七語~私の知っている歴史と違います~
すいません、五日とか無理だと深く感じた作者です。更新はできるだけ早くしたいと思っているのですが……他のサイトで書いている小説もあって遅くなってしまいます。それでも読んでくださる方々誠にありがとうございます。
「シャッテン君アラール王国は何故滅びましたか?」
「えぇ~と……」
どうも、ピッカピッカの新入生シャッテン・デア・ドゥンケルです。一つのシワのない学生服。まぁ、今日初めて着ましたから汚れが付いているわけないですがね。
それはそうと、入学初の授業は歴史で私は今教師の指名により立たされているわけなのです。アラール……アラール王国……えぇと……。おい、今認知症と思ったやつ殺すぞ。舐めるなかれ、私記憶力はよいのです。
「あぁ、思い出しました!アラール王国は確か、夜国の王、吸血鬼皇の恋路を邪魔したために滅びましたね」
「えぇ!?違いますよ!?」
「あれ?あぁ、正確には堕落した政府の機密書なんかをたまたま見つけた吸血鬼皇が町にばらまいて暴動が起きたところを戦争中の隣国に攻められ滅ぼされましたね」
「うぇえ!?」
教師のみならず生徒までもが私の方を驚いたような変なものを見るような目で見てきます。私が吸血鬼皇の友人の竜王のじいさんから聞いた話ではそうだった筈ですが……。
酒を飲みながら笑いながら言ってましたよ?
「いや、国にが恋路を邪魔したせいで滅んだってあり得ないでしょ!あんた頭可笑しいんじゃないの!」
「はぁ?……私がじいさんから聞いた話ではそう言ってましたよ?」
「じいさんって……嘘か常識知らずの知ったかぶり男ね」
「ムウ……」
少々抜けているところはあったりボケたフリをして自分に都合の悪いことを忘れた演技をする竜ですが……。知ったかぶりをするような竜ではありませんよ。
たまに趣味で作ったお酒をくれたり、引き込もっている間世間話をしてくれたりとよき友竜です。それを馬鹿にされるのは少しばかしムカつきますね。
「なら今度本人に確認しておきますよ。なんなら会わせて差し上げます」
「フン、いいわよ。どうせ、デタラメしか言わないでしょうかね」
……この、クソ餓鬼が……。このクソ……リーベお嬢さんはどうしてこうも私の神経を逆撫でするのでしょうか?何ですか、私に抹殺して欲しいのでしょうかね?お前の家潰すぞ、社会的にも物理的にも。
私自分のことを温厚だとは思いますが……少しほんの少しだけ感情的になりやすいとも思います。だから、この餓鬼の借金を1日ごとに利子をつけてやろうと思うことを仕方のない事なのです。
えぇ、大人げない?そんなもの魔物にでも食わせてやればよいのです。大人だってキレる時はキレますし、イラつくこともあります。それに、今見た目は十五歳の少年。子供の喧嘩ですよ。
「シャッテン君座っていいですよ」
「はい」
「えーと、ではリヒト君代わりに答えくれますか?」
「はい」
リヒトが立つと女子の目線が急激に集まる。モテモテですね~。この国にバレンタインのイベントがあれぱ確実に机の上を吐き気を催すあのブツが大量に沈殿するのでしょうね。
まぁ、私の国では毎年私宛に部屋を埋め尽くすアレが送られて来るのですがね。可愛らしいスライス達からと、毒や呪い等の熱い~怨念のこもった物まで色々とね。
「ーーで、滅びした」
「はい、正解です。リヒト君学年流石首席ですね」
「やっぱり、リヒトは凄いわね!」
「うん、リヒト君頭良いよね!」
「そんなことないよ」
あぁ、聞いていなかった。……後で改竄された歴史はまとめて調べればいいですね。しかし、たかが覚えたことを述べただけで褒められるとは甘甘ですね。いえね、別に僻んでるわけではないのですよ。決して。
ジリリリーー……
おや、どうやら授業が終ったようですね。それにしても、やっぱり授業はどの世界も眠たくなるものなのですね。前の世界でも毎時間カクカクしておりました。興味のあるものは目が覚めますが逆は、瞼が閉まりますね。
「リヒト様、次の時間は何をやるのでしょうか?」
「同学年なのに様はやめてよ、次は【演習】だよ」
「ほう、演習ですか」
時間割りは貰った筈ですが何故か手元にありまさんね。十中八九部屋に置き忘れてきましたね。まぁ、皆さんについていけば問題ないでしょうけど。
「ねぇ!イカサマ野郎」
「…………」
「ちょと、返事しなさいよ!」
「誰のことを言っているのですか?あいにくと私はシャッテン・デア・ドゥンケルという名前があり、貴女の言う「イカサマ野郎」は知りませんね」
誰がそんな呼び名で呼ばれて返事をするものか。BAKA ですか?AHO ですか?それとも両方ですか?この餓鬼はとことん私を苛立たせたいようだ。真面目に先ほどの案を実行しようかと考えますね。
「なら、アンタ!演習の時間にワタシとペアを組みなさい!」
「はぁ?何故、私が貴女なんかと……」
「フン!逃げるのぉ~?なに、負けるのが嫌なのね。情けないわね~!」
逃げる?何から?…………あぁ、なるほど。演習にはたしか実践演習というものがありましたね。それを私とやりたいと。このお嬢さんはよほど腕に自信があるようだ。決闘を申し込まれるのは実に千年ぶりだ。
穏やかな平和主義主人公ならこういうとき断るでしょうけど、私そう言う系ではないので……
「いいでしょう、受けてたって差し上げます」