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惚れました
「俺をもっと頼って。」
そう言われて不思議と肩の力が抜けた。
「ひっくひっく。」
自然と彼の胸に飛び込んでしまった。
彼はやさしく頭を撫でる。
不思議と安心してしまった。
「そうだよ。そうやって甘えてもいいんだよ。」
あれほど嫌っていたのに今はそんな事どうでもいい。
今は、ただ、
ただ______
誰かが側にいて欲しい。
「辛いときは俺のとこに来ればいい。」
「うん・・・。」
そういった彼は私よりもずっと大人で、頼もしかった。
桐島涼太、あなたのことを見直したよ。
あなたに言ったとおりだったみたい。
『先輩を俺が落としてみせるよ』
星が光る屋上で、私はあなたに惚れました。