585 2人目
※R18シーンに該当する表現をカットしております。
「あ、ダン。思ったより早かったねー?」
シャロとキュールを連れて奈落の最終中継地点に転移すると、俺達に気付いたニーナが直ぐに声をかけてくれる。
どうやらニーナはヴァルゴと手合わせしていたみたいだ。
「2人のその様子だと、ちゃんとキュールさんも貰ってきたんだよねー?」
「まぁね。ご覧の通りって奴?」
「「あっ……」」
腰を抱いて両側に侍らせているシャロとキュールをなでなでして、ニーナにアピールする。
それだけで甘い吐息を漏らす2人にうんうんと頷いて見せながらも、でもさーと直ぐに首を傾げてしまうニーナ。
「2人もお嫁さんを貰ったわりには合流するの早くない? ダンのことだから、下手すると時間を忘れてひたすら2人に手を出し続けると思ってたのにー」
「それをする為に2人の好色家を浸透させにきたんだよっ。ちなみにアウラたちはまだ来てないの? そろそろ着いててもおかしくないかもって思ってたけど」
周囲を見渡しても、中継地点には仕合わせの暴君メンバーの5人しか居合わせていないようだ。
ティムルとリーチェとフラッタは3人で乱戦的に手合わせをしている模様。
グランドドラゴンアクスを持ったティムルとドラゴンイーターを振るうフラッタのぶつかり合いって、古代中国の武将がやりあってるみたいでド迫力なんだよ?
「んー。流石に今日中にここまで来るのは難しそうなの。最深部には入ったみたいなんだけどねー」
「どうやらムーリとアウラに積極的に戦闘経験を積ませているみたいですね。ラトリアやターニアはもうここでも訓練にならないと言ってましたよ」
軽く汗を拭いたヴァルゴが会話に参加してくる。
ラトリアは分かるけど、ターニアもそこまで腕を上げてるのかぁ。
「戦闘経験と言えば、シャロとキュールは戦えるようになりたい? 我が家の戦力は過剰なくらいだから無理に戦う力をつけなくてもいいけど、2人に希望があるなら聞いておきたいな」
新妻2人を解放してニーナとヴァルゴを押し倒し、聞く態勢は万全だっ。
さぁ2人とも、話を聞かせてくれるかなっ。
「ここに来る直前にあんなにしたのに、まだするのかい……?」
「ああ……。シャロはまたご主人様への想いが止まらなくなってしまいますよぅ……」
「ほらほら2人とも。早く話してくれないと、このままずーっとニーナとヴァルゴを可愛がり続けちゃうよー? 俺としては大歓迎だけどっ」
「えーっと、私は戦えるようになろうとは思ってないよ。でもチャールとシーズの足を引っ張るのは嫌だから、護身程度は出来るようになりたいかなぁ?」
「私もご主人様の所有物であるこの体を守れれば、それ以上の力は必要ないですね。私の仕事はご主人様の御子を生涯産み育てることですからっ」
「じゃあとりあえずは好色家。あと行商人と荷運び人までは2人とも浸透させようか。今日はとりあえず好色家の浸透を目指ざそうね」
「え~……? 職業ってそんなに簡単に浸透が進むものだったっけ~……?」
「こっ、好色家を極めてご主人様に可愛がっていただく為に、貴方のシャロは頑張りますっ!」
張り切ってるシャロには申し訳ないんだけど、ちょっと直ぐには移動できそうもないかなー?
ニーナは舌舐めずりして俺を見てるし、手合わせをやめたティムルとフラッタもリーチェも完全にやる気マンだからね……。
ごめんねみんな。スケジュールが詰まってるからちょっと急がせてもらうんだよーっ!
シャロとヴァルゴには出せなかった本気の全力を出して、仕合わせの暴君メンバーを全身全霊で愛し抜く。
俺達家族しかいない奈落の最深部に、今日も暫く淫らな声だけが響き渡ったのだった。
「つまり、ぼくたちで魔物をここまで引っ張ってくればいいんだね?」
全力で愛し合ったあと体力を回復したリーチェが、これからすべき事を確認してくる。
どうやらみんなも手合わせを止めて、シャロとキュールの職業浸透に協力してくれるようだ。
即行で仕合わせの暴君メンバーを可愛がった俺は、シャロとキュールの職業浸透を進める為に異界から魔力が流れ込む穴とは逆の方向に中継地点を出た。
奈落の最深部の最深部、あの巨大な穴が空いている場所には魔物が出なかったからな。レベリングを行なう分にはここが1番魔力の濃い場所と言えるだろう。
「みんなにだけ働かせちゃってごめんね? でもシャロとキュールの敏捷性を考えたら、狩りに行くより釣ってもらった方が早くってさ」
「構わぬのじゃっ! 運動がてらひとっ走りさせてもらうのじゃっ! そして帰ったらもう1度可愛がってもらうのじゃーっ!」
んもーこれだからフラッタはー。
たった今たっぷり可愛がったのにまだ足りないなんてえっちすぎるってばぁ。
「で、ダンは2人と一緒にここに残って、私たちが引き連れて来た魔物を殲滅する、のはいいんだけどぉ……。その間ずーっと、そのまま続けてるわけぇ?」
シャロとキュールを押し倒している俺の姿を見て、肩を竦めながら確認してくるティムル。
いやー、ただ待ってるだけってのも暇ですし? 2人には好色家の浸透を体感していただきたいですし?
「新しく迎えた2人は、みんなと比べて俺と肌を重ねた回数が圧倒的に少ないからさ。僅かな時間を見つけて上書きと取り立てを進めていかないとねっ」
「あはっ。なんだかそれ久々に聞いたのっ。もう私たちは上書きするところが残ってないほどダンにえっちに染められちゃったのーっ!」
「う~ん……。ぼくも姉さんの分まで上書きされちゃった気がするもんねぇ……。ダンと出会うまでってどうやって生きてたのかすら覚えてないよ」
「……私が旦那様と出会ってから、まだ半年も経っていないのですねぇ。なんだか生まれる前からずっと一緒に居たような気がしますよぉ……」
くっそぉ! シャロとキュールに無理させたくないのに、みんながえっちな雰囲気を醸し出してくれるから興奮が冷めやらないよぉっ!
でも2人にこれ以上負担をかけるのは危険だから、よしよしなでなでしてあげるねー。
「妻だけに働かせて自分は他の女性を相手するって、俺の価値観だと最低最悪のクズ男の気がして仕方ないだけどさぁ……。こっちの価値観ではそんなことないんだよ、ね?」
「あはーっ。勿論よぉ。ダンが1人でも多くの女性を愛して幸せにしてくれるのが、私たち全員の願いだと思ってくれていいからねーっ。良い子だからダンはそのまま2人をいっぱい可愛がってあげてねぇ?」
「それに、今の2人がダンの常識についていくのは少々厳しすぎるのじゃ。気軽にイントルーダーを呼び出すダンと共に暮らすためには、多少無理矢理にでも職業浸透を進めねば2人のほうが持たぬのじゃ」
エロ方面にどこまでも甘やかしてくるティムルと、エロい雰囲気の時はまじめなことを言うフラッタに感謝の気持ちを込めて、ちゅっちゅっと軽くキスをする。
家族と友人では俺の中での線引きが変わってくるからね。
出来れば家族に隠し事をしたくないから、それに耐えられるように新妻2人にも少し職業浸透を進めてもらわなきゃいけないようだ。
「それじゃ行ってくるのーっ! ドロップアイテムの回収も私たちがやるけど、魔物を倒すのだけはちゃんとダンがするんだよー? 2人にかっこいいダンをいーっぱい見せ付けてあげなさいっ」
いやいやニーナ。この状況でシャロたちが痛感するのは俺のヒモっぷりだけだと思うんだよ?
そんなことを思いながら、魔物を釣ってくる5人をキスで送り出した。
みんなが散った後、はぁはぁと肩で息をしながらも力なく抱き付いてくる可愛い2人を鑑定する。
えーっと、キュールは村人、商人、旅人、行商人、魔法使い、職人を浸透させていて、現在冒険者のようだ。
非戦闘員だと言っていた割には結構浸透を進めて……って違う違う。半分以上ウチに来てから浸透してんだこれ。
冒険者は研究所の案内のために転職しただけなので、現在のLVは1だ。サクッと好色家に変更っと。
好色家 最大LV30
補正 持久力上昇+ 持久力上昇 持久力上昇-
スキル 精力増進 病気耐性-
一方のシャロは村人、旅人、商人、冒険者の浸透が終わっていて、現在好色家LV8だ。
思ったよりも浸透が進んでいないと取るべきか、思った以上に進んでいると取るべきか……。
シャロの実兄である馬鹿殿下なんかは戦えそうな雰囲気だったし、新王マーガレット陛下なんて魔物狩りとして活動していてアウターエフェクトの討伐経験すらあるくらいだ。
前王シモンが怠惰で無能であったからといって、スペルディア家全員が職業浸透を進めていないわけじゃない。
恐らくは当人の自由にされているんだろう。
でも、シャロの場合は微妙なんだよなぁ……。
あの馬鹿殿下に四六時中弄ばれて、職業浸透を進める余裕が無かっただけの可能性も低くない気がするよ。
これから不必要に腕を磨くつもりもなさそうだし……。エロに特化して浸透を進めさせるかな?
「お待たせなのーっ! いっぱい引っ張ってきたからねーーーっ!」
「うぉ、考え事してる暇も無いか」
1分も経たずに大量のアウターエフェクトもどきを引き連れたニーナが、右手をブンブン振って楽しそうに駆け寄ってくる。
ニーナって走る系のアクション好きすぎだよなー。無理もないけど。
「『白き閃光。不言の万雷。滅紫の衝撃。雷霆響くは界雷の宴。汝、瞬き奔る者よ。サンダースパーク』」
クルセイドロアでも良かったんだけど、消費コストの軽めなサンダースパークでも無事に全ての魔物が消滅してくれた。
本来ならキュールとシャロには対峙するのも辛い魔物のはずだけど、それ以上の極限状態の2人は魔物の接近も殲滅も気にする余裕はなさそうだ。
「……ん~。やっぱり1回では無理だったかぁ」
確か俺達が初めて奈落の底でレベリングした時は、1つの群れを殲滅する毎に職業浸透が終わってきた記憶がある。
けれどキュールの好色家はLV18、シャロはLV27と、1度では浸透を終えてくれなかった。
「ダンーっ! 魔物を届けに参ったのじゃーっ!」
ま、この程度の差、誤差もいいところっすけどねぇ?
新妻2人を抱き締めながら、みんなが引き連れてくる魔物をサンダースパークで瞬殺し、ドロップアイテムを回収し終わった妻をキスで送り出すだけの簡単な作業です?
フラッタが連れて来た魔物を殲滅したら、無事に2人とも好色家の浸透を終えてくれた。
「う、うおおおお……! よ、予想はしてたけど、実際目の当たりにすると……!」
好色家を浸透させたシャロに職業設定を行うと、そこには艶福家大先生のお名前があるじゃーないですかぁっ!
秒でシャロを艶福家に設定して、忘れずにキュールの職業を冒険者にする前の職業だった武器職人に戻しておく。
艶福家 最大LV100
補正 全体体力上昇 全体魔力上昇 全体持久力上昇+ 全体幸運上昇+
全体五感上昇+
スキル 全体補正上昇+ 精力増進+ 全体病気耐性+ 魔玉発光促進
稀少品出現率上昇
武器職人 最大LV50
補正 持久力上昇 身体操作性上昇 五感上昇
スキル 武器鑑定 武器作成 インベントリ
よぉっし! シャロの艶福家を浸透させきるまで今夜は帰らないぞーっ!
主に頑張ってくれるのは愛するみんなの方なんですけどねーっ!
シャロが艶福家を浸透させている間にキュールの生産職も進めまくって、帰る頃には2人の体を極上のエロボディに仕上げてあげるからねーっ!
エロ職業と生産職の浸透が進んで行く2人もノリノリになってくれたので、みんなに甘えてどんどん職業浸透を進めていく。
帰ってくる度キスで送り出されるのが楽しくなってきたのか、みんなも張り切って魔物を集めてくれるから浸透が捗って仕方ないなぁ!
この日キュールは好色家、武器職人、防具職人、宝飾職人、アイテム職人、調剤士、探索魔法士、支援魔法士、冒険者まで浸透させて探索者になり、シャロは好色家、艶福家、戦士、行商人、荷運び人、魔法使い、好事家、職人、武器職人、飛脚まで浸透させて、メイン職業を防具職人、追加職業に宝飾職人を設定した。
パワーレベリングは危険だってぇ?
この2人は戦う気が無いからいいんですーっ! この2人の戦場はベッドの上なので、そこに特化した職業浸透を進めさせていただいただけですからーっ!
そしてシャロ、何気に我が家で2人目の好事家である。
職業浸透が終わったら頑張って走り回ってくれた5人をたっぷりと可愛がり、頑張って俺の相手をしてくれた2人のことも改めて可愛がり、合流したムーリたちと一緒に家族みんなで帰宅したのだった。




