四語~お嬢さんは借金をするのです~
何でしょうこの雰囲気は……。もしかしてお嬢さん払えないのですか?
マジでぇ……?いやいやそんな分けないないですよね!髪も艶々でよく手入れされてますし身なりも綺麗で貴族ぽい言葉使いですし、そもそもお金持ってないのにこの私に依頼をするわけないですよね。ここは冷静に深呼吸を……すぅはぁ~、よし!
「えぇと~…、聞こえにくかったのですね!すいません……金貨100万枚になります!」
「「…………」」
「…………、あの?お嬢様方どうかなされましたか?」
「「…………」」
反応がないただの金無しのようだ。
えっ、本当に無いの払えないのですか?嘘ぉ~…、どうしようこのお嬢さん売買or奴隷商人に売り飛ばしますかね……。それとも風俗店に出すか、臓器を売るか……。ん~…、貴族の様ですし親に支払わせる方が、もしくは地道に働いて払ってもらいますかね。
そんなふうに私がお嬢さんの処置を考えいると、一人の金髪少年が私の後ろからやって来ました。
「あれ?リーベとソフィアじゃないか」
「リヒト!」
「リヒト君!」
「…………」
どうやら知り合いのようです。それと金無し貴族のお嬢さんはリーベでその友人はソフィアと言そうです。金髪少年リヒトがそう言ってますし、多分そうなんでしょう。
「どうしたんだい?」
「リヒト聞いてよ!この男ぼったくりだったのよ!そうよね、ソフィア!」
「うん……さすがに金貨100万枚は……」
はぁ!?ぼったくりですとぉ!?何を馬鹿げた事を、私に依頼額では最低価格なのですよ!?それをぼったくりとは、いくら温厚な私でも怒りますよ!
「お嬢様方嘘はいけませんよ」
「でも、彼女達が証人だろう?」
なんですかこの餓鬼……この少年は、いきなり入ってくるなりさも私が悪いように言う。その証人が嘘を言っているというのに庇うように後ろに回して何ですか正義のヒーロー気取りですか?それとも女の子なら何でもいいクソ男ですか?
「失礼ですが私は確り看板に値段を書いて商売をしていました、お嬢様方お読みになられましたよね?」
「えっ…!そうなのかいリーベ?ソフィア?」
「看板……確かにあったわね……」
「うん、あったけど値段見てなかったよね……」
「けど!たかが何でも屋が金貨100万枚もすると思わないじゃない!」
ヒステリックに叫びだした。どうやら、このお嬢様方看板の値段を見ていなかった様ですね。値段も見ずに依頼をするとは、馬鹿なのですかね?
だが、たかが何でも屋とはなにか……聞き逃せませんね……完全に舐めきってます……。
「クレーマー客は本当に面倒ですね……」
「くれーまー?て何よ?」
「貴女のような方の事ですよ、真面目に仕事をしているものに向かって文句をつけてきて鬱陶しい迷惑客の事です」
「なっ!?あんた、たかが平民の何でも屋でしょう!金のためならなんでもする、意地汚いたらありゃしない!」
「…………たかが一貴族ごときがピーピー煩いですよ、小鳥の方が余程綺麗な声だ、壊れかけの機械音みたいに錆び付いた声で怒鳴らないで頂きたい、耳に残り不愉快極まりない」
「ッ~~!!?」
さっさと代金を貰って帰りたいものだ。もうすぐ夕食時になる、皆を待たせては申し訳ない。この女の気が冷めるまで待つ義理はない、また明日にするか。と言っても逃げられるのは私の仕事に対するプライドが許さない、これを付けとくか……。
「『チェイン』」
「何よこれ!?」
「明日までに代金を用意していれば外して差し上げよう、だが用意出来ぬのなら借金を返済するまで外さぬ」
「あんたこんなことが許されると思ってるの!?」
「借金を踏み倒さなければ外してやると言っているだろう、私はこの後用があるので失礼する」
『チェイン』拘束魔法でその強さは術者の魔力により変わる。まぁ、私の魔法はあの女には解けないだろうな。魔力が全然足りない。
あっ……途中からあまりにもイラッと、きて丁寧語忘れていました。いけない、いけない……今は何でも屋の仕事中紳士な態度で接しなくてはなりませんね。私たらおちょこちょいなんですから!けして老化のボケとかではありませんから。
ではまた五日後!