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雪の森の迷子

 雪が静かに舞う冬の森。

 ユメは白く覆われた小径をゆっくりと歩いていた。

 足元の雪はフワフワとした感触で、まるで柔らかい絨毯を踏んでいるようだ。

 木々の枝には厚く雪が積もり、夜空に輝く月光がその雪を一層美しく照らし出していた。

 ひんやりとした空気が頬を撫で、深呼吸をすると、雪の冷たさと共に清々しい香りが広がる。

 ユメは尾を揺らしながら、静かな雪景色を楽しんでいた。

 雪に反射する月光が、森の奥深くにささやかな光を落とし、周囲はまるで夢の世界のようだった。

 しかし、静かな森の中に、何かが足りないような、どこか寂しさを感じる瞬間もあった。

「ここは……誰もいないみたい」

 ユメは尾を揺らしながら、再び歩き始めた。

 周りにはただ雪の広がる森が広がっている。音もなく舞い降りる雪の粒だけが、その静寂を破っていた。

 そのとき、かすかな鳴き声が聞こえてきた。

「ニャ……」

 小さく、頼りなげな声が風に乗って届く。

 ユメは尾を大きく揺らし、その音に敏感に反応した。

 迷子の動物の鳴き声のようだった。

 ユメは音の方へ駆け寄ると、雪の茂みの中に小さな子猫がうずくまっているのを見つけた。

 全身が雪で白く染まり、寒さで震えている。

「大丈夫?」

 ユメは優しく声をかけ、尾を揺らして子猫に近づいた。

 子猫は小さく目を瞬かせ、ユメの尾の光を見つめると、少し安心したようにその光に寄り添うようにして近づいた。

「ここで迷子になっちゃったの?」

 ユメは尾を揺らしながら、子猫を温めるために自分の体を寄せた。

 ユメの尾の光が雪に反射して、二匹を柔らかく包み込む。

 子猫は少しずつ震えが収まり、尾を小さく揺らして応えた。

「寒いよ……帰れなくなっちゃった……」

 子猫の声は震えていたが、ユメの温かさを感じ取ったようだった。

 ユメはしばらくそのまま優しく寄り添い、子猫が安心できるように静かな時間を過ごした。

「どうしよう、ここからどうやって帰ろうか」

 ユメは少し考え込みながら周囲を見回した。

 雪深い森はどこも同じに見えるが、この静けさが一層迷子になった気持ちを強くしていた。

 しかし、ユメは迷子だった自分の過去を思い出し、冷静に考えることができた。

 迷子のときこそ、焦らずに落ち着いて道を探すことが大切だと、ユメは学んでいた。

 ユメは尾を揺らしながら、子猫を導く道を選ぶ。

 尾の光が雪に映り、二匹の進むべき道を示すように輝く。

 その道がどこか遠くに続いているように見えた。

 ユメは少し元気を取り戻し、子猫に向かって微笑んだ。

「大丈夫、迷子でも一緒なら怖くないよ」

 子猫は尾を揺らして応え、ユメの後ろをついて歩き始めた。

 雪の森の中、二匹は静かな足音だけを響かせながら進んでいく。

 ユメの尾の光が小さな希望の道を描いていく。


 途中、凍った小川が現れた。

 水面は氷に覆われており、その上には雪が積もっていた。

 氷は月明かりを反射して、まるで鏡のようにきらきらと輝いている。

 ユメは尾を揺らしながら、慎重に歩き、子猫を氷の橋へと導いた。

「この氷を渡るときは、少し気をつけてね」

 ユメは優しく言い、子猫が滑らないように注意を促す。

 子猫は小さな足をしっかりと踏みしめ、ユメの後を追う。

 氷の上に映る尾の光が雪に浮かび上がり、二匹の足跡を照らしながら進んでいった。

 氷の橋を無事に渡ると、森の奥に進んでいく。

 風の音と共に、小さな光の粒が舞い始め、ユメと子猫は雪の精霊たちに包まれるような感覚に包まれた。

「精霊たちだ……」

 ユメは尾を揺らしながら言った。

 精霊たちは小さな光の粒となって舞い上がり、ユメの尾の光に呼応するように輝きながら、二匹を包み込んでいく。

「迷子の道を示してくれるんだ」

 ユメは小さな声で子猫に言った。

 精霊たちは、その存在を感じるだけで心が温かくなるような、不思議な力を持っている。

 二匹は精霊たちの光を頼りに進み、道を見つけ出すことができた。


 やがて、森を抜ける小さな丘が見えてきた。

 丘を越えると、遠くに子猫の家と思われる小さな小屋が輝いて見える。

 ユメは尾を大きく揺らし、子猫に声をかけた。

「もうすぐだよ。がんばろう」

 子猫も尾を揺らし、ユメの光に導かれながら丘を駆け上がる。

 雪が舞い、風が頬を打つ中、二匹の尾の光が雪に映り、まるで小さな灯台のように輝いていた。

 丘を越えた先に、子猫の家にたどり着いた。

 家の中からは暖かな光が漏れ、子猫の家族が迎えてくれる気配が感じられた。

 子猫は尾を揺らして喜びを表し、ユメの尾の光に感謝の気持ちを伝えた。

「ありがとう……ユメ」

 子猫の小さな尾の光が、ユメの胸に優しく届いた。

 ユメは尾を揺らしながら微笑み、子猫が無事に家に帰れたことを喜んだ。

「うん、よかったね」

 ユメはそう言って、子猫を見送った。

 その後ろ姿を見つめながら、ユメは心の中で深い満足感を感じた。

 雪深い森での冒険は、ユメにとっても大切な経験になった。

 迷子の子猫を助けることで、自分にできること、そして優しさを分け合うことの大切さを改めて知ったのだ。

 夜空を見上げると、冬の星々が輝いており、雪の精霊たちが光を散らしながら舞っている。

 尾の光、雪の白さ、星の輝きが織りなす美しい景色は、まさに夢の世界の冬の奇跡そのものだった。

 ユメは尾を揺らし、心に優しい満足感と温かさを感じながら、次の季節に向けて冒険の準備を始めた。


 迷子でも、希望と光があれば道は開ける。

 ユメは雪の森でそう学び、尾の光を雪に揺らして次の春の風を待つのだった。

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