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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚3 エルフェリアで過ごす夜
533/637

533 神話

※R18シーンメイン回です。

 該当する表現を大幅に(1000字程度)カットしております。

 ニーナとティムルを押し倒すと、他のみんなも寝室にやってきてくれる。


 けれどみんなと寝室での時間を過ごすのは良いんだけど、俺はちょっとだけ困ってしまった。



 今日はみんな頑張ってくれたし、あげなきゃいけないご褒美の量も膨大だ。


 ターニアにもエマとラトリアにもいっぱい愛して欲しいと言われている。


 その上でエロシスターによる神話の講義まであるなんて、今日のベッドの上は忙しすぎるんですけど?



「んー。ニーナ、ティムル、大好きぃ……」


「ふふ。今日は甘えたい気分なのー? いいよー。いーっぱい甘やかしてあげるのっ」


「あはーっ。ダンは甘えん坊さんねー。私たちもダンのことが大好きよーっ」



 しかもそんな時に限ってみんなが愛おしくて堪らなくなって、ゆっくり愛し合いたくなるんだから困ったものだ。


 明日も休みってわけじゃないから愛し合える時間は限られているのに、大好きなみんなの意識を飛ばしてしまうのが勿体無くて仕方ない。



 みんなとたっぷりじっくりねっとり時間をかけて愛し合いたい。


 だけど頑張ってくれたみんなには出来るだけ沢山ご褒美をあげたい。



 相反する2つの想いに頭を悩ませながら目の前のニーナとティムルに甘えていると、やはりニーナは俺の頭の中を完璧に把握してしまったようだ。



「どうしようティムル。ダンはすっごく甘えたい気分なんだけど、みんなのことも滅茶苦茶にしてしまいたい気分みたいなの」


「あはーっ。それってどんな悩みなのよぉっ。ダンっ、貴方面白すぎるでしょーっ」



 ティムルにぎゅーっと抱き締められていると、他のみんなも続々とベッドの上に上がってきたのが感じられる。



 うう、このまま一生ティムルのおっぱいに顔を埋めていたいのに、他のみんなのことも愛してあげたい……。


 俺はなんて無力なんだ……! 愛するみんなを心行くまで愛してあげることが出来ないなんて……!



「ああっ……! ティムル、ダンがなんか凄くどうでもいいことで深刻に悩んでるのっ! 何かいい案は無いかなっ!?」


「私たちはダンに愛してもらえればそれだけで幸せなのに、ダンは頑張ろうとしすぎなのよー? でも、そうねぇ……」



 俺の頭を優しく撫でながら、エロ参謀殿が作戦立案に乗り出してくれた。


 参謀殿が動いてくださるなら、我らの勝利は確定したも同然ですっ。



「確か今日は、ニーナちゃんとムーリとターニアさんをひと晩中可愛がってあげるって約束してたわよね? だから始めは3人に任せていいかしらぁ?」


「ええ……。それは良いんですけどぉ……。私、隅々まで調査してもらう約束だったんですけどぉ……」



 ああ、そう言えば獣人族の括りで楽しもうとか思ってたんだっけ。ヴェノムクイーン戦が二転三転しまくってすっかり忘れてたなぁ。



 ムーリはそれだけじゃ不満だって?


 相変わらずのエロシスタームーリはこれから神話の講義もあるんだから、ちょっとは自重してくれないかなぁ?



「ムーリは今夜神話についても教えなきゃいけないでしょ? 教え終わってから思いっきり滅茶苦茶にしてもらいなさいな」


「あー……。確かに授業が終わるまでは意識を飛ばされると困っちゃいますね……」


「それじゃムーリとターニアさん。ダンを抱きしめてあげてくれる? 私は一旦離れるからねー」



 えっ!? ティムル離れちゃうの!? やだやだっ!


 ティムルとニーナを抱き寄せる力を強くし、離れていこうとするティムルに全力で縋りついた。



「あはーっ。大丈夫よダン、ちゃぁんと私もみんなも気持ちよくなれるようにするからね。いい子だから一旦離してくれる?」



 俺の頭に何度も優しくキスをしてくれるティムル。


 その感触になんだか酷く安心して力が抜けてしまう。



 そんな俺の頭を持ち上げたティムルは、俺の腕をゆっくり振りほどいて離れていった。


 そんな彼女を寂しいと思う間も無く、ターニアとムーリが迫ってきた。



「さーダンさんっ! 約束通りいーっぱい可愛がって欲しいのーっ!」


「私のことも好きにしていいですけど……。お、お話の間は手加減してくださいね?」



 手加減って言うならこっちが手加減して欲しいよっ。みんな大好きーっ。


 ムーリはお話の間にいっぱい悪戯をして欲しいということなので、あとで沢山可愛がってあげるからね。



「あとラトリアさんとエマは今夜いっぱい愛してもらうって話だったから、ダンの両側に寝てもらっていいかしら?」


「了解……ですけど、それだけはちょっともの足りないかもしれませんねぇ」


「勿論交替は挟むわよっ。ムーリだって悪戯だけじゃ満足できないからねっ」


「なななっ、なんで私をいちいち引き合いに出すんですかーっ!? 満足できないのはみなさんだって一緒でしょーっ!?」



 ムーリのツッコミをスルーして、ラトリアとエマが両側から抱き付いてくる。


 正面から3人におっぱいプレスを受けて、両腕にラトリアとエマが収まって、ぶっちゃけもうスペースが無い気がするんだよ?



「ダンはまず5人をしっかりと可愛がってあげてね? 残った5人でダンのことを可愛がってあげるからねー」


「うっ、おおおっ……!?」



 ティムルに言われた通りにくっついている5人に悪戯をしていると、頭が真っ白になるような会館が届けられる。



「ダン。ムーリのお話が終わるまで、お話の邪魔にならないように他のみんなでゆっくり静かに愛してあげるからね。貴方は5人を可愛がりながらムーリの話を聞いてあげて」



 ティムルの言葉通り、声を発することなくゆっくりした動きで俺を刺激してくれるフラッタ。


 他のメンバーも俺の体の至るところにいたずらをし始めた。



「それじゃムーリ。ダンに話をしてあげてねー? 貴女は話が終わるまでそのままだからね?」


「ううう……。みなさん私を淫乱扱いしてぇ……。私がえっちなのはダンさんだけにですからねっ!?」



 くっ! エロシスターも言葉責めしてきやがってぇ!


 講義中の悪戯なんて待ってられるかっ! エロシスタームーリにダイレクトアタックだ!



「そのままいっぱい悪戯しててくださいねー? やめたら私もお話止めちゃいますからねぇ……?」



 ちょっ!? お話し中は手加減しろとか言っておきながら、悪戯しないと話してあーげないっ! とかどんな心境の変化だよっ!?



 でも神話の話を聞かなきゃいけないから、話が終わるまではずーっとムーリを可愛がらざるを得ないな。


 仕方ない。これは仕方ないことなんだ。



「それじゃお話ししますねぇ? 3人の女神がこの世界を人の住める世界に作り変えた、変世神話を」


「変世神話? 創世じゃなくて?」



 ムーリが語ってくれたこの世界の成り立ちの神話に耳を傾ける。



 この世界は、神や人が訪れる前から既に存在していたとされている。


 正式な名前みたいなものは無いけれど、便宜上『原界』などと呼ばれる、生物の住めない世界だったそうだ。


 そこに『原初の3女神』と呼ばれる3人の女神が訪れるところから神話がスタートする。



 光すら無かった暗闇の世界を照らしたとされる、光華の女神『ミルザエシス』。


 この世界に訪れた人々に生きる知識を与えたとされる、啓蒙の女神『コルモマエサ』。


 この世界の祝福全ての元である魔力を異界から呼び込み、そして受け止めたとされる、抱擁の女神『イザラカルタ』。



 この3女神によって原界は人の生きられる世界として調整され、作り変えられたとされている。


 だから創世じゃなくて変世神話ってわけね。



「なるほど……。ノーリッテが言っていた『この世界の住人全てが元は異世界人』っていう情報とも合致するね。ちなみに他にも神話ってあるのかな?」


「無くはないですが、他の神話は懐疑的な意見も多いですかねー? 神格化されている英雄譚もいくつかありますが、それらは実在の人物を元にしたとされていますし……」


「その3女神は実在した人物とは思われてないの? トライラム様がエルフだった可能性があるみたいにさ」


「……正直私にはなんとも言えないところですね。トライラム様がエルフだという話も、ダンさんと出会っていなかったら信じられなかったと思いますし」


「う~ん。そりゃそうかぁ……」



 トライラム様エルフ説って俺の中ではもう確信に近いものを抱いているけど、トライラム教会のシスターであるムーリにはまだ受け止めきれていないのかもしれない。



 というか神話の真相を暴くって、地球でも嫌われそうな行為ではあるね。


 それを魔法も奇跡もあって信仰心の強いこの世界でやっちゃうのは、今にして思えば結構危うかったかなぁ。



「ムーリってトライラム教会のシスターなわけだけど、トライラム教会では変世神話の扱いってどうなってるの? 3女神を崇拝してると異教徒とかって弾圧されたりはしないの?」


「しませんよ? 変世神話があって、その後にトライラム様が祝福を授けてくださったというのが教会の認識ですからね。むしろトライラム教会の関係者は原初の3女神も信仰しているはずですね」



 安定のトライラム教会……と言いたいところだけど、そもそも別の宗教という認識じゃないんだな。


 この世界を作り変えたのが原初の3女神で、職業の加護を齎したのがトライラム様という風に、同じ宗教内での別チャプター扱いって感じなのか。



「ヴェルモート帝国ではトライラム教会が無い街もあるそうで、そういうところでは原初の3女神を崇拝するサーディユニオム教という教えが広まっているそうですよ」


「トライラム教会とは何が違うの? トライラム教会と対立したりはしてないの?」


「対立は、してないです。ただサーディユニオム教のみなさんはぁ……! トライラム様を、あまり重要視してっ、ないみたいなんでっ、すぅぅ……!」



 それって対立してないんじゃなくて、トライラム教会側が相手にしてないから平和なだけなんじゃないのかな?


 平和であるに越した事はないけどさ。



 さて、ムーリのお話し中に下半身担当の5人はすっかりお腹いっぱいになってくれたようだし、おっぱい担当だった5人のこともお腹いっぱいにしてあげたいし、そろそろ神話の授業は切り上げようかな。



 しかし原初の3女神かぁ……。嫌ぁなフラグが立ちませんでしたかねぇ……?



 光を連想させる光華の女神ミルザエシス。


 知識を連想させる啓蒙の女神コルモマエサ。


 魔力を連想させる抱擁の女神イザラカルタ。



 ……それってさぁ。


 光り輝く始界の王笏、この世の全てに答えるという識の水晶、異界から魔力を引っ張ってくる呼び水の鏡のことじゃないのかぁ……?



 確かヴァルゴと対峙した先代メナスのゼノンとかいう槍使いは、神器レガリアは天地開闢の時から存在していると言っていたそうだし、この世界の始まりが創世ではなく変世であるなら、その情報にも偽りはないと言えるんだよな。



 でもレリックアイテムって、神がこの世に齎したマジックアイテムって認識なんだよなぁ。


 すると神器レガリアの上に、それを作り出した者が存在するって事になるのか?


 それともレリックアイテムの中でも、神器レガリアは別格扱いなんだろうか?



 原初の3女神と色々重なる神器レガリア。


 その3つを所有してしまっても本当に大丈夫なんだろうか?



 そう言えば神器は自らの意志を持ち、所有者を選定するみたいなことを言われた気がするなぁ。


 神器の中に入ってる意思って、まさか原初の3女神だったりしないだろうなぁ?



 古の邪神ガルクーザにも対抗できるようにと腕を磨いているつもりだけど、もしかしたらそれよりも更に高位の存在が表れる可能性があるのかもしれない。


 もしも職業補正や魔力を奪うような存在と敵対しなきゃいけなくなったら……。



 いや、流石にどうしようもないよなぁ?


 魔力と職業の加護が無くなったら、俺ってただの一般人だしねぇ。



 まぁでもトライラム様に限らず、この世界の神様には割と良い印象しか抱いてないからな。神様と対峙するような事は無いと思いたい。


 こんな恐ろしい想定はポイーッと投げ捨てて、5人を全力でいっぱいに可愛がってあげるとしますかねーっ。

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