便利
そんな待っててと言われても・・・
うなる星華。
いや、もう寝よう。
こんなめんどくさいこと考えてもキリがない。
===
キーンコーンカーコーン♪
「きりーつ。 礼。」
「さよーなら。」
待ちに待った、放課後だ。
何故かって?
それは・・・
「お~宮崎!」
「斉藤先輩!」
「ごめんな。呼び出して。」
「全然気にしないで下さい。」
「今日は少し手伝って欲しいことがあってな。」
「何ですか?」
「今年のスローガンの垂れ幕を作るんだけど・・・」
「いいですよ?」
「サンキュー、宮崎。」
そう。
斉藤先輩とお仕事をするのです!!
あ、でも2人きりじゃないですよ?
「ヤベ! ペンキ忘れた。」
「あ、じゃあ私持ってきますよ。」
「わりいな。」
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「よし。ペンキっと。」
少々重くたって、役に立てるなら気にしない。
急いで戻ろっと。
『3-B』
「なあ、斉藤。」
===
「なあ、斉藤。」
「何?」
「さっきの女子、お前の彼女?」
「違うよ。」
「好きなの?」
「じゃあ、告白された?」
「されてないけど。」
「じゃあ何で、女子を煙たがってるお前が?」
「そんなの決まってんじゃん。」
「言うとおりに動いてくれるから、便利なんだよ。」
「うわ~、マジひでえwwww」
===
「言うとおりに動いてくれるから、便利なんだよ。」
一瞬言葉の意味を飲み込めなかった。
斉藤先輩がそんな風に思ってたなんて。
目から涙があふれる。
急いでその場を立ち去った。