変だったんだな」


 傷ついた彼女に俺ができることなんてなにもない。ただ、それでも彼女の気が少しでも紛れれば、と軽くチアの頭を撫でる。


「……貴方、顔に似合わず手、大きいわね」

「似合わずは余計だよっ。まぁこれでも小さい頃から武術は習って来たからね」

「ありがとう……。安心する」


 そう言って微笑むチアの顔にはさっきまでの強張った顔はどこにもなかった。


「のじゃ! みーちゃんも! みーちゃんも撫でて欲しいのじゃ!」

「はいはい、おいで」


 ダダをこねるみーちゃんを膝に座らせてみーちゃんの綺麗な金髪を撫でてあげる。


「それで、その、エルフ狩りにあった後どうなったんだ?」

「えぇ。と言ってもなんとか森から脱出したまでは良かったんだけどその後あいつらに捕まっちゃってね。なんとか逃げ出そうとしたところを貴方が助けてくれたってわけ」


 そうやって数時間ほど他愛ない話をしてただろうか。


「やけに外が騒がしいわね」

「のじゃ、何かあったのじゃ?」

「ちょっと俺、見てこようか」


 そう言って個室の扉に近づいた瞬間、扉が乱暴に蹴破られる。


「よお、ようやく見つけたぜ。ガキ共」

「なっ、お前らは!」


 そこにいたのは先ほどまでのチンピラ共だった。しかもさっきの何倍もの数が廊下に控えていた。


「しつこい奴らめ! フレイムスピア!」


 すぐさま距離を取り、魔法で武器を握りこむ。


「おぉ、こええ。だが、残念。既に俺らの仕事は終わった」


 どさり、と後方で重い音がした。


「の、のじゃ! チア!」


 そこには先ほど仲良くなったばかりのエルフの少女が背中から矢を生やし、倒れていた。


「チア! チア! 大丈夫か!?」


 すぐさま駆け寄り、体を抱き上げる。が、既にその心臓は止まり、瞳孔の開ききった目は虚空を見つめていた。


「さっすが、仕事が早いぜ。よし、お前ら! やっちまえ!」

「お、お前ら! よくも!」


 改めてチンピラ共を向き直り、炎の槍でなぎ払い、突き刺し、吹き飛ばしていく。


「エクスプロージョン!」


 宿が壊れることも厭わずに、魔力を消費しながらチンピラ共を吹き飛ばしていく。


「ちっ……! 怯むな! こんな無茶な魔力の使い方をすりゃすぐにガス欠する!」

「地獄の焔よ、奴らを飲み込め! ヘルズフレイム!」


 暗黒の炎がチンピラ共だけを捉え消し炭にしていく。


「ぎゃああああああああ!」

「あついいいいい!」


 その黒炎が収まった頃にはその場に立っていたのは俺だけだった。


「はっ、俺はなにを……? ってそれどころじゃない!チア!」


 チアに駆け寄りその手を取る。だがその手は既に冷たくなっていた。


「ごめん……! ごめん……!」

「のじゃ……! コウタ! ワシの手を握るのじゃ!」


 みーちゃんがこちらに手を伸ばしてくる。


「な、なにを……!?」

「いいから早くのじゃ!」


 言われるがままにみーちゃんの小さな手を握り、指を組み合わせる。


「今からワシがコウタの体にかかったリミッターを一時的に外すのじゃ。そうしたらチアの死を燃やしてしまうのじゃ!」

「死を……燃やす……? リミッター? 何の話だよ!」

「こっちの世界に来るときおまけでな。コウタに全てを燃やす、という能力を付与してあるのじゃ! 

じゃが、あまりに強力な能力なので暴発を防ぐ為にリミッターをかけておいたのじゃ! それを今……! よし、外したのじゃ!」


 俺の中で巨大な炎がかま首をもたげた。全身が燃えるように発熱し、そのまま俺自体を燃やしてしまうかと錯覚した。


「炎神ヒノカグツチに要求する! 鳴らせ、その焔! 唄え、この願い! 燃やせ、その総て! 概念焼却! チアの死をこの世から焼き消せ!」


 瞬間、チアの体が激しく燃え上がり、全てを燃やしていく。


「これで……いい、のか?」

「のじゃ、使ったことはなかったが上手くいったようなのじゃ」


 その焔が落ち着いた後には、頬に朱が指した、チアが穏やかな顔で眠っていた。全裸で。


「なっ、なんで裸なんだ!?」

「コ、コウタ! 見ちゃダメなのじゃ!」


 慌てて布団から毛布を剥ぎ取り、チアの体に被せてあげる。


「の、のじゃ。まぁあれだけの高温の炎に包まれたのじゃ。仕方ないじゃろう」

「な、なんにせよ、チアは助かったんだな? よ、良かった」

「それより、コウタ、もう一度手を出すのじゃ。リミッターをかけ直すのじゃ」

「あ、あぁ。ありがとう、みーちゃ……いや、ちょっと待ってくれ」

「のじゃ?」

「具象焼却。チアを殺した奴を焼き殺せ」


 瞬間、向かいの建物の屋根から断末魔の声が聞こえる。


「チアを殺した報いだ。死をもって償え」



「う、うぅん……」

「チア! 起きたか!」

「あれ……? 私、眠っちゃってた? なんだか、怖い夢を見てたみたい……」

「あぁ、あぁ、もう大丈夫だ、な?」


 不安に怯えるチア。どうやら死んだ瞬間のことは覚えてないようだが、それでも体が死を覚えているのだろうか。体を掻き抱いて震えるチアをそっと抱きしめる。


「コウタ君……って! えええ!? なにこれ! なんで私裸なの!? も、もしかしてコウタ君……!」


 顔を真っ赤にしながら涙目でこちらを睨んで来るチアに慌てて弁明する。


「ち、違う! その、さっきのチンピラがまた攻めてきて……。それで怪我をしたチアを治療する時に服がその……燃えちゃって……」

「燃えた!? どんな治療をすれば服が燃えるのよ!」

「のじゃ! チア落ち着くのじゃ! コウタはチアには指一本触れておらんぞ! ワシが保証する!」

「そ、そうなの……? まぁ、みーちゃんの目の前でそんなことはしない、か……」


 チアには自分が死んだことは黙っていることにした。そんなこと聞いても信じられないだろうし、何より既に燃えた出来事のことを言っても仕方ないだろう。


「うぅ……でも、私の裸、見たんだよね……」

「見てない見てない! ほとんど見てないよ!」

「ほとんどって! ちょっと見たんじゃん!」

「いや、あれは不可抗力っていうかなんていうか……」

「……うぅ、でも仕方ない、か」

「チア?」

「ふぅ……コウタ君、エルフのしきたりに則り、我が身、我が心は貴方のものです。末永くよろしく……ね?」


へ?


「えええええええ!?」

「のじゃああああああ!?」


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