心配だったらしい
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
間合いを詰めるのが上手い壁ドンが見たかったはずでした。
三緒様の予定でした。
休み明けの次の日、土砂降りの雨だった。駅中の広告に流れて来たのは□□神社だった。私が好きなゲームのコラボカフェが□□で行われるらしい。躊躇う程に、猶予う程に、収束していく。逃げないように、逃がさない様に。
緑の中に赤い光が灯る社に訪れると、雰囲気が真っ赤な御仁と鉢合わせた。同じ赤を司る方の中でも最も荒くれ者。それを体全身で体言する様に、賽銭箱に立膝を着いている。ちょっと行儀が悪いんじゃないですかね? お姉様に言い付けますよ。
心の主は私の事を一瞥すると、直ぐにそっぽを向いた。
「遅せぇ」
「へそ曲げないで下さいよ。あと広告変えないで下さいよ」
駅中で見たデジタル広告。とある旅行CMの様な、茶を基調としたお洒落なものだった。そこで見た『□□神社』の文字。早く帰りたくて、横目で流してしまったから、翌日また改めて眺めようと思ったのだ。そうしたらあなや、市販の缶珈琲に変わってしまった。あの風情溢れる茶の景色は無くなり、海外の珈琲豆達がスコップで掬われる描写になっている。意地悪だと思った。凄く意地悪だと思った。
「……先日、此処を訪れなかった事は少し気にしてます。だからこうしてお会いしに来たではありませんか」
そう申し上げると、ふわりと賽銭箱から舞い上がって一枚下駄で器用に着地した。それから目をギラ付かせて、思い切り間合いを詰められた。思わず後退りして尻もちを着いた。
「あっはは。お前本当に良い反応するなぁ!!」
「貴方様の姉様に言い付けてやりますから」
「悪かったよ」
改めて賽銭箱に座り直すと、警戒した猫のようにじっと此方を観察する。どうやら本当に言い付けないか案じているらしい。どうせ私が告げ口しなくとも、巡り巡って誰かが伝えるに決まってる。横の繋がりは凄って身をもって知っている。
「で、何か御用ですか?」
「別に何もねぇ。折角こっち来てんのに、寄らねぇから呼んだだけ」
「お仕事して下さいよ」
「クソ不敬。でもまぁ、彼奴から聞いた通り、元気でやってるなら何も言わね」
それだけ仰ると『あっちへ行け』の仕草で手を振った。ぞんざいな扱いをする割に、どうやら心配を掛けてしまったらしい。
間合い詰めるのが上手い壁ドンを見るのが好きなんですよ。
突然乱暴に壁に押し付けられるとか、見ているこっちも怖いんですよ。
そうして間合いを詰めるのが乱暴なシーンを見て、
『書きたかったのは、このシーンではなかった( ˙꒳˙ )』
『気が付いた時には押し倒されていた。山崩しの様に縋るものを奪われた。そんな話が見たかった(・д・。)』
という思いです。
まぁその話はおいおい。
ハンバーガー食べたいです。