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びんかんはだは小さい幸せで満足する  作者: 樹
第二章 新たな暮らし
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領主会談議事録より

閑話休題シリーズ第3弾。


何か旨い事混ぜれそうな案件だったので…

千年王国王都エルディア。

王城の会議室に設えた大きなテーブルと沢山の椅子。

テーブルの頂点位置と、その両側に4脚。

今現在腰を掛けているのは合わせてその5席。

それ以外の姿といえば、事務的な役割を持つ従者が数名と給仕の者が少し。


「さて諸君。よく集まってくれたね。まずは各々息災でなによりだ。」

現国王ラグリア=エデルティス。

一国の王としては歳は若く、何よりこの場にいる四人の領主のいずれよりも若い。

「陛下、お気遣いに感謝致しますわ。」

西方領主パルティア=ヴェストロード。

妖艶さは歳を重ねるごとに増していく西方領主。美貌の秘訣は秘密が信条だそうだ。

「陛下も変わらずご健勝なようでなによりでございます。」

南方領主セルスト=ヴィルゲイム。

野心的な瞳でありながらも、王に対しては忠義を貴ぶその姿は宛ら策略家といった様相か。

「それにしても陛下、先ほどは随分と楽しまれたようですな?」

東方領主グリオス=オストロード。

豪快に笑う豪胆な男は鉱山を基盤とする東方ではその身をもって先導し、そこがまた慕われている。

「私の姪がご迷惑をかけてなければよいのですが。」

北方領主アイン=スタットロード。

学者肌の優男、苦笑交じりに伺うその笑みは万人を安心させる何かがある。


「北の。確かにお前の姪は可愛かったなぁおい。」

北方領主の横に座っていた東方領主はバンバンと彼の背中をたたく。

案の定、北方領主は噎せ返るわけだが、東方領主は気にも留めない。絵に描いたような豪快さである。

「あの子ねぇ…私も興味があるわ。今度聞かせて頂戴な。」

酒の注がれたグラスを傾けながら西方領主も相槌を打つ。

「個人的な思惑に使われるあの娘が哀れにも感じるがね。」

南方領主の言葉は何とも刺々しいが、北方領主はいつもの事といった風に軽く受け流す。

「いつもながら南方殿は手厳しいですな。しかしまぁ陛下が楽しまれたなら良き事でしょう。」


「さて、各地の近況を伺おうか。」

王ラグリアが促し、まず最初に口を開いたのは東方領主グリオスだ。

「東は芳しくないですな。」

火山活動の活性化による生態系のバランスは思っていたより深刻なようで、狂暴になった獣が民衆に及ぼす影響は放置するわけにもいかないが、人手不足と、何よりも原因を解決することが急務だ。

「有志の冒険者が手を貸してくれて何とか以てはいるが、流石に竜まで出て来てしまうとな…」

竜と遭遇して安全に居られる者は限られるし、対処できたとして無傷とはいかない。

故、有志といっても解決に時間が掛かるほど、その数は少なくなる事は目に見えている。

「ふむ…確かに余としても東の事は憂慮していた。こちらとしてもあまり時間はかけたくないのだが…セルスト、例えばだが竜を討伐するとしたら被害はどの程度になる?、どれほどの戦力だ?」

ラグリアに話を振られた南方領主セルストは、少し考えを巡らせる。

南方領は数多くの隣国に囲まれているため、細かな紛争は数知れずそれ故に国の軍務における知識は豊富。それは対人だけに限らず、魔物などの多種な物への対応にも役立つ。

「そうですね。あくまで一般的な話をするのであれば、ですが…」

対竜、それを出来るだけ被害を抑えるとなると、相対する者の実力や練度もさることながら、戦いの場も重要となる。

例えば、竜の吐く火炎を防ぐ事を挙げるとすると、遮蔽物の少ない平地などは逃げ場がなく、身を隠す物がある岩場などが望ましい。

「そうは言ってもわしがアレを見た時、岩も溶けておったぞ?」

いずれにせよ遮蔽物も精々時間稼ぎとしての宛も不安が残る。

逆に、それを防ぐ実力を持った魔術師・魔導士が居るのであれば平地の方が戦いやすくはある。

「ふむ…討伐するとしても大がかりに成らざるを得ないな。」

セルストは更に付け足す。

「防衛・防御の面においてはそういった懸念点がありますが、そもそもアレらは飛びますからな、被害と言うならばもっと大きくなると考えるべきでしょう。」

翼の退化した土竜ならともかく、火竜は空を舞う。

飛び回る目標に的確かつ高威力の魔法を当てるのはそうそう容易くもないし、そもそもそんな高位の魔法が使えるものも限られる。

かといって、南方領に暮らす魔族の中で翼をもつ者を駆りだすにしてもその実力、歴戦の者というのも魔法と同様に多くはない。

「魔法…という点で相手が火竜なら我ら西方にも有効な者はおりますが…環境的には困難ですわね。」

西方は海に面している関係で、水を扱える者は豊富。と西方領主パルティアは言う。

そうは言っても、海が近い場所であればその力も存分に発揮できたとしても東領の山岳地域では同じ効果は期待できないようだ。

「陛下もご存じの通り、氷魔法の使い手は数少ない。となるとやはり空中での戦いが鍵、ですね。」

問題点を挙げた北方領主アイン、彼はその問題点に一案を提示した。

「一つだけ、少しの時間を要しますが妙案が御座います。陛下のお許しが頂けるのであれば、火竜討伐、私にお任せ頂けないでしょうか?」

ほう?と呟きラグリアは問う。

「下手を討つと国が焦土と化すぞ?」

「山を居とするのであれば、北も後の脅威に曝されるのは明白。東の問題だけで無いのは百も承知。」

「いずれにせよ東だけではどうにもならん。手段があるならわしに依存はありませぬよ。」

ラグリアの視線に対し、グリオスはアインの提案を受け入れる形を取る。

「よし、北方の東方協力を承認と記録するがよい。詳細な段取も一任する。中央からの兵が必要であれば申し付けよ。」

書記官に告げ議事に記された。


「では次。」

会談は続く。

感想、要望、質問なんでも感謝します!


34話の前後どちらにするか迷いました。(34話は同時投稿ですが…)


次回もお楽しみに!

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