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ノルベルトのその顔を見た黒の兵達は皆一様に背筋に悪寒が走った。
「俺様が最後まで言わなくても、分かるよな・・・?」
「「YES、Sir‼」」
小首を傾げて問うノルベルトに、皆死ぬ気で返事を返す。
「とは言え、俺様も鬼じゃねぇ。お前らがニ十分間を生き残れるようにアッシュの奴と相談したうえで黒の軍にはテストも兼ねてラトが作った魔道具を用意した」
そう言ってパチンとノルベルトが指を鳴らすと、何処からともなく木箱が現れた。
隣りの足下にカタリと落ちた木箱の中には大きなガラス玉のようなモノが填まった腕輪が収まっている。
「バーチャル空間で使うコイツはまぁ、なんつーか『データ』なんだが、使い方と効果は現実のものと同じにしてある。頑張ってプログラム組んだ技術チームに感謝しとけよ。んで、予備を含めて1人2つ渡しとくから、使用した感想と改善点があれば後で纏めて・・・そうだな、レオにでも報告しとけ。ラトが報告をもとに改善して、今後黒と白の軍に配備する予定でいるから、正直な感想を報告しとけよ。今日は死んでも平気だが、実践ではお前らの感想が生死を分けるからな・・・」
「「YES、Sir」」




