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「10年位かしらね?」
「10年経っても抜けてねぇわけか・・・」
「あの子が彼の元に居たのは4歳~6歳位の2年間だけらしいけれど」
「たった2年だけで10年も後を濁すって、どんだけラトの奴を漬けてやがったんだよ。しかも、ラトガルドは莫迦じゃねぇ。気付いてからフリだけにしていたらしいから、実際は漬けられてた期間も2年より短いんだろう?それでもラトの記憶を殆ど飛ばす程、何よりも10年も効力をもつ程とか、最早あの野郎の心は人間じゃねぇな。胸くそ案件だぜ。そうでなけりゃ、0・1%の確率でラトの奴がノル同様にハマっちまったかだが・・・」
身体を起こしてノルベルトとラトガルドの書類だけを再び手にしたアッシュはチラっと内容をもう一度見ながらそう言って大きな溜息を吐く。
「・・・ノルくんは、絶対に彼を見つけ出すって」
「成程な。10年前よりも酷くなったノルの戦場を放浪する癖はその為でもあるのか・・・」
「多分・・・」
「まぁ確かに、あの男はとっ捕まえて早めに処理する方が良い。ノルにとっちゃ、あの野郎はこのまま野放しにはしとけねぇだろうよ。ラトのような奴を増やさねぇ為にもな・・・とは言え、ラトを拾った日を最後に、10年もノルに尻尾掴ませねぇとか、かくれんぼだけは得意なようだ・・・」
「そうみたいね。ノルくん、最近ラトちゃんを構ってない時は目を離すと直ぐに何処かの派遣先に行っちゃうの」
「・・・心配すんな、トルディ。ウチの連中にも見つけ次第俺の元に連れてくるよう通達してある。ノルばっかに手柄は取らせねぇよ」




