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異世界?

目を覚ますと、見知った天井が目に入った。

私の自室だ。


酷い悪夢だった。


徐にベッドから抜け出し、窓へと向かう。昨夜の出来事が思い起こされ、酷い不安に襲われつつも、カーテンを思い切り横へと引っ張る。窓の外の景色は至って普通、いつも通りだ。


お向かいさんの屋根に取り付けられた旭日旗が元気にはためいている。

今日って何かの記念日だったか?


空は腹が立つほど青く澄んでいて、蝉の声が喧しい。


「やっぱり...」


ただの夢か。

そう続けようとした時に机の上に置いてあるチラシに目が止まった。


【分岐屋】


チラシのど真ん中にイヤでも目に付くようにでかでかと書かれたその紙を恐る恐る拾い上げ、裏面の内容に目を通す。


『この度は分岐屋をご利用頂き誠にありがとうございます。

当店は、起こりえなかった過去を起こったものに、有り得べからざる今を生きたいという人の願望を叶えるお店。


尚、行きたい異世界は事前の面談によって決めさせていただきます。


       ※バイト募集中』


「なんだコレ?」


イヤに冷たい汗が背を伝う。


ぶん..き....や?


昨晩のアレは夢じゃなかったのか?


ピピピピピピッ


!!?


ビ、ビックリした


携帯のアラームが室内の静寂を切り裂く。


そうだった。

今日は友人と研究の一環で山へ行く約束をしていたんだった。

昨日の出来事ですっかり忘れていたが、レポートを完成させなければ単位が危ない。

急いで身支度を整え、チラシを乱暴にポケットに突っ込み、集合場所へと向かう。


時間通りに着いたはずだが、奴の姿が見当たらない。

携帯を見ても、特に連絡は来てない様だ。


アイツ寝坊か?


仕方がないのでコーヒーを買って、ベンチに腰をかける。

ふと、ポケットに慌てて突っ込んだチラシを取り出し、まじまじと見る。


特に気になったのは最後の一文だ。


異世界?


馬鹿馬鹿しい。そんなものはアニメや漫画の世界だけで十分だ。

それに、事前の面談なんてした覚えはないぞ。

突然変な店に入れられて(まぁ自分から入ったのだが)、変な扉の前に立たされただけだ。


今の場所だっていつも通りで変なことなど何も無い。

お向かいさんが旭日旗を出していたし、ここにくる途中もやけに国旗や旭日旗が多いなとは思った。それに、軍隊入隊の広告もあったが、自衛隊の表記ミスだろう。それだけで異世界だと言うなら、この世界は、異世界だらけだ。

なんて事を考えていると、バツの悪そうな顔をした男がこちらにやって来た。


「よう、川崎。

重役出勤か?

せめて走ろうとかはしないのか?」


「ごめんて、俺が朝弱いの知ってるだろ?

それに途中でおばあちゃんが困ってたからさぁ。」


「わかった、わかった。

それで社長様。今日はこの辺りの植生の調査で合ってますよね?」


「だからごめんて。

取り敢えず、めぼしいところを一通り探って、結果はこっちで纏めるから。真は向こう側から調査して来てくれないか?」


やったぜ。

遅刻癖は直して欲しいが、こういうところが憎めない。


「わかったよ。それじゃあ、1時間後再度此処に集合で。

今度は遅れるなよ?」


「わかったって。」


そう言って、私と反対側に歩いて行く川崎に声をかける。


「あ、ちょっと待った。

川崎、お前分岐屋って知ってる?」

川崎くんかぁいそう(ぴえん)


異世界もののはずが異世界だと分かりにくい?

作者の想像力の欠如のせいです。

誰か助けて...

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