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黒い夢と赤い夢Ⅰ ――魔女狩り――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第3章 †虐殺† ――アポカリプス大陸――
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第22話 侵入者

 【司令艦 最高司令室】


 サキュバス王国を完全に滅ぼした私たちは全部隊を司令艦1隻、コア・シップ2隻、軍艦10隻に収納してアポカリプス・コスームの間に位置する広大な海を飛んでいた。これからティトシティへ帰還する予定だった。


「各艦とも異常ないです」

「……そうか」


 10隻の軍艦にはそれぞれ奴隷として捕えたサキュバスがそれぞれ200人ずつ乗っている。コア・シップには500人。司令艦には150人。合計で3000人のサキュバスを首都に送る予定だった。


「各艦、捕えたサキュバスの反乱には用心しろ」


 プロパネは恐れていた。まだセイレーンが捕まっていない。もしかしたら、彼女はどこかの飛空艇に潜み、仲間を解放して飛空艇を乗っ取るかも知れない。

 だから、コア・シップと軍艦にはなるべく多くのバトル=アルファを乗せている。一番少ないのはこの艦だ。ただ、この艦は乗せているサキュバスの数も少ない。


「……いくらサキュバスが少ないとはいえ、この艦だけ兵が少ないけど大丈夫?」

「だからこそ中将3人に俺たちが乗っているんだ」


 ……それでも不安。ディオネは死んだ。でも、セイレーンが生き残っている。この艦に潜んでいるかも知れない。私は天井の窓から真っ暗な空を見上げる。不安が心の中で広がっていた。

 その時、1機のバトル=コマンダーが近づいてくる。


[将軍、B3-G4廊下にてバトル=アルファ3機が破壊されました]

「なに?」


 私はぎゅっと拳を握りしめる。さっそく来たようだ。セイレーン、今度こそ……!


「プロパネ、ここにいて。私と中将たちで調べてくる」

「……今度こそ油断するなよ」

「大丈夫。あんたはここで待ってて」


 私はプロヴィテンスとフリゲート、アクセラの3人と共に最高司令室を出て行く。これ以上、プロパネに迷惑かけられない……!



 【アヴァナプタ司令艦 B3-G4廊下】


 やがて私たちはバトル=アルファたちが破壊された廊下へとやって来た。1体は胴体の部分が大きくへこみ、残りの2体は頭を叩き潰されていた。


「セイレーンはどこに……?」


 近くには監房エリアもある。にも関わらず辺りは静かだ。まだ仲間であるサキュバスを助け出していないのだろうか?


「…………?」

「どうした? プロヴィテンス」

「少し疑問が残りますな」

「疑問だと?」

「はい。このバトル=アルファですが、胴体のへこみを見ますと、まるで何者かに強い力で殴られたような跡があります」


 確かに拳の跡がある。という事はセイレーンは殴り壊したのか。……殴り壊した? セイレーンは一応、女性だ。それが金属製のバトル=アルファを殴り壊せる力があるとは思えない。


「では、誰が……?」

「そこまでは……」


 この艦に乗っているのは150人のサキュバスと私、プロパネ。そして、3人の中将。誰もバトル=アルファを殴り壊せるほどの力はない。じゃぁ、どういうこと?

 私は辺りを見渡す。不気味なほど静かで誰もいなかった。ただ単に灰色の金属と、コンクリート。白の光があるだけ。


「……監房エリアを見回ってからひとまず最高司令室に戻りましょうか」


 アクセラの言葉に私は頷く。ここにいても仕方ない。サキュバスが解放されていなきゃいいんだ。私たちは近くにある監房エリアへと向かう。

 だが、そこで恐ろしいもの見た。


「…………!? あ、あれは……?」

「そんなバカな……!」


 監房エリアの監獄の1つの扉が無理やりこじ開けたような跡があった。だが、完全には開いていない。開けようとしたが、鋼の扉だから完全には開けられずに、諦めたのだろう。

 無理やり開けようとして出来た扉の隙間からはすすり泣く声が聞こえてくる。私はそこから中の様子を見る。入れられたサキュバスは10人。全員が生気を失ったような顔をしていた。


「あんたたち、なにがあった?」

「さ、さっき、“バーサーカー”、が…私たちを殺そうと……。助けてっ……!」


 震えながらそのサキュバスは言う。バーサーカー? なんだそれは? っていうか殺そうとしたってことは仲間じゃないんだな。


「性魔の森から、乗って来たんです! この艦に、いるんですっ……!」

「バーサーカーってなんだ?」


 私は震えるサキュバスたちから、なんとか聞き出す。彼女たちの情報を総合すると、バーサーカーとはインキュバスの亜種的な魔物らしい。

 普通のインキュバスはすでに絶滅している。人間たちに狩り尽くされたからだ。だが、そのバーサーカーと呼ばれる個体は今日まで生き残った。異常なまでに強靭な肉体と生命力で。


「本当だとすればずいぶん厄介な魔物を乗せましたな」

「ああ、そうだな。最高司令室の警備を――」


 私がそう言いかけた時だった。艦内に警報が鳴り響く。


[第1ブロックにて侵入者あり! 第1ブロックにて侵入者あり!]

「…………!?」


 第1ブロック……!? それって最高司令室があるエリアだ! プロパネ……!

 私はプロヴィテンスが止めるのも聞かないで、銃口から弾丸が放たれたかのようにその場から駆け出した。

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