567 叩き
※R18シーンメイン回です。
該当する表現を大幅に(2000字程度)カットしております。
「ダンさんのこと……、ご主人様、って呼ばせていただいても?」
もじもじしながらおねだりしてくるシャロの言葉に、流石に思考が追いつかなかった。
【速報】この国の王女様に、ご主人様と呼ばれてしまった件について。
なんてクソスレを立てたくなる気分を必死に押し殺す。
言うまでも無く、この世界にはインターネットはございませんからね?
おねだりしてきた当の本人は凄く嬉しそうにしながら恥ずかしがっていて、両頬に手を当てて赤面しちゃってるけど、そんな乙女なリアクションを取る様なおねだりかなぁ……?
「え、えーっと……。シャロが呼びたいって言うのなら構わないんだけど、なんでご主人様?」
「はい。私を仕込んだ奴隷の男が、私に自分の事をご主人様と呼ぶよう強要してきて、私も素直に従いはしたのですが……」
うん。淡々とした口調でとんでもないことを語られているんだよ?
ティムルのことが無かったら流石に俺も何らかのリアクションを取ってた気がするけど、お姉さんのおかげで平然とした顔でシャロに接することができそうだ。
「うん。それで?」
「申し訳ないんですが、私はその男に魅力を一切感じていなくって……。従いはしたんですけど、いまいち気分は乗らなかったんですよねぇ……」
「…………そ、そうなんだぁ」
シャロのあまりにも淡々とした語り口に、不快感よりもゾワリとした恐れを抱いてしまう。
シャロは被害者で、そのシャロを無理矢理手篭めにした奴隷なんて俺の手で殺し直したいくらいな気分だったのに、シャロの説明を聞いて反射的に同情しかけてしまった……。
多分シャロは従順に男に付き従ったんだろうけれど、物凄く冷めた状態で付き合ってやっていた感覚だったんだろうな……。こ、こええ……。
「ですがダンさんを見ていたら、なんだか私のほうからご主人様ってお呼びしたくなってしまって……。だってご主人様、あまりにも魅力的過ぎるんですもの……!」
「早速呼んでくれてるのはいいとして、俺の何処がそんなに気に入ってくれたのかな?」
だけどそんな冷めた一面をまったく感じさせないシャロは、俺にフラッタのような純粋で真っ直ぐな好意を向けているように思えた。
流石にシャロを弄んだクズと一緒にはされたくないけど、俺だって無理矢理シャロを弄り倒したはずなんだけどなぁ?
「可愛いシャロに褒めてもらえるのは凄く嬉しいけど、心当たりが無いんだよ? 俺、シャロにそんなに好きになってもらえるようなことしたっけ?」
「だってご主人様ったら、自分の身を危険に晒してまでアンクもスレッドドレッドも……。私の大切なものを全て守ってくださったじゃないですかぁ……」
ご主人様と口にする度にえっちなスイッチが入っていくように、どんどん眼差しも声も甘さが増していくシャロ。
色狂いと称され数多の男性を狂わせてきた魅力が爆発しているなぁ。
しかし俺に魅力を感じたポイントが、大切な物を守ってくれたから、か。
初対面の時はどこか機械的で浮世離れした印象を受けたけど、愛情を注ぐ対象が狭くて深いタイプなのかな?
「ご主人様のことが凄く凄く気になっている時に、あんなに容赦の無い責めを受けてしまったら……。私、もうご主人様のことしか考えられなくなってしまってぇ……」
「ほらねーっ! やっぱりダンの自業自得なのーっ! 今までも散々忠告してるのに、ダンったら全然直らないんだよー?」
「よ、容赦の無い責め苦は妾にも覚えがあるのじゃ……。あれを受けてしまうと、もうダンのことしか考えられなくなってしまうのじゃぁ……」
「止めてって言っても全然止めてくれなくて、しかもダンには快感が与えられてないから際限なく続くんだよね……」
鬼の首を取ったようにはしゃぐニーナと、赤面しているフラッタとリーチェ。
きっとあの2人は、狭いベッドでニーナが起きるまで散々弄り倒してやった時の事を思い出しているんだろう。
2人に見せ付けるように両手の指先を激しく動かしてやると、2人は庇うようにサッとおっぱいを引っ込めた。
そのリアクションがエロ過ぎるのでNGね。お仕置きとしてあとでひたすら可愛がってあげよっと!
「でも、シャロは嫌じゃないの? その奴隷の男にも魅力を感じてなかったっていうのに、その男の言うように振舞うのに抵抗は無いのかな?」
「えっと……。あの男には付き合っていただけなんですけど、あの男に仕込まれた作法は私の中に根付いてしまっているんですよね。だから夫となってくださるダンさんの事をご主人様とお呼びするのは、私の中では妻の義務として定着してるんです」
「つまり、嫌でもないし抵抗も無いってこと?」
「はいっ。私の中の良妻のイメージとして、主人となる男性をご主人様と呼びご奉仕させていただくというのが、もう完全に定着してしまっているんです。だから貴方をご主人様とお呼びしたいと思ったんですっ」
「な、なるほどねぇ。教えてくれてありがとうシャロ」
声を弾ませて説明してくれたシャロのほっぺにありがとうのキスをする。
う、う~ん……。コレは本当に難しいな……。
ティムルのように嫌悪感を抱いていたなら分かりやすいんだけれど、シャロは自分が被害者であるという自覚が一切無いようだ。
間違いなく男に弄ばれ、好き勝手に仕込まれてしまった被害者であるというのに、シャロ自身がその事実を完全に受け入れてしまっているようだ。
「えと、可愛いシャロにご主人様呼ばわりされるのは興奮しかしないから、呼び方はシャロの好きにしていいよ?」
「本当ですかっ? ありがとうございますご主人様ぁっ」
声を弾ませて俺にぎゅーっと抱きついてきたシャロは、大きなおっぱいを俺の体に擦りつけながら、鼻歌でも歌いだし始めそうなほど上機嫌に唇を重ねてくる。
そんなシャロの後頭部をよしよしなでなでしながら、左手でシャロの大きなお尻に触れた。
「……ダンがお尻を触る手つきって、なぁんか妙にいやらしいのよねぇ?」
「分かりますっ! お尻を触られた反応を楽しげに観察されるんですよねっ! 意外と旦那様はお尻もお好きなようですよっ」
ティムルとヴァルゴが自身の経験に照らし合わせた感想を零す。
でも、いったいなにを言っているのかなヴァルゴは。
意外も何も、お前みたいな美女のケツが好きじゃない男なんている訳ないじゃないか。
柔らかなシャロの感触とキスを楽しみながら、俺とシャロとのやり取りを興味深げに眺めている家族に向かって右手をあげる。
「んーっ! んふっ、んーっ!」
しかし右手を離した途端、シャロが不満げに唸り出す。
今は自分とえっちしているんだから、他の女性に気を取られないでって? 可愛いなぁもう。
シャロとキスしてる時に、他の女性とコミュニケーションを取ってごめんね?
お詫びってわけじゃないけど、もっと悪戯してあげるからねー。
これからちょっとだけ痛い思いをさせちゃうけど、少しに間だけ我慢して欲しい。
これは俺がシャロを理解する為に必要な行為だと思うから。
俺は痛みを与えないように慎重に加減しながら、シャロのお尻に向かって勢いよく左手を振り下ろした。
「ふぐぅ……!?」
パァンという軽快な破裂音が響き渡り、驚いたように目を見開くシャロ。
そんなシャロを安心させるべくよしよしなでなでを続けながら、パァンパァンとお尻を打ち付けていく。
「す、すっごい音なの……! い、痛くないのかな……? ダンは楽しそうだけど」
「と、飛び上がっているあたり、痛みが無いわけではなさそうですけど……。うわぁ……」
ニーナとヴァルゴが初めて目にする行為に目を丸くして驚いている。
お知りを叩くなんて俺も初めてやったけど、俺の五感補正と身体操作性補正が的確な加減を導き出していると信じ、1度毎に微妙に場所を変えながらシャロのお尻全体を叩いてあげた。
パァンパァンという軽快な炸裂音と共に10回くらい叩いてやると、シャロのお尻が痛々しく熱を帯びてしまった。
「ふーっ! んっ……! ふーっ……!」
俺にしっかり抱き寄せられてキスを続行中のシャロは、ようやく止まった俺の手の動きに、安心したように眉尻を下げている。
でもごめんねシャロ。本番はここからなんだ。
仕上げに左手にキュアライトを纏って、シャロのお尻が帯びてしまった熱と痛みをゆっくりと拭い去っていく。
一瞬違和感に驚いたシャロも、お尻の熱と痛みが一気に引いていくことに無事快感を覚えてくれているようだ。
「突然痛い思いをさせてごめんね? 痛みは残ってないかな?」
「なんでぇ……。お尻叩かれたのにぃ……。ご主人様の手、気持ち良すぎますぅ……」
後頭部を抱き寄せていた右手で腰を支えてあげながら、シャロと見詰め合って感想を聞く。
この様子なら痛みは残っていないようだね。
「楽しんでくれたなら良かった。シャロの綺麗な体にはアザ1つ残す気はないから安心してね」
「よく、良くないですよぉ……! お尻を叩かれただけでここまでされてしまうなんてぇ……」
まるでおねだりするように体をこすりつけてくるシャロ。
シャロは奴隷の男に無条件で体を差し出すあたり、マゾっけが強そうに思える。
けれどアンクやスレッドドレッドたちに尽くそうと立ちまわる姿に、俺はどことなくサドっけも感じるんだよね。
エロマンガの知識だけど、アブノーマルな行為には自身ですら剥がせなくなった仮面を剥ぎ取り、その人の本質を曝け出すという側面もあるという。
どこまでも本音を見せず、自分自身ですら自分の本音を見失ってしまったシャロには、1度体面を全て壊してやる必要があると思ったのだ。
というのは建前で、シャロのお尻を触っていたら、なんか叩いたら気持ちよさそうだなって思っただけです?
この世界にはキュアライトがあるので、こういった行為のハードルも低めだしね。
息も絶え絶えになったシャロに俺から口付けをして、彼女を支えながらゆっくりとベッドに寝かせてあげる。
そのままちゅっちゅっとバードキスを繰り返しながら、未だ纏っていたシャロのドレスをゆっくりと脱がせていく。
「俺も人間族の女性を愛するのは初めてで、今ちょっとだけ緊張してるよ」
「はやくぅ……。早く来てぇ、ご主人様ぁ……」
「俺の可愛いシャロ。俺の初めて、受け取ってくれる?」
「光栄です……! ご主人様の初めてをいだたけるなんて……!」
恐らく他の男に仕込まれた、良妻としてのシャロの言葉を遮って、シャロと肌を重ねていく。
さぁて、覚悟を決めないとな。これで俺もめでたく父親ってわけだ。
え、既にアウラがいるって? アウラは娘兼、将来のお嫁さんですから、扱いがちょっと複雑なんですーっ。
※こっそりひとくちメモ
全年齢とはいったい……的な内容ですが、これ以上削ると話の流れが見えなくなってしまうと思ったので、限界まで削った結果がこれです。許されて欲しい。




