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国民相手にと言うよりは、今目の前にいるような冒険者や他国から悪事を働きに来た者が居ないかを視察する為の恰好なのだ。
話を戻そう・・・チェスの国の黒と白、両王族の中でも、特に好戦的で戦闘力のある2人に、知らず知らずのうちにケンカをふっかけて居る『閃光の狼』達に、周囲の者は心の中で合掌した。
「はぁ?何言ってんだ。そんなの当たり前だろう。お前らごときに俺達以外を入れたら過剰戦力だわ」
頭大丈夫か?と言いたそうな表情で、ノルベルトは『閃光の狼』達に告げる。
彼としては、目の前の男達の装備や防具の状態から相手の実力にあたりを付け、自分と妹の実力を加味したうえでの発言なのだが・・・当然、そんな事を理解出来る筈もない男達はブチギレた。
「良い度胸だ。お前を殺して、そっちのガキは売り飛ばしてやる‼」
恐らく元々素行も悪かったのだろう。
ブチギレながら吐き捨てたリーダーっぽいヤツのそのセリフは、国民や家族を大切に思うノルベルトの逆鱗に触れた。
「ほう?今、ラトガルドを売り飛ばすと言ったか?」
「聞こえなかったか?お前は殺して、ガキは売ると言った‼」




