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小首を傾げならノルベルトが問えば、漸く正気になったらしい男がノルベルトとラトガルドの2人を睨みながら口を開く。
「なんだ?貴様等。俺達の邪魔をするんじゃねぇ!」
と頭の悪そうなセリフを聞きながらノルベルトは6人を順に観察し、首を傾げた。
「お前ら、見ねぇ顔だな?最近来た冒険者かぁ?」
この国を拠点にしている冒険者達の顔は大体把握しているつもりのノルベルトだが、幾ら記憶の底を探しても、今目の前にいる彼らの情報が見当たらない。
最近来たのかと問いつつ、自分が忘れて居るだけかと妹に視線を向ければ、彼女も知らないヤツらだと手話で返された。
「だったらなんだ?」
「お前こそなんなんだ?」
「俺達はBランク冒険者パーティ『閃光の狼』だぞ‼」
「いや、そんなん言われても知らんわ」
とても偉そうに、そして自信たっぷりに告げる男達・・・だが、ノルベルトはバッサリとそう切り捨てる。




