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そう言うアッシュであるが、ノルベルトが心配であると顔に書いてあるのをトルデリーゼは見逃さなかった。
「そんなこと言って、本当はノルくんを手伝ってくれているんでしょう?ありがとう、アッシュくん」
「さぁ?何のことやら・・・」
静に微笑むトルデリーゼに肩を竦め乍ら答えたアッシュ。
自分の事から話題を逸らす様にラトガルドの話に戻った。
「それで、ラトガルドの様子はどうなんだ?」
「今のところ問題はないわ。少し魔力を使いすぎてしまったみたいで、眠そうにしている以外は大丈夫そう・・・」
「そうか・・・まぁ、そうだろうな。添付されてる現場写真を見る限り、殆ど魔法でごり押ししてたようだし。それにしても、ノルとラトに喧嘩売る奴がいるとはな・・・この冒険者達はアホなのか?命が惜しくなかったのか?」
「外から来たばかりで、知らなかったそうよ」
「相手の力量を図れなくて、どうやってBランクに上がったのやら・・・けど、ラトが作ったこの土下座のオブジェは容赦がなくて最高に面白れぇ」
添付された現場の写真を見てケラケラ笑うアッシュに、トルデリーゼは呆れたような表情を浮かべると先程飲んでいた紅茶の残りを飲み干した。
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