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掃除を丸投げされたら....

この高校に入学して早くも2ヶ月がたとうとしている。


その間俺のクラスメイトとの進展はない。


定期テストもあったが勉強にやる気が出ず、赤点スレスレの科目が多くなってしまった。


勉強を怠った結果である。


部活に入っていないので運動力も下がっていった。


ダメ人間まっしぐらである。





ある日の放課後。


「ねぇ、何してるの?」


掃除を丸投げされて教室に残っていると、クラスメイトの女子に声をかけられた。



「っ、....見たらわかるだろ、掃除してんだよ」



一瞬反応が遅れてしまったのは声をかけてきた女子はこの学園の中で指折りの美少女、寒河江 冷香だったからである。



(たしか隣のクラスだっけ?なんでここにいるんだ?)



あまり接点は無かったが、よく隣のクラスに男子達がたむろしていたので知っていた。


こいつは青春楽しんでるんだろうな。


自分と彼女を比べて嫉妬する。


って何勝手に比べてんだ俺は。



「なんでまだいるんだ?」


「教室にノート忘れたから取りに来たの、そしたら君が居たから気になって来ただけ」



彼女が忘れ物なんて珍しいな。


......あれ、何が珍しいんだ?


彼女と会話するのは()()()なのに。


俺が変なことに困惑していると、



「ねぇ、もう暗いから家まで送ってくれない?」


「え、」



彼女から信じられないような言葉が聞こえたような......空耳かな?



「こんな時間に女の子1人で帰らせる気?」



いや全然空耳じゃなかった。



「いや、家知らないし遠かったらめんどうだし」



誰かに見られたらまたいじられると思った俺は断わろうとする。



「大丈夫よ、あなたの通学路の近くだから」



え、なんで知ってんの?怖すぎる。



「....なんで俺の通学路知ってんの?」


「たまたま登校してる所を見かけただけ」



あー、たまたまかぁ。


そうだよな〜。


俺の淡い希望は消え去った。



「....わかった、送ってくよ」



まぁ、女子をこの時間に一人で帰らせるのも気が引けるので渋々了承する。



「よろしくね!」



笑顔で答える彼女を見て少しドキッとする。


平常心、平常心、彼女はしかたなく俺に頼んでいるんだ。


自分にそう言い聞かせるが、何しろ相手は学園内指折りの美少女。


冷静になれる訳もなく、ただただ下を向いてしまう俺だった。


......この時に俺は緊張しすぎて考えもしなかった。



──登校時に見た生徒なんか覚えているのか?──


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