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『アルド君、服ありがとう!』
「どういたしましてです」
会計を終え、元の服をアルドから渡されたラトガルドは手話でお礼を言った後、服を自身のアイテムボックスの中にしまった。
「ラト、次はどこ行く?」
『ノルにぃ、ラトお腹空いた・・・』
「ん。したら次は昼飯食いに行くか・・・カルロ、アルド、行くぞ~」
妹の手を取り、護衛2人に声を掛けるとノルベルトは店を出る。
通りを歩き始めた所で、前方の大通りから怒声と悲鳴が聞こえてきた。
『 ⁈ 』
「なんだ?」
「悲鳴?」
「大通りの方からですね。何かトラブルでしょうか?」
「一寸様子を見に・・・って、ラト⁈」
ふと視線を下に向けたノルベルトは、先程迄いた妹が居なくなっていることに気が付いた。