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頼って
なんで、斉藤先輩のことを好きになったんだろう。
星華は全速力で廊下を走った。
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(あれ? なんか向こうから人が走ってくるな・・・)
涼太は目を細めた。
(う~ん、女子?)
(宮崎先輩!?)
涼太の横をものすごいスピードで通り過ぎていった。
(泣いてる・・・?)
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「ひっく、ひっく。」
はあ。
疲れた。
ここなら、誰も来ないだろう。
屋上から見る空はすっかり暗くなって、星が見える。
「なんで、なんで好きになったんだろう。」
こればかり、考えてしまう。
ガチャ・・・
「宮崎先輩・・・」
「・・・。」
「あ~、何で来るかなあ。」
「先輩が悲しんでるから。」
「そんなこと言わないで。」
そんな風に言われると、何だか心がぐらつく。
「何で、あんたはいつもこういうときに現れるのかなあ。」
「先輩が好きだから。」
「何で_____」
「辛いことは隠さずに言ってよ。」
「年上だからって、無理はするなよ。」
「俺をもっと頼って。」