2-20
「んでもって、お前が18になった辺りから、アイツはお前に執務を押し付け始めた。そこから今まで国の運営は基本的に白の王とお前だから大体四年だ。アイツが1人でキチンと仕事をしていた期間はな」
「ソレと俺が黒の王になる覚悟云々にどんな関係が・・・」
「だから、可笑しいだろう?アイツは四年間は自分でちゃんと黒の王として黒の領を、この国の王の1人としてチェスの国をキチンと治めていたんだ。だが、お前が成人してからはどうだ?アイツは殆どの権限をレオ、お前に譲り渡しているだろう?」
「 ‼ 」
「どう考えても、あの男はいつかお前に王位を渡す前提で仕事振ってんじゃねーか」
「ソレはっ・・・」
口籠るレオポルトに、アッシュは大きな溜息を吐く。
「レオ、ノルはな?王様向きであると同時に、王様向きじゃねーんだよ」
「・・・矛盾してないか?ソレ」
「してるよ。仕方ないだろう?ノルベルト自身が矛盾しているんだからな。アイツは誰よりも王に必要な素質を持っていると同時に、国と自身の大切なものを天秤に掛けられた時、迷わず大切なものの方を選ぶ奴だ」
「ソレって、どういう?」
「自身の家族か国民、何方かを選べと言われた場合、アイツは間違いなく国民ではなく自身の家族を選ぶって意味だよ」
「・・・・・・」




