思い人
「何言ってんの!?」
「まあ待っててよ。」
「知らない勝手にすれば!」
何なの、コイツ!!
そんな風に思っていたら、1年D組の教室に着いた。
「ありがとうございます。先輩。」
ニコッと笑っている。
「どういたしまして。」
業務用の笑顔を振りまいとこう。
絶対あんな奴になんか私は落とされたりしないから!!
覚えとけ! 桐島涼太め~!!!
すごい勢いで廊下を歩く、星華。
「あれ? 宮崎じゃん。」
「あ! こんにちは、斉藤先輩!」
あ、声が変になっちゃた。
「スピーチすごかったよ。 まさか、宮崎があんな事言うなんて。」
「お恥ずかしい。」
「いや、見ててすげえ面白かった。」
「先輩の中の私のイメージ崩れましたよね・・・。」
「いい意味でな。」
頭を優しくポンとタッチされた。
顔が熱い。
私は斉藤先輩が好き。
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入学式当日に道に迷っていた私。
『ここドコ・・・?』
全然知らない道・・・。
!? なんか怖いお兄さんがいる。
だんだん近づいてくる。
『ねえ、おじょーちゃん。 俺と遊ばない?』
『いや、学校あるので・・・』
『いいよ学校なんて~』
『ひっ!!』
腕を掴まれた。
怖さで声が出ない・・・
『あの、すいません。』
!?
『そいつ、俺の連れなんですけど。』
『ちっ、彼氏持ちかよ。』
怖いお兄さんは向こうへ行った。
『ありがとうございます。』
『どういたしまして。 君うちの学校だよね。』
『はい。』
『ここ、反対方向なんだけど。』
『実は、道に迷ってしまって・・・。』
『そっか、じゃあ一緒に行こう。』
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その事がきっかけで、好きになったんだよね・・・
いつか、この恋が叶えばいいのに・・・