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「この書類は、今日ここに来るってノルくんに伝えたら『じゃぁ序でにアッシュに渡しといてくれ!』って、渡されたの」
「本当に俺のとこは序でじゃねぇか・・・」
「だからそう言ってるじゃない」
「まぁいいや・・・書類貸して」
「うん」
トルデリーゼから封筒を受け取り、アッシュはその場で開けてザっと読む。
先日のノルベルトとラトガルドの冒険者ボコボコ事件の書類になったところで、それ迄無表情で読んでいたアッシュの表情が変わった。
「おいおい、この報告書本気かぁ?ラトガルドの奴ヤバすぎだろ・・・」
「事実よ。Bランク冒険者5人を相手に1人で対応したそうよ。ノルくんがリーダーをお説教している間にね」
「・・・これも例のが効いてんのか?」
バサリと手にしていた書類の束をテーブルに放り、アッシュはソファーの背凭れに寄りかかる。
そのまま頭を預け、天井を見つめながらトルデリーゼに問うた。
「・・・ノルくんは、多分そうだろうって・・・」
「ラトガルドがアイツのとこに来て何年経ったっけ?」




