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「ええっと・・・確か、三時間ほど前かと」
「・・・俺がノルを見失ったのと同じくらいか・・・となると、カルロは黒だな。この間説教したばっかで良い度胸じゃねぇか・・・」
「れ、レオポルト、様・・・?」
駄々洩れの殺気に、不敵な笑みを浮かべて呟くレオポルト。
その迫力に、文官は思わずレオポルトの名を呼びながら一歩後退った。
「・・・すまない。邪魔をした。仕事に戻ってくれていい。どこかで奴らを見かけたら、俺が探していたと伝えてくれ。あと、覚悟しておけともな・・・」
そう言って去っていく女王を見送り、自分以外居なくなった廊下で文官はやっとの思いで息を吐くのだった。
レオポルトの殺気に充てられ、生きた心地がしなかったからである。
「レオポルト様、今日はまた一段とご立腹だったな・・・」
女王が去って行った廊下の先を見つめ、文官はそう呟き苦笑した。
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