1-17
『⦅あと3人、隠し職業がありそうな人達だけ残っちゃった・・・そう言えば盗賊が消えたな。気配遮断スキルでも使っているのか、隠密スキルで姿を隠したか、はたまたその両方か・・・魔法使いを兼任してそうな盗賊を先に潰したかったけど、仕方ない。先にこの2人を相手して誘い出すか・・・⦆』
フーっと一息つきながら、ラトガルドは氷の拘束から抜け出した剣士と槍使いに視線を向けた。
ステータス的にこの2人は恐らく互いの職業をチェンジ出来る筈とあたりを付けて、ラトガルドは左に投擲用のナイフを四本、右にコンバットナイフの双方を手にする。
何方にも魔力を流し込み、コンバットナイフには強化を、投擲用のナイフには其々別の属性魔法を付与した。
剣士と槍使い、双方とも先程迄あった余裕の笑みは消えている。
自分達の動きを封じ、弓使いと魔法使いを瞬殺(殺してないけど)した彼女に、子供だからという侮りは消し去り、自分よりも格上を相手にしていると言う覚悟を持った表情だった。
『⦅ん?この人達、こんな表情も出来んだね・・・リーダーがもっと賢い奴だったのなら、こんな暴挙には出ていない、普通のBランク冒険者になれたんだろうな・・・まぁ、もう遅いけど⦆』
炎、氷、雷、土の属性を纏わせたナイフを槍使いに放り、剣士の攻撃はコンバットナイフで受け流す。
同時にラトガルドは足下から相手に悟られない程度の微量の魔力を地面に流し込み、周囲のモノを把握することで盗賊探しも忘れなかった。
戦場で何度もノルベルトと対峙し、彼の義妹にされる迄生き残った彼女には死角も油断も無い。




