590 無自覚
※R18シーンメイン回です。
該当する表現を大幅にカットしております。
「…………済まん。今日のところはこれで解散させてもらえるか……」
俺の説明に完全に納得したわけじゃないだろうけれど、今日のところはこれで解散だとゴブトゴさんに解放してもらえた。
王女であるシャロがその実兄である馬鹿殿下に弄ばれていたと知って、ゴブトゴさんの思考がパンクしてしまったようだ。
まぁいいでしょーっ。用事が済んだら夫婦の時間だぁいっ。
ニーナからも許可を貰っている事だし、この2人をひたすら愛して愛して愛し抜きたい。
さぁーってさてーっ! お姫様2人を同時に可愛がるのはどこが最適だろーっ?
「ご主人様ぁ……。シャロは切ないですぅ……」
「ニーナも許してくれたしぃ……、早くぼくたちを好きなだけ堪能してよぉ……」
くっ……! この2人はガチの王族の癖にえっちに積極的過ぎるだろ……!
左右から抱き付いておっぱいを押し付けながら上目遣いでおねだりしてきやがってぇ……!
こんなにエロくて可愛い2人のお姫様にお仕置きする場所は、いったい何処がいいかなぁっ!?
「ねぇご主人様ぁ……。良かったらまた私の部屋で可愛がっていただけませんかぁ……?」
「ん? 確かにシャロの部屋ならお誂え向きだけど……」
「今は誰も残っていませんからぁ、私とリーチェさんの痴態を誰にも知られる心配はありません。それにですね……」
ここで一旦言葉を切ったシャロは俺の頭を抱き寄せて、俺の耳元で甘くて危険な誘いの言葉を口にする。
「エルフの王女と人間族の王女……。私たち2人を城内で楽しむことに興味はありませんかぁ……? きっとここでしか味わえない興奮があると思いますよぉ……?」
「エルフの王女であるリーチェと、人間族の王女であるシャロを、城の中で同時に……だとぉ……!?」
シャロから齎された言葉は福音のように俺の脳内に響き渡り、俺の興奮を一気に最高潮まで高めていく。
なんだよその素敵過ぎる提案は! 即採用せざるを得ないじゃないかぁっ!
昨晩からの続きに新たなエッセンスを盛り込んだめくるめくイメージに妄想を爆発させていると、シャロが囁いているのとは逆側の耳に、甘いと囁きが齎される。
「ぼくね……。今までの455年間、数え切れないくらいスペルディア家の男性たちに求められてきて、そのうちの誰1人とも触れ合った事が無いんだよぉ……?」
「そ、そんなこと誰よりも俺が1番知ってますけどぉ……? な、なんで今更そんなことをぉ……」
「建国の英雄リーチェ・トル・エルフェリアを勝ち取ったダン……。君にお城で愛してもらってぇ、過去に体験した煩わしい記憶を上書きして欲しいなぁ……?」
「リ、リーチェを勝ち取ったと、う、上書き……!」
「おねがぁいダン~……。ぼくをこのお城の中で沢山愛してくれないかなぁ……?」
くぅ~~~っ! このエロ王女どもがーっ!
代わる代わるそんなこと言われたら、体が暴発してしまいそうなくらい興奮しちゃうでしょうがーっ!
急いで2人を抱き上げて、気配遮断して一気にシャロの私室まで走る。
私室に入る前にシャロが人払いを指示し、リーチェが精霊魔法で防音を施したら準備完了だ。
今までシャロが活用していた天蓋付きの巨大ベッドに、服を脱がせる時間さえ惜しんで2人を押し倒す。
「2人して散々煽ってくれちゃってぇ……! 責任を持って全力で俺の相手をしてもらうからね? リーチェ。シャロ。2人とも覚悟してよぉ?」
「うん……。壊れちゃうくらいに滅茶苦茶にしてくれる……? 建国の英雄なんてまやかしでしかなくて、ぼくはただの1人の女でしかないんだって、思い知らせて欲しいなぁ……」
「ふふ。このベッドの上でご主人様と愛し合えるなんて夢のようです。スランたちも誰も見ていない、夫婦だけの時間をめいっぱい楽しみましょうっ」
並べて押し倒した2人の王女にちゅっちゅっとキスをする。
我ながらビックリするほど興奮しているので、2人に無理させないように気をつけないと。
「ダ~ン~……。もどかしいよぉ……。滅茶苦茶にしてってお願いしたじゃないかぁ」
「心配しなくてもリーチェのことは1日中可愛がってあげるってば」
「興奮していないわけじゃなさそうですけど、びっくりするくらい優しく愛してくださるんですね?」
どこまでも甘ったるい雰囲気に包まれたリーチェと比べて、やはりこの私室は1番落ち着くのか、どこか冷静で余裕があるように見えるシャロ。
そんなシャロは少し驚いたように首を傾げながら、俺の頭を優しく撫でてくれる。
「私はてっきり気絶するまで私たちを弄んだ後、気絶した私たちを更に弄んでくださると思っていましたよ?」
「シャロが可愛くってさ。ついつい可愛がり過ぎちゃったよ。それじゃ2人とも限界みたいだし、始めさせて貰うよ、俺のお姫様」
1度体を起こして2人にキスをして、そのままゆっくりと2人と肌を重ねていく。
爆発するんじゃないかってほど興奮しているのに、なんだか2人が愛おしくて時間をかけて愛してしまう。。
「ご主人様。出来ればもっと激しく動いていただけませんか……?」
「俺の可愛い可愛いシャロを乱暴になんて扱えないよ。王女様をお城で抱き締めるんだから、ちゃんとお姫様として扱いたいんだ」
「あ、あ~……。もしかしてダン、興奮しすぎてえっちな気分を通り越しちゃってるのかも……?」
先ほどと違い余裕を無くしたシャロと、ゆっくり時間をかけている為かいつもより余裕がありそうなリーチェ。
どこまでも正反対の反応で俺を楽しませてくれるね、2人ともっ。
「たまにあるんだよシャロ。ダンって誰よりもえっちなくせに、えっちな気持ちよりも愛情の方が大きくなっちゃう時があるんだ」
「ん~リーチェもシャロも可愛すぎる~。大好き、もう2人とも大好きすぎる~。ちゅっちゅっ」
えっちだし一途だし可愛いし気持ちいいし、2人とも非の打ち所か見つからないよ~。
あー可愛い。この世の可愛いが目の前の2人に集約してる気にさえなってくるよ。
「ねぇねぇ2人とも。なんだか普通に喋る余裕もあるみたいだから2人の話を聞かせてくれないかな? 大好きなリーチェとシャロと肌を重ねながら、大好きな2人の話が聞きたいんだ」
「え~? ぼくの話なんて、もう話していない事を見つけるほうが難しいよぅ。455年も旅してきたのに、ぼくのことなんかぜーんぶダンに見せちゃったよ……?」
「となると私がお話すべきなのでしょうけど……。ご主人様の聞き方が漠然としていて、何を話せばいいのか分かりませんね? もう少し具体的に聞いていただけますか?」
んー。確かに2人のことを教えてと言われても、抽象的過ぎて答え難かったかな。
俺が2人に聞きたいこと、2人が答えやすい話題を考える。
「……2人ってさ。小さい頃は何になりたかったとか、将来の夢みたいなものはあった?」
「「夢?」」
「リーチェは独りで旅立つ前、シャロは男に弄ばれる前に、なんとなく思い描いていた自分の将来とか、いずれはこうなりたかった理想の自分とか、そう言う事を考えたことは無かったかな?」
「……それってつまり、ぼくたちが誰かの悪意に飲まれる前の……」
「……まっさらだった時の、純粋な願い……?」
2人は絶えず俺に身体を差し出しながらも考え込む。
そんな2人は彼女達自身も気付かないうちにいつも以上に昂ってくれているみたいだ。
「どうかなリーチェ。家族みんなで暮らしていた時、お前は将来どうなりたいとかって考えたことは無かった?」
「えっと……。もう良く憶えてないんだけど、確か姉さんを守れるくらい強くなりたいって、その姉さんに稽古をせがんだりしてた気がするなぁ」
リーチェの話を聞くと、必ずお姉さんが登場するね、
姉妹が如何に仲が良かったのかが伝わってくるよ。
「お姉さんは蒼穹の盟約に選出されるほどの人だったんでしょ? なのに守りたいなんて思うなんて、どこか頼りない雰囲気がある人だったのかな?」
「……ううん。むしろ姉さんは頼り甲斐があって、当時のぼくはいつも姉さんについて回ってたよ。姉さんは真面目で優しくて、それにすっごい美人で、みんなの憧れの的だったんだ」
「つまりリーチェもお姉さんを目標にして、頼り甲斐のあるお姉さんを超えるくらいに強くなりたいって意味で、守れるくらいって思ったのかな?」
「え、と……ちょっと待ってね……。それはなんだか違う気がする……」
絶えず俺と肌を重ね続けているのに、それに気付かない様子で考え込むリーチェ。
これって職業補正を無意識にコントロールして、考え込むのに邪魔な快感を脳に入る前に遮断してるんだろうか?
けれどえっちなリーチェのドスケベボディは俺の事を強く求めてくれるから、リーチェの思考を邪魔しないよう快楽だけを遮断しながらどんどん敏感になってくれているとか?
「ぼくが姉さんを守りたいと思ったのは……。アルフェッカの至宝とまで称えられた姉さんの美貌と比べられるのが怖くて、男勝りな振る舞いを好んでいたような気がするよ……」
「ははっ。世界一美人なリーチェがなに言ってるんだか。でも、それでぼくなんて言うようになったのかな?」
「あーっ! 確かにそうなのかもぉ……」
リーチェは平然と会話に応じてくれるけど、顔は紅潮して汗だくになっていて、少しずつ甘い吐息を漏らし始めている。
そんなリーチェを少し意外そうに眺めているシャロは。
次はシャロの番だからねー。もうちょっと待っててねー。
「姉さんにはよく咎められたっけ……。貴女はお姫様なんだから、もっと女の子らしくなりなさいって……」
「ふふ。おっぱいだけでも最高に女の子してるけどね? こんなおっぱいをぶら下げておいて男勝りは無理だよリーチェ」
「う~っ……! おっぱいのことは姉さんにも散々からかわれたんだってばぁ~……。姉さんだって小さくはなかったのにさーっ!」
くっ、流石にそろそろ限界だ……!
顔を上げ、最高の状態になったエルフ族の王女様の潤んだ翠の瞳と目を合わせる。
「仮にこのおっぱいが無くてもリーチェは最高に可愛い女の子だと思うけどね? なんたって俺だけのお姫様だしさ」
「う~っ! なんでダンっていっつも姉さんとおんなじことが言えちゃうの~っ!?」
「あ、そうなの? お姉さんはなんて言ってた?」
「姉さんはいっつもぼくを可愛い可愛いって褒めてくれてさぁ……! 姉さんのほうがずっとずっと美人だったのにぃ~っ! 誰よりも綺麗な姉さんに可愛いって言われるぼくの身にもなってよぉ~っ!」
「俺とお姉さんの言っている事が同じ理由は説明できるよ。要は俺もお姉さんも同じくらい、お前のことが大好きだったって話だろ?」
「え、え~……? 確かに姉妹仲は良かったと思うし、姉さんはすっごく可愛がってくれたけど、ダンと同じくらいの気持ちでいる人間なんているのかなぁ……?」
「ははっ。俺と同じ気持ちの人間なんて、今俺の目の前に2人も居るっての」
「い、いやぁ……? 流石にぼくはダンと同じ強さの気持ちを持ってる自信は無いよぅ……」
バツが悪そうに目を逸らそうとするリーチェの唇を奪い、驚きに見開かれた翠の双眸と見詰め合う。
潤んだ瞳は日の光を浴びてキラキラと輝いており、その瞳の奥からは強い愛情が感じられる。
「俺こそ自信無いよ。リーチェが俺を好きでいてくれるのと同じくらいの気持ちを、ちゃんとお前に返せているだろうかってさぁ」
「そこは自信を持っていいんじゃないの……? いっつも受け取りきれないくらいに愛してもらってるよ?」
「それじゃあ今日も全力で愛してやるよ。大好きなリーチェを愛さないなんて無理だからっ」
キョトンとした表情を見せたリーチェを力いっぱい抱き締めて、ありったけの愛情をリーチェに伝える。
「大好きだっ! 大好きだよ、俺の可愛いリーチェぇ……! こんなにも、こんなにもリーチェの事が大好きなんだぁぁぁっ!」
体の中が爆発しそうなくらいお前の事が大好きなのに、そのひと欠片しか伝えられないのがもどかしくて仕方ない。
お前の事が大好き過ぎて、でもそれが伝え切れなくて気が触れてしまいそうだ……!
「愛してるよリーチェ……。大好きだぁっ……!」
返事を返す余裕も無いリーチェに、それでも一方的に想いを伝えるのが止められない。
そうして全力で愛を伝えたあと、俺はリーチェとキスをしながら姫エルフとの最高の時間の余韻に浸り続けたのだった。




