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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚3 エルフェリアで過ごす夜
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535 納品

※R18シーンに該当する表現を(1000字程度)カットしております。

「ん~……。ん、ん~……?」



 全身に快感を感じて目を覚ます。


 我ながら珍しい事に、いつの間にか寝ちゃってたらしい。



 昨日は寝ているムーリを起こさないように気をつけながらムーリを抱きしめていたんだけど、自分でも気付かないうちに意識が落ちてしまったようだ。


 未だに俺の腕の中にはムーリが収まっていて、ムーリはすやすやと眠っている模様。



 しかし俺の口は誰かの口によって完璧に蓋をされ、ムーリごと抱き締められて拘束された俺の口には誰かの口で蓋がされている。


 視界は閉ざされ自由は奪われているというのに、最高すぎる朝のお目覚めなんだよ?



「おはようなの。気持ちよかったー?」


「おはようニーナ。最高の目覚めだったよー」



 どうやら俺にひたすらキスをしていたのはニーナだったようで、タオルの目隠しを取りながら朝の挨拶と共に再度キスをしてきてくれる。


 たった今ひたすらキスをしたばっかりだっていうのに、相手がニーナだって分かるともっとキスがしたくなっちゃうなっ。



「いっつも誰よりも早く起きるダンが寝てたから、ダンを起こさないようにイタズラする事にしたんだー。寝ているダン、すっごく可愛かったのーっ」



 どう考えてもニーナのほうが可愛いと思うけど、ご機嫌なニーナに水を差すほど愚かな事はない。


 おかげでティムルも嬉しそうに、ニーナの言葉にそうそうっ! と同意してくれた。



「寝ているダンを起こさないように気をつけながらイタズラするのって、すっごく楽しいわねぇ。ダンが気を失ってる私たちに悪戯したがる気持ちが少し分かった気がするわーっ」


「妾に触れられてピクピクと震えているのに、気持ち良さそうに眠っているダンは愛おしかったのじゃっ! またやりたいのじゃっ!」


「何をされてもスヤスヤ眠ってるパパとムーリママにはびっくりしたけどねぇ……」



 敏感過ぎていつもイタズラの被害者側に回っているフラッタとアウラが、イタズラの加害者視点で感想を漏らしている。


 みんなの感触は気持ちよい上に心地いいから、俺も気が抜けてぐっすり寝ちゃったんだろうな。



「さぁダン起きて起きて。今日も急がしいんだから、早くぼく達のことも可愛がってくれなきゃ困るよっ」


「リーチェさんの言う通り、今日もいーっぱいして欲しいのっ」



 俺をムーリを引き剥がすリーチェと、解放された瞬間に飛び込んでくるターニア。


 ひと晩中愛し続けたムーリは休憩ということで、順番にみんなと愛し合った。




「あ、相変わらず朝は凄いねぇ……?」


「お、お前朝っぱらからどんだけ盛ってんだよ!? 少しは自重しやがれっ」



 エマとラトリアを侍らせながら食堂にいくと、みんなを見たキュールさんとシーズがツッコミを入れてきた。


 昨晩もじもじしたせいなのか、赤面しているシーズのツッコミにキレを感じないなぁ。



「ここは俺の家なんでね。夫婦生活に口を出すのは控えて欲しいかなぁ?」


「ダンが私たちに手を出すのは控えられないもんねっ」



 ニーナさん。今はそういう茶々入れるとこじゃないと思うんですよ。


 それに出すのは手だけじゃないんですよね。もっと別なものもたっぷりと……って何の話だよ。



 ラトリアとエマのお腹を擦っていると、子供は出来ないのにちょっとだけ愛おしく感じてしまうから困るな。


 両手が塞がっている為、フラッタに餌付けしてもらって朝食を済ませる。



「昨晩決めた通り今日は別行動日だからね。みんなの実力なら万が一も無いとは思うけど、奈落組のみんなは気をつけて行ってきてねー」


「あはーっ。1番気をつけなきゃいけないのはリーチェでしょうねー? なんせダンと2人っきり! なんですものーっ」



 俺とリーチェを一緒に抱き締めたティムルが、ガンガン行っちゃえとリーチェを焚き付けている。



 でもお姉さんの言う通り、確かに今日のリーチェは危険かもしれない。


 2人っきりだからリュート扱いになるし、出かける理由が娘のための贈り物を製作するためだからな。


 思い切り盛り上がって、エルフェリアでそのまま愛し合う可能性も無きにしも非ずだ。



 って、リーチェも思いっきり期待した眼差しを向けないのっ!


 黙ってても絶世の美女の癖に、可愛い反応ばかりしやがってーっ!



 本日マグエルに残って作業する予定のキュールさんたちが離れに戻っていったので、改めて妻1人1人を抱き締め、キスで送り出していく。



 玄関先で複数の女性に代わる代わるキスをしていると、教会に井戸を建設して良かったなぁと実感した。


 誰の邪魔も入らないって最高ですよっ。



「さぁ行こうかリュート。今日は用事を手早く済ませて、お前を2人分愛してあげるからね」


「あは、は……。ぼく、今日1日……、持つ、かなぁ……?」



 腰砕けのリュートが潤んだ瞳で見詰めてくる。


 全員キスだけで腰砕けになるまで愛してあげたあと、腰の砕けたリュートと一緒にまずは中継都市に転移した。






「お? なんか雰囲気変わったな?」



 中継都市に転移すると、街の周囲になんとなく違和感を覚えた。


 不毛の大地であるグルトヴェーダ山岳地帯に拓かれた村なのに、街の周りには雑草が生え始めているように見えるなぁ。



「みんなが終焉の箱庭の土を運んでくれたおかげなのかな? 随分植物が増えてきてない?」


「いや、これは暴王のゆりかごを解放した影響もあるんじゃない? ぼく達が土を運んだのって、もっとグルトヴェーダ寄りのところだから」


「へぇ~。それじゃグルトヴェーダにも一気に緑が広がっていくのかもしれないなぁ」


「そうなってくれるとエルフにとってはいいんだけどねっ」



 上機嫌なリュートと手を繋いで、中継都市に足を踏み入れた。


 まずはライオネルさんに会わないと話が進まないからなーっと。





「え? 今日はライオネルさん居ないの?」


「はい。本日族長ライオネルはエルフェリアの方で植樹作業に従事しているはずですよ」



 中継都市で作業中だった男性エルフに問い合わせたところ、本日はライオネルさんがエルフェリアでお留守番する当番の日だったようだ。


 エルフ族は滅亡寸前ってくらい人口が少ないから、種族全体であらゆる作業を共有しているみたいだね。



「仕方無い。エルフェリアに行こっか」


「だねー。ここの作業はぼく達の手伝いを必要としてないみたいだし」


「……でもごめんリュート。エルフェリアに行く前に、1度いいかな?」


「気配遮断と音の操作は済ませてるよっ。さぁダン。ぼくを滅茶苦茶にしてくれる?」



 我が家のえっちな奥さんは、えっちな思考を敏感に察してくれるから困っちゃうねっ。


 沢山の人が行き交う中継都市の中心で、物陰に隠れて服を着たままリュートと愛し合った。





「ふふ。ダンに愛されると本当に幸せに感じるよぉ……」


「俺もリュートを愛することが出来て本当に幸せだよ。けどそろそろエルフェリアに行こうね。奈落にだって行かなきゃならないんだから」



 うっとりとした表情で、愛おしそうに甘く呟くリュート。


 そんな彼女を横目で見ながら、周囲を簡単に片付ける。リムーバーさん便利すぎるぅ。



 しかし、自分から誘っておきながら応じてくれた妻を急かすなんて、俺って随分酷い男になっちゃったもんだ。



 でもリュートがエロ過ぎるからいけないんだよ?


 普段のリーチェだってエロに一直線って感じなのに、リュートって呼んであげるとエロに全身全霊って感じに強化されちゃうんだよねぇ。


 お前ってエロ方面にあと何回変身を残しているんだよ?



 メロメロでうっとりなリュートを抱きしめながら、今度はエルフェリアに転移した。





「ようこそ2人とも。相変わらず仲睦まじいようで何よりだよ」



 エルフェリアで俺達を出迎えてくれたライオネルさんは、甘くエロい雰囲気のリュートに触れることなく挨拶を済ませてしまった。


 変に照れたりすることなく挨拶を済ませるなんて、ライオネルさんもエロ関係には結構強そうだなぁ。



「こんにちはライオネルさん。今日は貴方からの依頼を達成したから会いに来たんだ」


「私からの依頼……。って、なんだっけ……?」



 こんなに短期間で依頼が完了するとは思っていなかったのか、ピンと来ない様子のライオネルさん。


 首を傾げるライオネルさんに、インベントリから取り出した世界樹の葉を見せてみる。



「これを届けに来たんだよ」


「これを届けに……って、えぇぇ!?」



 世界樹の葉を見せられたライオネルさんは、大口を開けてエルフ族っぽくない表情を浮かべてしまっている。


 長命なエルフ族って、想定外の事態にちょっと弱い気がするよ。



「世界樹の葉と宿り木の枝の納品依頼。何とか達成できたんだ。依頼の品か確かめてみてくれる?」


「宿り木の枝も見つけてくれたのか!? この短期間に信じられんな……」



 俺から受け取った世界樹の葉と宿り木の枝を、インベントリに出し入れしているライオネルさん。


 なるほど。鑑定スキルが使えなくても、ああやって真贋を見抜くことが出来るんだなぁ。



「インベントリにも収納可能か……。本物に間違いなさそうだな……。勿論ダンさんを疑うつもりは微塵も無いが」


「そこは疑ってもらっても構わないんだけどねぇ……。あんまり妄信されても困るしさ」



 トライラム様があれほど慎重に信仰を管理していた理由が良く分かるよ。


 無条件に全幅の信頼を寄せられるのって、思った以上にストレスだ。



 ちなみに、今回ライオネルさんに請求する予定だった4000万リーフは、初回ということで免除することにした。


 我が家はもうお金に困ることはあり得ないからね。これ以上の大金は必要ないのだ。



 ただし次回以降は必ず代金を払ってもらうつもりだからねと、世界樹の葉は1つ250万リーフ。宿り木の枝は1つ150万リーフで販売することを告げておく。


 お金には困ってないけど、対価を求めずに品物を贈り続けるのはあまり良い事とは思えないからさー。



「どうかなライオネルさん? 納品依頼は成功だと思っていい?」


「勿論だよ! まさかこんなに早く解決しちゃうなんてねぇ……」


「ま、今回は俺達の方に入手できる確信があったからね。運が良かっただけだよ」



 これは謙遜でもなんでもない。


 硬貨からのアイテム生成を知っていれば、誰にでも再現が可能なのだから。



「それじゃライオネルさんっ! これでぼくに世界樹の護りの作り方を教えてもらえるかなっ!?」



 俺とライオネルさんの会話が途切れるのを待っていたのか、リュートが突然口を挟んでくる。


 声を弾ませるのはいいけど、おっぱいをばるんばるん弾ませるのは俺の前だけにしておきなさいってば。



「勿論構わないよ。と言っても、私が直接教えることは出来ないがね」



 どうやら世界樹の護りの作り方を教えてくれるのは別の女性らしい。


 母親になったエルフにしか伝えられていないという世界樹の護りの製法は、エルフ族の長であるはずのライオネルさんですら知らないようだ。



「エルフ族では子供が生まれると、父親が素材を集め、母親が世界樹の護りを製作して我が子に贈るのが習わしなんだ。だから父親であるダンさんには、更なる素材提供をお願いしたい」


「まだ必要なものがあるんだ? ま、何でも言ってよ」



 リュートとアウラの為と言われれば是非も無い。


 かぐや姫から出題される無理難題でも叶えてやろうじゃないか。



 しかし世界樹の葉と宿り木の枝だけでも相当高額な素材なのに、更に別の素材も必要なんだな。


 出会った時のリュートは、世界樹の護りはそこまで貴重なものではないと言っていたけど、盗んででも売り払う価値は充分にありそうだ。



 他人とあまり関わってこなかった当時のリュートにとっては、エルフ全員が身につけているありふれた装飾品という感覚だったのかもしれない。


 実際は希少性と性能も相俟って、1億リーフ積んでも不足してるくらいの価値なんじゃないか?



「ダンさんも知っての通り、世界樹の護りは個人専用のアクセサリーだろう? だから製作の際に、装備する人の体の一部が必要なんだ。血液だったり髪の毛だったり、材料は何でも良いんだけどね」


「へぇ~、作成時に使用者を個人登録出来ちゃえるんだ? 武器とかにも使用制限を設けられたら管理がラクになりそうだ」


「はは。世界樹の護り以外に試した事はないから、他の装備品で同じことが出来るかは分からないよ? それにアウターレア製の武器は人の手で作りだすことが出来ないしねぇ」



 そっか。最高品質のアウターレア製品はドロップ限定だから、後から使用者制限を付与することは出来ないのか。


 インベントリのおかげで装備品の管理は簡単な世界だし、アウターレアに適用できないならさほど意味が無い技術かな。



「それじゃダンさんは素材の調達を頼むよ。本人を連れてくる必要は無いからね」


「了解。髪の毛でも貰ってくるよ。量はどのくらい必要なのかな?」


「少量で大丈夫。装備品の性能に影響が出るものじゃないからね」



 ふむ。具体的な量を知りたいところなんだけど、この言い方なら本当に少量で大丈夫そうかな?


 アウラの髪を切っておいて、やっぱ足りなかったからもっと頂戴! って展開はなるべく避けたいところだ。



「リーチェは私と共に製作の準備をしてもらうよ。私に出来るのは人を紹介してあげることだけなんだけどね」


「ありがとうライオネルさん。母親となったエルフとして、世界樹の護りの製法をしっかりと受継いでくるよ」



 リュートは決意に満ちた眼差しでライオネルさんに感謝を告げている。


 子供を産ませてあげることは出来ないけれど、彼女を母親にしてあげることは出来たみたいだ。



 なら俺だって、リュートの夫として妻を支えてやらないとな。


 リュートとアウラを本当の親子にしてあげるために、ちゃちゃっとおつかいを済ませるとしよう。



 リュートのことはライオネルさんにお任せして、俺は最後の素材を調達する為にパールソバータに転移するのだった。

※こっそり設定公開


 世界樹の護りには、生成した時点で全状態異常耐性大効果スキルが付与されています。ですがこれはエルフ族以外には殆ど知られていません。全状態異常耐性大効果スキルが付与された装備品など、本来ならいくらお金を積もうが入手することが出来ないほどの価値を持っているのですが、その辺に疎いリュートやスキルジュエルの価値を過小評価しているダンなのでこんな評価になっております。

 世界樹には元々サンクチュアリに似た清浄化効果が備わっており、アウターである宿り木の根の魔力吸収性も合わさって、異常な魔力を除去し所有者の状態を正常化する、というアクセサリーになるようです。

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