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彼女は黒の王様、ノルベルトの妻にしてアッシュの従姉である。
「んで?何でここに居んだ?」
「何でって・・・久しぶりにアッシュくんの顔を見たいなって思っちゃいけなかった?」
「いけなくはねぇけどよ。どうせならお前、その黒の王族の紋章が入った黒い封筒を隠してから言えや?つーか、最初から隠す気ゼロだろうがよ・・・」
トルデリーゼの隣りにある黒の領からの書類と封蠟に黒の王族の紋章が入った黒い封筒に視線を向け、アッシュはソファーの肘掛けの上で頬杖をついた。
「まぁ、正直に言えばこの書類は本当にオマケなんだけどね・・・今日白の城に来たのは、アッシュくんのお母様にお茶会に呼ばれたからなの・・・」
「・・・そう言えば今日そんなことをやるとかやらないとか聞いた気がするかも・・・中庭だっけか?」
「そうよ。グレイちゃんとお義母様も一緒だったわ・・・」
「嗚呼、道理で『ぐー』の姿を見ないと思った・・・珍しく昨日のうちに書類を俺ントコに持って来てたのは、そう言う理由か・・・」
メイドが淹れたコーヒーをブラックで飲みながらアッシュは、妹で白の軍の女王であるグレイ・ホワイトの今朝から見かけなかった謎が解け、1人納得する。




