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小言は後だと兄に言われ、レオポルトはその反省の無さにキレつつも部下たちの手前、今度は何とか大人な返答(?)を返した。
スッとこのバーチャル空間用のタブレットをノルベルトに差し出し、ラトガルドは白の軍も全員到着した事を兄に知らせる。
「ん。白も全員到着したな。んじゃぁもうそろそろ試合開始の合図が・・・」
鳴る。と、ノルベルトが言うと同時にバーチャル空間に模擬戦開始の合図が鳴り響く。
サイレンのような、ブザーのようなその音を聞き、それ迄何処かやる気のなさそうだったノルベルトの口元に不敵な笑みが浮かび、雰囲気もガラリと変わった。
戦場に居る時に見せる彼は、普段のユルイ空気から一変し、誰も寄せ付けないような空気を纏う。
味方からみても、「ヘマをしたら殺される」と、ノルベルトの性格からして絶対に無い事なのだが、そう思わせるような緊張感が漂うのだ。
普段の戦場でなら兎も角、今日に限っては本人的には只々戦闘が楽しみ過ぎなだけなのだが・・・。
「模擬戦開始だな。・・・良いか?お前ら。ラトが直接戦闘に参戦できるようになるのは今から二十分後だ。今日の白の数はこっちの二倍、本来の主旨を尊重してまずはこのニ十分で黒と白との戦力差を図る。アッシュの奴もソコを理解しているはずだから、一気に全軍がこっちに来ることは無い。一先ずはニ十分生き残れ。ニ十分以内に脱落した奴は・・・」
そこで一度言葉を区切ったノルベルトはニヤリとよからぬ事を考えていそうな顔をする。




