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土下座姿勢のまま拘束したうちの1人の上にすとんと腰を下ろし、ラトガルドは兄の方に視線を向ける。
どうやら兄の方もとっくに決着はついているようだったが、兄が男の負けを許していないらしい。
般若を背後に背負ったノルベルトが戦闘でボロボロになった男を今度は言葉攻めにしているようだ。
やりすぎな気がしないでもないラトガルドだが、ああなった兄は止められないし後がメンドクサイので止めたくない。
なので、傍観を決め込む事にした。
アイテムボックスにコンバットナイフを仕舞い、代わりに水筒を出して一服する。
コンコンコンと外から結界を叩く音が聞こえ、視線を向ければ呆れた顔のアルドが居た。
『アルド君、どうかした?』
水筒のふたを閉め、アイテムボックスに仕舞ってから首を傾げつつ結界の外のアルドに手話で問う。
『ノルベルト様を止めるので、結界を解除して下さい。カルロが警備兵を連れてきましたよ』
と結界の外からアルドも手話で返した。
ソレに『了解』と返事を返し、ラトガルドは結界を張った時と同様にパチンと一回指を鳴らす事で周囲の結界を解除する。
「ありがとうございます。ラトガルド様」
『どういたしまして・・・』




