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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
2章 強さを求めて2 新たに2人
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099 出来る事と出来ない事

※R18シーンに該当する表現を若干カットしております。

 次回の遠征や年末について話し合い、いつのまにか結構な時間が経過していた。



「さて明日は礼拝日ですし、そろそろ休みましょうか。寝過ごすわけにはいきませんから」



 ニーナのひと言で本日の話し合いは終了となった。


 納税の話題や遠征の話題で結構話し込んでしまったなぁ。どっちも俺たちにとって重要度の高い話題だもんねぇ。



「それじゃ今日はご主人様とリーチェで寝室をお使いください。私とティムルは地下室で、フラッタを抱きしめて眠りますので」



 セリフの前半部分で興奮した俺の体が、後半部分で一気に脱力する。


 フラッタがぬいぐるみみたいな扱いになってますね。言われたフラッタも喜んでますけど。



「今日はここで解散としましょうか。ご主人様。失礼しますね……」



 ニーナは椅子に座ったままの俺に近付いてきて、椅子の横に立ったままで上から口を塞いできた。



 顔を上向きに固定されると、なんだか抵抗できないんだよねぇ。


 というかこれ、今朝ティムルにやられたおはようのキスと同じだよね? ニーナ、ティムルのキスを見て、真似したくなったんだ?



「別々の部屋で寝るのは今日で最後ですよ、ご主人様……」



 最後に耳元で、甘い甘い死刑宣告をされてしまった。


 ニーナの口が離れると、今度は俺の膝の上に横座りになったティムルが、首の後ろに手を回して抱き付いてきた。



 こ、これって朝のニーナのキスじゃんっ。


 ニーナとティムルの朝のキスを互いに交換したような振る舞いに、何故だか妙に興奮する。



 というかお前らさぁ。毎回2人で連携取ってくるのやめてくれない? 最高すぎて何も考えられなくなるからさぁ。



「明日からが楽しみですね、ご主人様っ」



 耳元でティムルの期待に満ちた声。


 うん、俺も楽しみだよ。身の危険を感じるくらいに?



 ティムルが俺から離れると、入れ替わりに、よいしょ、と可愛く俺の上に跨ってくるフラッタ。


 ティムルやリーチェと比べて本当に軽いなぁ。


 そのまま正面から抱きついてきて、力いっぱいキスをしてくるフラッタ。



 前の2人と違って、ただ大好きな人に大好きだと伝えたいだけのキス。フラッタの後ろでブンブン振られる尻尾が見えるかのようだ。


 ああもうお前は本当に可愛いなぁ。



「明日からは毎日一緒なのじゃ。だから今日はリーチェを愛してあげて欲しいのじゃ。……きっと、それが出来るのはダンだけなのじゃ」


「……フラッタ?」



 ほんの少しフラッタの様子が翳った気がするけど、フラッタは俺の上から離れてしまった。


 それでもフラッタの様子を窺うけれど、もうフラッタの様子に異常は見られない。



 キスを済ませた3人は、お休みなさい、また明日、とあっさりと去っていった。



 ニコニコとフラッタを抱きしめたままのニーナと、されるがままのフラッタ。その様子を1歩後ろから微笑ましく見守るティムル。


 完全に親子じゃん。仲の良い姉妹とそれを見守る母親じゃん。あの3人全員が俺の嫁ってマジ?



 3人の背中を見送って、俺と同じく座ったままのリーチェを見る。


 その美しい翠の双眸を期待に滲ませて、何も言わずにこちらを見詰めるリーチェ。



 その姿に今すぐ押し倒したくもなるけど、リーチェの場合は少し事情が変わってくるんだよなぁ。


 まずはゆっくり話をするべきだな、ベッドの上で。



 座ったままのリーチェに歩み寄り、右手を差し出す。



「さぁ行こうかリーチェ。ひと晩中愛してやるからな」



 目の前に差し出された俺の右手を取ろうと、リーチェも右手を伸ばしてくる。


 だけどその手は途中で止まり、どうしてもこれ以上は進めないとばかりに大きく震えている。



 リーチェがどんな想いで手を止めてしまったのか。そんなこと知ったことじゃない。


 リーチェの震える手を俺から握って、椅子からリーチェを引っ張り上げた。



「……ダン。ぼく、ぼくは……」


「話は寝室に行ってからだリーチェ。男女の夜の語らいはベッドの上でと決まってるんだ」



 立たせたリーチェを抱きしめて、耳元にベッドへの招待状。



「不安に思わなくてもいいんだ。まずは沢山話をしよう。話せる範囲だけで構わないからさ」



 抱きしめたリーチェの体からは震えが伝わる。


 きっとリーチェの体は、期待でも興奮でもない理由で震えているんだろう。



「安心してよ。いきなり押し倒したりはしないからさ。まずは2人で話をしよう?」



 リーチェの世界一エロい肉体を楽しむだけなら、このままベッドで押し倒せばいい。


 だけどこの震える心を抱きしめたいなら、まずは彼女と話をしないといけない。



「……っていうか、リーチェこそ昨日みたいに暴走しないでよ? ベッドの上で暴走されたら、俺も流石に止まる自信ないからね?」


「……うう、ごめん。自信、ないかもぉ……」



 なんでお前の方が自信ないんだよっ!


 美貌といい肉付きといい性格といい、リーチェってこの世のエロスを集めて磨き上げたみたいな奴だなぁ、もうっ!



 誰よりもエロいのに、それが許されないリーチェ。


 ……うん、辛いなぁ。



 寄り添うように横に抱き寄せて少しずつ歩き始めると、リーチェは俺の右手を取って、自身の胸に押し付けるように両手で抱きしめてきた。


 不思議とエロい気持ちにならないのはリーチェの両手のあまりの力強さゆえか、それとも胸から伝わる震えのためか。



 足元も覚束ないリーチェを支えながら寝室に到着する。


 大きすぎるベッドの端に座って、まずはリーチェの震えが止まるまで待つ。



「ダンって、強引なのか優しいのかよく分からないよね。一方的に僕にプロポーズしてきたり、かと思えばこうやって何も言わずに一緒に居てくれたりしてさ。よく、分からないよ……」


「それは簡単だよ。リーチェの事を絶対に他の誰にも渡したくないから強引にプロポーズしたけど、大好きなリーチェを傷つけたくないからこれ以上踏み込めないんだよ。要は怖気づいてるだけさ」


「ふふ。ダンらしい。とってもダンらしい、言い訳、だね」



 少しだけ微笑んだリーチェの体から力が抜けていく。


 それに伴って俺をおっぱいに押し付ける力も、体全体の震えも弱くなっていく。


 ……ここで力いっぱいおっぱいを鷲掴みにしたら台無しだよなぁ。



「迷惑ばっかりかけてごめんね。もう大丈夫。落ち着いたよ。大丈夫」



 落ち着いてきたのか、震えが殆ど感じられなくなった辺りで、リーチェが静かに口を開いた。



「それでダン、話ってなにかな? ダンには悪いけど、話せない事はダンにも……」


「ああ、答えられる範囲で良いよ。多分今の俺には、リーチェの問題は背負いきれないものなんだと思うしさ」



 スポットの奥地にすら到達できていない俺が、建国の英雄が抱える事情なんて解決できるはずがない。


 無理に聞き出す気がないことが伝わったのか、ほっと大きな胸を撫で下ろすリーチェ。



「俺が聞きたいのはなぁリーチェ。お前にはいったいどこまでが許されるのかってことだよぉ」



 今の俺にとって、お前の事情よりも優先すべき確認事項はこっちなんだよぉっ!



「………………は?」



 俺の言葉に固まるリーチェ。



 なんだその、予想もしてなかったみたいなリアクションはよぉっ! こっちにとっちゃ死活問題なのぉっ!


 リーチェみたいなエロの化身、エロの権化、エロス大明神を好きにしていいけど好きにしちゃダメって、脳と体がバグってんのぉっ!



「お嫁さんにはなれないけど、キスはしてる、おっぱいは好きにしていい、昨日に至っては完全に暴走してくれやがってぇ。こっちはワケが分からないんだよっ」



 あの時俺がリーチェを押し倒したいのをどれだけ必死に我慢したと思ってんだ、このアホエルフっ!



「うううっ……、き、昨日の話は勘弁して……。ぼ、ぼくもアレは反省してるからさっ……!」



 俺の指摘に恥ずかしそうに申し訳無さそうに、顔を真っ赤にしながら謝罪するリーチェ。



 いや凄く気持ち良かったんで、反省しろとは言ってないよ? あれが許されるなら、いったいどこまで許されるのかが聞きたいんだよ。


 俺もガンガンいこうぜでいいわけ? そこんとこ詳しくっ。



「……みんなが遠征に行ってる間、ずっとステータスプレートばっかり見てたんだ」



 だけどリーチェは俺の質問には答えず、全く別の事を語り始めた。



「始めのうちはみんなとの繋がりが感じられて、ただ嬉しいだけだったんだよ? でも遠征が進むにつれて、みんながどんどん離れていってしまって。まるでぼくだけが置いてかれていくみたいで、凄く凄く怖くなったんだ……」



 凄くしょんぼりしながら話すリーチェ。

 

 うん。仕方なかったけど、1人だけ置いてってごめんね。



「でも7日目を過ぎてから、日に日に少しずつだけど、みんなが帰ってきてるのが分かった。近付いてくるみんなの存在に、どんどん気持ちが昂っちゃって……」



 リーチェの声が少しずつ弾んでくる。


 7日目の辺りかぁ。俺も遠征後のことで昂りまくってたなぁ。



「みんなが帰ってきた日なんて、ぼくはずっとステータスプレートを見ながら、みんなが来るのをずっと待ってたんだ。迎えにいきたい、でも迷惑になったらどうしようって……」



 興奮気味に話していたリーチェは、突然恥ずかしそうに赤面しながら俯いてしまった。



「家の中を何度も歩き回って。でも近付いてくるみんなの気配に我慢出来なくなって。最後は結局、家の外で出迎えちゃったんだよぅ……」



 き、聞いてるこっちが赤面しそうだよぉ。


 貴方と離れている間に、私はこんなにも貴方のことを想っていたんです。


 ってそんな詳細に語られても困るんですぅ。



「これからはずっと一緒だ。2度とリーチェを置いていったりしないから安心して?」



 リーチェを抱きしめ耳元で囁く。


 こんなに可愛いリーチェを、もう絶対に独りになんてしないから。



 というか我が家の嫁はさぁ。全員美人で最高にエロいのに、みんな最高に可愛すぎるんだよねぇ。


 みんなの他には何も要らないくらいに愛おしくなっちゃうんだよぉ。



「それでさリーチェ。リーチェも俺の事を好きだって言ってくれてるし、俺だってリーチェの事が大好きで堪らないからさ。リーチェにしていい事、してはいけない事、ちゃんと把握しておきたいんだよ」



 一旦言葉を切って、リーチェの耳元で続きの言葉を囁く。



「だから教えて? リーチェに出来ない事を。それ以外の事を、いっぱいいっぱいリーチェにしてあげるから。しちゃダメなこと以外、あらゆる事をしてやるからね、俺のリーチェ」



 ルールに抵触しないように立ち回るのは得意だ。異世界なんて日本に比べりゃ無法地帯みたいなものよ。


 法治国家日本の雁字搦めの社会生活を送ってきた俺が、リーチェのルールを理解し、必ず抜け穴を見つけてみせるっ!



「ぼ、ぼぼぼ、ぼくに許されていないのは、最後の行為だけ……。ダンと繋がる事だけが許されてないんだ……」



 震える声で禁則事項を伝えてくれるリーチェ。


 思った以上に単純明快な制限だったようだ。



「だ、だから、ほ、他の事は何をしても、何をしても大丈夫だよ。それ以外なら、なんでも……」



 まだ何もしてないのにリーチェの吐息が荒くなっている。


 期待しすぎだこのエロリーチェ。釣られて俺までめちゃくちゃ興奮してくるじゃないかよぉ。



 俺の緩やかな拘束を解いたリーチェは、また昨日の様に俺の上に跨ってくる。



「ごめんよダン。ぼくは、ぼくには君を受け入れることだけは出来ないんだ。だから、その代わりにぼくの体、ダンの好きにしてくれないかな……」



 謝罪の言葉を口にしながら好きにしてと懇願するリーチェ。


 一見ただのエロリーチェでしかないんだけど、自分には許されないことを少しでも体験しようとしてこの体勢になっているんだとしたら……。


 いや結局エロリーチェだな、うん。



「言われなくても好きにさせてもらうよ。まずはあの時見れなかったおっぱいを、ちゃんと見させてもらおうかな」



 リーチェが小さく頷いたのを確認してシャツを捲り上げ……、っておっぱいでシャツがひっかかるだとぉっ!?


 こ、こいつは本当に、俺に太刀打ちできる相手なのかっ……!?



 おっぱいの引っ掛かりを外し、改めてシャツを捲り上げると、健康的な小麦色の肌が顕わになる。



「覚悟しろよリーチェ? 最後まで出来ないって事は、俺が止まるタイミングがないってことなんだからな。さぁ長い長い夜を始めようか」



 これから夜が明けるまで、徹底的に思い知らせてやるからなぁっ。このエロリーチェ!

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