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冒険者に襲われていた家族にへの治療や事情聴取を警備兵達に任せ、何かあれば城まで連絡を入れるようにと告げて戻ってきた四人。
玄関をくぐった先で、アルドからの連絡を受けて待ち構えていたレオポルトに、ノルベルト、ラトガルド、カルロの3人は正座でその場に座らされていた。
仁王立ちで城から消えてからの一連の出来事を聞くレオポルトの目は完全に据わっている。
下の兄の背後に、トラの幻覚をラトガルドは見た。
「・・・本当に・・・ノル、ラト、カルロ!いい加減学習したらどうなんだ?」
「何言ってんだよ、レオ。学習したからお前に見つからないようにラトを連れ出したんだろう?」
「ノル、俺が言っているのはそう言う学習じゃない‼」
ピシャリと言い放つレオポルト。
ノルベルトはめんどくさそうにしていて真面目に取り合う気はゼロらしい。
「ノル!」
「わーかってるよ!来週の会議はちゃんと出る‼」
「はぁ~・・・本当にこの兄は・・・もっと自分が王様で黒の軍の王ある自覚を・・・」
そうブツブツと言い始めたレオポルトを遮るように、ぐぅ~っと鳴る腹の虫が聞こえた。




