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「そうですか・・・では、お見送りを・・・」
「いや、大丈夫だ。ラトが来るなら兎も角、さっきのアレはグレイの得意な子守歌のようなもんだからな。ラトはおねんねしてるんじゃね?だから、お前は彼女の傍で自分の仕事をしろ」
ポンとアルドの肩を叩き、アッシュはそう言って先に進んだ二人の後を追う。
中では彼の予想通り、ラトがグレイの膝を枕にソファーで眠っていた。
「グレイ、そろそろ帰るぞ」
「にぃ・・・うん、そうしたいんだけど・・・動いたらラトちゃんが起きちゃいそうで・・・」
「ん?嗚呼、ソレなら大丈夫だろう」
「え?」
帰るぞとアッシュが云えば、妹は困ったように膝上のラトが目を覚ましそうだと告げる。
彼女の心配をよそに、アッシュはチラリとラトガルドを一瞥すると問題ないだろうと妹に返した。
「ノルベルトがこの部屋に居る間は大人しく寝てるだろうよ・・・そうだろう?ノル」
「そうだね・・・グレイの膝枕気持ちよさそう。俺もリーゼにして貰おうかなぁ?」
「おい!(怒)」
「冗談だよ。冗談。グレイ、そのままそっとズレて帰りな。俺がこの部屋にいる間は多分ラトも起きないからさ」