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「は?なんで?」
「恐らく昔の名残だな。ラトの中で兄さんは『自分を助けてくれる人』という認識なんだと思う」
「脅威から自分を救ってくれた奴・・・と、刷り込まれているわけか」
「例の期間は、基本的にはラトガルドのトラウマ発現期間だからな」
「お前達兄弟とトルディ、後はカルロとアルドくらいか?ラトのテリトリーに許されているのは・・・」
「いや、ホワイト兄妹も恐らく大丈夫の部類だと思う・・・が、他はどうしてもな」
レオポルトはそう言って苦笑した。
「・・・前から思ってたんだけどよ?」
「 ? 」
「その期間のラトガルドって、基本的にどんな感じなんだ?」
「どんな、とは?」
「例えば常に何かに怯えたように蹲っている・・・とか?」
「嗚呼、そういう・・・いや、普段と大して変わりない。だが、時折怠そうにしていたり俺達以外と居るとやたらと警戒心が強くなったり、さっき言った通り、兄さんとじゃないと夜に眠れなくなったりするくらいか?」
「あ、そんなもんなの?」
「いや、そのくらいにまで治ったんだよ。ウチに来たばっかりの時が酷すぎた。兄さん以外には近寄らせもしなかったからな」
「今のラトからは想像できねーな。俺と正式に会ったのは黒の領に来て三年目くらいだっけ?」




