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戦勝国

取り敢えず、設定の一部ぶちまけました。

もう、待ちきれないよ。早く出してくれ(設定)


思考が定まらない。


落ち着け野崎真。落ち着くんだ。

取り敢えず、今の状況を整理してみよう。

今のやりとりで分かった事は2つ。


1つは、自分は本当に異世界というものに飛ばされたらしい事。少なくとも、目の前のこの女はそう認識している事。


そしてもう一つは、元の世界に戻る事はできないという事。


改めて意味がわからない。

頭がおかしくなりそうだ。


震える声を必死に押し隠しながら、続けて言葉を発する。


「何故、無理なんだ?

一度やった事をもう一度してほしいと言ってるだけなんだが。

それに、いきなり人をよくわからない場所に送り届けて、もう送り返せないというのはあまりに無責任では?」


「そうですね...

誤解されている様ですが、私どもはご本人様がお望みにならない限りは、ちゃんとおかえりいただいていますよ。」


「ふざけるな!

じゃあ、何故私は元の世界に戻れないんだ!?」


「では、一度すべてを説明しましょう。」


そう言って、女将は語り出した。


曰く、この世界は第二次世界大戦に日本が勝利した世界である事。


曰く、私は元々こちらの世界の出身である事。


曰く、行ける異世界は、面談の内容を加味して、分岐屋自体が決める(?)ということ。


そして、長期間に渡る分岐屋の利用により、記憶が混濁してしまっているという事。


「滅多に起こることではないんですが、ごく稀に元々自分が異世界出身だと誤認してしまう方がいらっしゃるのです。」


「・・・・それを、信じろと?」


「ですが、貴方様も薄々感じていたのでは?

此処が異世界ではないかと。」


...確かにそうだ。

言われてみれば、他にも違和感は沢山有ったのだ。街中の看板が右から書いているとか、ローマ字で書かれている看板が殆ど無い、というか、今日一日、全くと言っていいほど目にしていないこと。

まるで、以前、映画で見た昭和の街並みの様であるが、周囲の、現代模様の高いビル群がそれを似ても似つかないモノへと変貌させている。

昭和を題材にした出来の悪いテーマパークの様な。

馬鹿馬鹿しいことではあるが、ただのドッキリというには手が込みすぎている。


戦勝国...か。


「そういえば、なんで私は敗戦国となった日本の世界線になど行ったんでしょうか?」


自然と口調は元に戻っていた。


「貴方様が軍のいない平和な世界を望んだからですよ。それを加味して分岐屋が選んだのです。」


「そう...ですか。」


「すみませんが、そろそろ次のお客様がいらっしゃるので、ご退店願えますか?」


女将に毅然とした態度でぴしゃりとそう言われ、その日は店を後にすることにした。

因みに、最初の説明の時には記憶混濁の件を話していません。

どうせ記憶混濁するんなら説明しても二度手間だからね。

合理的(?)だね。

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