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黒い夢と赤い夢Ⅰ ――魔女狩り――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第4章 †狂乱† ――シリオード大陸――
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第31話 ラスト・シリオード

※フィルド視点です。

 【シリオード大陸 東都 城内】


 崩壊したシリオード東都の城。私は瓦礫の中で目を覚ました。確か、ケイレイトと戦っていて、そこにシリオードのイプシロンが乱入して……。

 薄暗い城内。ほこりと塵が蔓延している城内。崩れた壁からは月明かりが差し込む。今は、夜か……。

 私はフラつきながらも立ち上がる。まだどこか頭がぼんやりとする。全身に痛みが走る。あの爆発で、かなりのダメージを負ったらしい。

 ひとまず、シリオードから脱出しないとな……。ケイレイトやコマンダー・アレイシアはどうなっただろうか? 死んだら、それはそれで構わないが。



「オイ! 魔女の生き残りがいるぞ!」


 半壊した廊下を歩いていると、後ろから声がかけられる。魔女……そうか、クローンたちの呼び名だな。最も、私はクローンではないのだが。

 後ろから薄いシールドに包まれた緑をした蛍光色の燃料弾が飛んでくる。私はまだ傷の深い体で大きく飛び、彼らの背後に飛ぶ。


「う、うわっ!」

「殺せ!」


 私は慌てて振り向くシリオード兵に手をかざす。2人の体は腰で横に大きく裂かれる。血が飛び、2人は絶命する。

 だが、その途端、私も口から血を吐く。あまりにも大きすぎるダメージ。自身の魔力が欠乏している。この状態で魔法や超能力を使い過ぎると、やがて死に至るだろう。


 私は壁に手をつきながら、暗い廊下を歩いて行く。廊下から階段を降り、下へ、下へと進んでいく。シリオード軍の小型飛空艇を1機奪えばコスーム大陸に戻れる。


「魔女だ!」

「撃て!」


 私は新たに現れたシリオード兵に向かって突っ込んでいく。素早い動きで腰に装備されていた剣を奪い取ると、それで彼らを斬り殺す。私は元々、国際政府の高位軍人だった。あの頃は剣を武器にしていた。


「魔女の生き残りがいるぞ!」

「急げ! こっちの方だ!」


 大勢の足音が聞こえてくる。私は近くの扉を開け、部屋の中へと入る。この傷を負ったまま、大勢のシリオード兵を相手にするのは少し危ない。

 部屋の中は……資料室か? 部屋の中央に置かれた机の上にはたくさんの資料が散乱している。私はその適当に手に取って読んでみる。



『「サキュバス王国陥落」

 ケイレイトへ。

 プロパネ将軍、アヴァナプタ将軍らによってサキュバス王国は陥落。

 ディオネ、アルテミス、テティスら主要人物は全員死亡。

 しかし、セイレーンは討ち逃がしたらしい。

  連合政府七将軍メタルメカ』



 セイレーンか。1年ほど前、アイツに殺されそうになった。連合政府の施設から逃げるとき、一緒に連れて行ったら、最後の最後で裏切られた。

 アイツはあれで私を殺したつもりかも知れないが、私はまだ生きている。今度出会ったら、八つ裂きにしてしまいそうだ。


 他にも興味深い資料があるが、こんな所でグズグズしているワケにもいかない。騒ぎを聞きつけたシリオード将軍が現れると、かなりやっかいだからな。

 私は扉をそっと開ける。廊下には血の臭いが充満していた。さっきまでこんな臭いはしなかったハズだが?

 血の臭いが気になりつつも、私は薄暗い廊下を歩いて行く。しばらく歩いていると、足で何か柔らかいものを踏んでしまう。……シリオード兵の死体? よく見るとそこら中にある。

 その死体はまだ温かった。どうにも、鋭い爪のようなもので斬り裂かれたような跡がある。クローンの生き残りの仕業か……?


 やがて、大きな空間に出た。ここはシリオード軍の小型飛空艇発着場らしい。おかしな形をした飛空艇ばかりだ。どれもこれも、クロス字状のもの。真ん中に操作席みたいなのがあるが……。どうやって使うんだ?

 だが、その変な小型機の中に1機だけ二等辺三角形の小型戦闘機があった。これは中央大陸でよく使われているものと酷似している。……コマンダー・アレイシアの専用機か?

 私はそれに乗ってここを飛び立とうとする。だが、そのときだった。


「…………!」


 私の方に向かって何かが走って来る。私が振り向くと同時に“それ”は大きく飛び跳ね、こっちに向かって来る。その手は鋭い爪と化していた。そして、そこには血が……!


「う、うわっ!」


 私は慌てて剣を引き抜き、それで爪の攻撃を防ぐ。鋭い爪を有した人型の怪物は素早く飛び退く。ソイツは床に飛び降りる。褐色のウロコを有した人型の怪物。……コイツ、連合政府が開発した生物兵器アサシンだ。さっき廊下に転がっていたシリオード兵を殺したのは――。

 俊敏な動きをする生物兵器だが、倒せない敵じゃないな。あまり、使いたくないが……。


「来いっ!」


 私の声と共にアサシンが走り出す。一気に間合いを詰めると、いきなり床を蹴って宙に飛び上がり、孤を描きながら爪を振り下ろしてくる!

 私は手をかざして狙いを定める。そして、一気に真っ二つに斬り裂いた! アサシンは上半身と下半身で斬り裂かれ、床に転がる。濃い赤色の体液をまき散らしながら、生物兵器は息絶えた。


 アサシンを斬り倒した私は、二等辺三角形の小型戦闘機に乗り込む。これで中央大陸に戻れるだろう。

 行き先は連合政府首都ティトシティ。狙いは連合政府のグランド・リーダー――ティワードだった。私を実験台にした連合政府の総統を殺す――!

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