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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚2 聖域に潜む危機
505/637

505 ダブルス

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

「うんうん。みんなの探索も順調みたいだね」



 聖域の森でみんなと合流すると、ムーリたち探索組の居た場所は既に森の中央地帯にかなり近い場所だった。


 ティムルの見立て通り、この分なら明日中には聖域の中心に辿り着けそうだ。



「あっ! ダンなのじゃーっ!」


「おおっとぉ!」



 俺の転移にいち早く気付いたフラッタが、武器を放り投げて抱き付いてくる。


 フラッタがプレートメイルを着こんでいなかったおかげで、衝突ダメージは無かったぜ!



 俺の胸に飛び込んできたフラッタを、ニーナとティムルとリーチェの3人と一緒に徹底的によしよしなでなでの刑に処する。



「うにゅにゅ~!? み、みんなどうしたのじゃ~?」


「気にしない気にしない。それよりお疲れ様フラッタ。今日はなんだか凄くご機嫌だね?」


「そうそう、そうなのじゃっ! ダンに聞いて欲しいのじゃっ! ヴァルゴとの手合わせも楽しかったし、アウラも随分と強くなっておるのじゃよ! 将来が楽しみなのじゃーっ!」


「絶対嘘だーっ! フラッタママにもヴァルゴママにも、まったく手も足も出なかったよーーーっ!?」



 フラッタの評価に、大の字に倒れていたアウラがガバッと体を起こして抗議の声をあげる。



 いやぁ流石に今のアウラがフラッタとヴァルゴに対抗するのは無理だってば。


 でもフラッタがご機嫌だから、アウラが成長してるのは間違いないと思うんだよ?



「ダンっ! 妾、ご褒美が欲しいのじゃっ! ダンにお願いがあるのじゃーっ!」


「フラッタは可愛いなぁもう。お願いってなぁに?」


「今日はすっごく楽しかったから、妾、ダンとも手合わせがしたいのじゃっ! 妾と剣を交えてくれぬかのぅ!」



 俺に抱きついたままで、赤い瞳をキラキラと輝かせたフラッタがお願いお願いと俺を見上げてくる。


 その可愛いフラッタをよしよしなでなで……しようと思ったら、周りの3人が滅茶苦茶にしていたので俺の出番が無いな?



 世界一可愛いフラッタだけど、やっぱり世界一脳筋なルーナ竜爵家の令嬢なんだなぁ。


 ご褒美が俺との手合わせとかどこの戦国武将だよ? 妾より強い奴に会いに行く的な?



 可愛いフラッタがニーナたちに揉みくちゃにされているところを眺めてると、これまたニコニコしたヴァルゴが話しかけてくる。



「済みません旦那様。フラッタに便乗というわけではありませんが、出来れば私とも手合わせ願えますか?」


「ヴァルゴも? いや勿論構わないけど、ご褒美が手合わせでいいの?」


「私の目標は旦那様を超えることですからね。やはりその目標である旦那様に直に相手をして頂けるのはありがたいのです」



 ヴァルゴに目標とされるのは光栄なんだけど、同時に少しバツの悪さも感じてしまうんだよなぁ。


 物心ついた時から苛酷な環境に身を置き、命懸けで磨いてきたヴァルゴの槍と比べて、俺の剣は職業補正でラトリアの剣術をパクっただけだから。



 きっとヴァルゴは、その職業補正も込みで俺の強さだと認めてくれているんだろうけれど。



「あ、ちなみに私は、昨日今日と2日分のご褒美を所望しますよ?」


「ははっ。ヴァルゴはちゃっかりしてるなぁ。俺としてはベッドの上でご褒美をあげたかったんだけど、そんなに俺との手合わせが好きなんだ?」


「そんなの好きに決まっておろーっ! 妾もダンと剣を交えるのが大好きなのじゃっ! あれは完全にご褒美なのじゃーっ!」


「うんうん。ぼくもフラッタの言ってることは分かるなーっ。肌を重ねるのもいいんだけど、剣を交えると魂がぶつかり合うって言うかさーっ」



 あら。我が家の武力担当の2人だけじゃなく、エロ神リーチェも手合わせをお望みかな?



 フラッタとリーチェの2人には、剣に乗せて大好きな気持ちを届けまくってたからなぁ。


 下手をするとベッドの上でするよりも沢山、剣に乗せて愛を伝えたかもしれないね。



「それじゃディロームの集落に戻ってみんなの転職を済ませたら、希望者とは手合わせをしようか。今日はいつもより早い時間だしね」



 まだ探索を続けてもいい時間だけど、今切り上げても明日中に聖域の中心に着くのは変わらないだろう。


 ならここはみんなの要望に応えて、みんなと手合わせする時間に充てようじゃないか。



 ……探索を長引かせて、寝室で過ごす時間を減らしたくないですしおすし?



「ヴァルゴ。アウラの職業浸透は終わってると思うけど、キュールさんやチャールたちの方はどう?」


「皆浸透しておりますね。究明の道標の3人は勿論、ムーリ、ラトリア、エマの3人の魔導師は浸透しましたよ。残念ながらターニアの魔導師は浸透できておりませんが」


「ターニアは魔導師になったばかりだから仕方ないね。報告ありがとう」



 今日1日の引率と報告のお礼を兼ねて、ヴァルゴにちゅっと口付けをする。



 しっかしムーリって、既に魔導師まで浸透が終わってるんだなぁ。


 最早トライラムフォロワーでムーリに勝てる奴、1人も居ないんじゃないかぁ?



 魔導師の浸透まで終わっているなら、ムーリたちももう奈落で職業浸透させた方がいいかもしれないなぁ。


 あそこなら神鉄装備素材もスキルジュエルも稼げるし、イントルーダー戦を視野に入れるなら良い稼ぎ場なんだよね。



 ま、そんなことは聖域の調査が終わってから考えよう。


 今はさっさと帰って、色々な意味でみんなの相手をしないとな。



「アウラもおいでー。帰るまでぎゅーっとしてあげるから」


「……はぁいパパ~」



 未だに悔しそうに地団駄を踏んでいたアウラをこちらに呼ぶ。


 呼ばれたアウラはちょっと複雑そうな表情をしながら、それでも大人しくフラッタと一緒に俺の胸に収まってくれた。



「う~っ! そりゃママたちに勝てるとは思ってなかったけどぉ~っ! 悔しい悔しい悔し~っ!」


「その悔しいって気持ちがあるならアウラは強くなれるよ。でも気持ちが昂ぶって収まらないなら、アウラとも手合わせしよっか。今のアウラの悔しい気持ち、パパに全部ぶつけてくれていいからねー?」


「う、う~ん……。パパの方が凄いって言われてるから微妙なんだけどぉ……。でもうん、お願いしようかな」



 おや? フラッタとヴァルゴに何か言われたのかな?


 でも個人的には剣の腕を褒められるより、ベッドの上のパパは凄いって言われる方が嬉しいかなー?



 そんな馬鹿なセリフはギリギリ喉元で飲み込みつつ、アウラとフラッタを一緒に抱き締めたままディロームの集落に転移した。





「それでは旦那様。ちょっと師匠に話を通して参りますね」



 全員の転職を済ませる間にヴァルゴに場所を手配してもらって、せっかくなので守人たちに俺達の手合わせを見せてあげる事になった。


 ディロームの集落ではヴァルゴやカランさんとも良く手合わせしてるから、周りに気を使わなくていいのが楽だ。



 さてと、ヴァルゴが戻ってくる前にみんなの転職を済ませちゃわないと。


 今回職業が浸透したみんなは、次はどの職業に進みたいのかなー?



「私は職人になろうと思ってるよ。向いていない戦闘よりも、パーティのサポート役に徹したいんだ。インベントリや生産職でチャールとシーズを支えたいなってね」


「パーティのサポート役なら、支援魔法士や探索魔法士の方がいいんじゃない? 職人ルートからでいいの?」


「魔法使い系の職業は結局戦闘職だからね。2人に任せるつもりなんだ」



 魔法使いを浸透させたキュールさんは、意外な事に生産職へ進むことを希望した。


 てっきり触心のために魔力補正を優先していくんだと思ってたのにな~。



「究明の道標は人数が増えるか分からないでしょ? だから1人はインベントリを優先するメンバーが必要だと思う。それに生産職を浸透させると持久力にも多くの加護が得られるっていうじゃないか。体力の無い私にとって、日常生活にも恩恵が大きそうだと思ったのさ」


「私達は勿論魔法使いになるわっ! 魔力枯渇は昨晩経験したのでバッチリよっ!」


「キュールさんがサポートに回ってくれるから、俺とチャールはそのまま戦闘力を優先してあげていく予定なんだ。色んなところを歩き回りたいなら、やっぱ戦闘力も疎かにできねぇからさ」



 キュールさんの希望は意外だったけど、チャールとシーズは割とスタンダードな選択だった。


 パーティメンバーの編成まで考えた選択みたいだし、どうやらきちんとパーティ内で話し合いが出来ているようだ。



 魔法使いを浸透させたキュールさんが職人に、修道士を浸透させたチャールとシーズは魔法使いに転職した。




 職人 最大LV30

 補正 身体操作性上昇-

 スキル 五感上昇-



 魔法使い 最大LV30

 補正 魔力上昇-

 スキル 初級攻撃魔法




 守人の集落は転職魔法陣が充実してるから楽だなぁ。


 充実してると言っても、マグエルやスペルディアも同じ程度には充実してるんだけどさ。



「アウラは荷運び人からそのまま飛脚に行くとして……。ムーリたちはどうするの?」


「私は逆に荷運び人にしてもらえますか? 私はみなさんと比べて敏捷性補正が足りていないように感じるので、私も飛脚まで浸透させておきたくて」



 ムーリは荷運び人希望ね。了解だよーっ。



 ……今のムーリって、竜爵家でラトリアと手合わせした時の俺より絶対強いよな?


 魔導師も浸透済みだし、アウターエフェクトをソロで撃破出来る実力者だと思うわぁ。




 荷運び人 最大LV50

 補正 持久力上昇+ 

 スキル インベントリ 所持アイテム重量軽減+



 飛脚 最大LV50

 補正 持久力上昇+ 持久力上昇 敏捷性上昇+ 敏捷性上昇

 スキル インベントリ




 アウラとムーリの転職はこれでオッケー。


 それで、ラトリアとエマはどうするのかなっと?



「エマと話し合ったんですけど、私たちは職人から付与術士の浸透まで目指そうと思ってるんです」


「へぇ? ラトリアたちが生産職を極めるの? ちょっと意外かも」


「ふふ。私達の目当ては生産職の職業補正の方ですけどね? ダンさんやフラッタの剣についていくためには、敏捷性補正だけ積んでも意味がありませんから」



 ああ、累積した敏捷性補正を最大限に活かすためには、生産職の五感と身体操作性補正も絶対に必要だからねぇ。


 生産職を極めることで更なる剣の高みを目指すのか。そう考えるとラトリアたちらしい。



 なんて感心していると、こそこそっと近づいてきたエマが、少し恥ずかしそうに俺に耳打ちしてくる。



「それに……職人系の職業を極めると今まで以上に気持ちよくなれるって聞いたので……。私もラトリア様も、ダンさんにもっともっと愛してもらいたいから、生産職を浸透させようって……」



 う、うおおおおお!? ま、まさかのエマからえっちなお誘いキターっ!?



 よしきたぁ! 聖域の樹海の調査なんてさっさと終わらせて、次は奈落の最深部で一気に職人を浸透してもらおう!


 そして元々過敏な竜人族の2人を、もっともーーっと敏感にして差し上げないとなぁぁぁぁぁっ!?



 ちなみにLV1から本日の探索を開始していたターニアの魔導師は、今日1日の探索でLV26まで上がっていた。





「転職は終わったかな? それじゃ早速手合わせを始めよっか」



 全員の転職を済ませたら、集落の広場でみんなと手合わせだ。


 ちなみに究明の道標の3人は、実力不足を理由に見学を希望した。



 1人1人相手をすると流石に時間が無いということで、アウラ・リーチェペア、ムーリ・ターニアペア、ラトリア・エマペア、ニーナ・ティムルペア、フラッタ・ヴァルゴペアの順で手合わせする事になった。


 って、結局全員かーい? まぁまぁ時間かかりそうだなー。





「おっとと。リーチェはあらゆる意味でいやらしい女だなぁ!」


「ふふーんだっ。ダンにいやらしいって言われても、もう褒め言葉にしか聞こえないよーだっ」



 褒め言葉にしか聞こえないって言うか、実際心からの賛辞だからなっ。



 初戦のアウラとリーチェのペアは、身体能力を活かした思い切りの良いアウラの動きを、エストックと弓でリーチェが的確にサポートしてくるという、2人の能力が上手く噛み合った面白いペアだった。


 しかし手合わせを終えたアウラは、なんだか納得いかない様子で何度も首を捻っている。



「う、う~ん……? パパとの手合わせはフラッタママやヴァルゴママの時よりも手応えを感じるのに、あの2人以上に追いつける気がしないよ~?」


「俺とあの2人の技術はまた別だからね。アウラはまだその違いを感じ取れてないだけさ」


「視界外からの弓にも的確に反応されて嫌になっちゃうねぇ。風に頼んで矢や剣の風切り音だって消してるのにさぁ」


「俺相手に精霊魔法まで使ってくるリーチェの殺意の高さに驚くんだけど? ま、今の俺の五感補正を駆使すると、風によって音が消された事の違和感だって感じ取れちゃうからね」



 2人にお疲れ様のキスをして、次の手合わせに移行する。



 2回戦のムーリとターニアのペアは、ヴァルゴに槍を借りて槍で手合わせをすることにした。


 久しぶりの槍だったけど、あえて槍で手合わせしたことで2人の槍の上達振りを体験できるのが楽しい。



「う~! 私のおっぱいを凝視しているくせに、なんで槍には一切のブレが無いんですかぁっ! な、納得がいきません~っ……!」


「槍を振るうのと同じくらいの集中力と熱意を持って、真剣にムーリのおっぱいを凝視しているからね。槍にもお前のおっぱいにも失礼な事をするわけにはいかないよ」


「ヴァルゴちゃんと遜色無い技術なのに、カランさんみたいな槍だよねーダンさんの槍って。槍への熱意を感じないのに、その水準の技術を修めてるのは異常すぎるのー」


「俺は戦士でも武人でもないからね。剣も槍も家族を守る手段の1つでしかないだけだよ」



 やっぱり2人にもお疲れ様のキスをして、2人との手合わせを終了した。



 3戦目のラトリアとエマは、竜人族の強靭な身体能力と長年一緒に戦ってきた熟練の連携、そしてこの世界最高峰の剣術という3つの要素が絡み合って、凄まじい戦闘力を発揮してきた。


 しかも後半は2人とも竜化して、その強靭な身体能力を更に超強化してくるのだから手がつけられないね。



 この2人なら、既にイントルーダーを撃破することも可能なんじゃないかなぁ? 不安なのは耐性スキルの不足くらいか?



「う~! 初めて剣を合わせた時よりも、ずっと差が広まっちゃっている気がするよ~っ! ダンさんは強くなるのが早すぎるんですぅ~っ!」


「いやいや、俺とラトリアの差は職業浸透数の差だと思うよ? 俺はこれ以上職業浸透を進める予定は無いから、今後は差が埋まる一方じゃないかなー?」


「嘘だーっ! ダンさんと私の差が職業補正だけの訳がないじゃないですかーーっ!」



 駄々っ子と化した42歳のラトリアが、お疲れ様と唇を重ねた途端に大人しくなるのは堪らないなぁ。



「改めて意識すると、ダンさんの動作の精密性には息を飲みます。これが身体操作性補正の恩恵なのですね。まさか生産職に剣術上達の道があるなんて……」


「職業補正の祝福はありとあらゆる場面で恩恵を齎してくれるんだよ? 戦闘職の補正だって寝室で大活躍してくれてるでしょ?」


「ふふっ。なら生産職の浸透を始めたので、今後の夫婦の時間が楽しみですね?」



 エマらしくない妖艶な笑顔を浮かべながら、お疲れ様ですと口付けしてきてくれるエマ。


 遠慮がちな侍女のエマがどんどんえっちに積極的になっていく様は、なかなかの興奮と感動を覚えてしまうねぇっ。



 4組目はこの世界に来てから俺と一緒にずっと戦ってきてくれた、懐かしのニーナとティムルペアだ。



 2人ともダガー二刀流で、職業補正も俺と大差が無い。


 そのせいか種族的な肉体の性能差を感じずにはいられないなぁ。



 途中から獣化したコンコンニーナは獣化している癖に狡猾で、わざと狐耳をぴょこぴょこ動かして見せたり、俺の目の前でしっぽをモフモフと振って見せたりして俺の意識を逸らしてくる。


 って、そこでニヤニヤしてるお姉さん! お前が黒幕かーーーっ! グッジョブでーす!



「あははっ! 私とティムルでダンを圧倒できてたなんて嘘みたいなのっ! でもすっごく楽しかったーっ!」


「んもー、ニーナってば半分遊んでたでしょー? でもニーナに対人戦の技術なんて無くていいからねー。多分対魔物戦闘力なら俺よりも高いと思うしさー」


「流石にそれは無いから」



 ティムルお姉さんってば、いきなり真顔でツッコミを入れてこないでくれるかなー?


 そして周りのみんなもうんうんとティムルに同意を示すのは止めて欲しいなー?



「対人戦も対魔物戦もダンが断トツで最強だからね? 私達全員が束になっても敵わないのは、なにもベッドの上だけじゃないからね?」


「俺こそみんなには参っちゃってるけどね? ま、これでもニーナとティムルを守りたくて力を求めたんだ。お前達を守るためにはまだまだ負けてやれないよ」



 勿論ベッドの上でも負けてあげないからねとキスをして、コンコン狐っ娘ニーナと碧眼ティムルを解放する。


 そして最終戦は我が家の戦闘力担当である、無双将軍フラッタと護り手ヴァルゴのペアだ。



「いっくのじゃーーーっ! 妾の剣、ダンに受け止めて欲しいのじゃーーーっ!」


「ムリムリムリぃっ! ドラゴンイーターを正面から受け止めたらミンチになっちゃうからねっ!?」



 2人とも初っ端から竜化と魔迅を発動して、どう見ても俺を殺す気満々だ。


 それでもなんとか対応していると、2人ともなんの躊躇いもなくオーラとダークブリンガーまで発動してきて、ぶっちゃけノーリッテが用意したオリジナルイントルーダー3体を同時に相手取った時よりよほど手強いんだが?



 って、ちょーーーっ!? フラッタってば、なにドラゴンイーターに竜化の魔力込めてんの!?


 流石にここでアズールブラスターを撃つのはヤバ……って、ヴァルゴもウルスラグナの発動準備に入ってんじゃねーーーっ!?



 2人が技を発動する前に職業補正を最大駆動し、フラッタとヴァルゴを抱き寄せて全力でキスをお見舞いする。


 しかし2人は俺のこの行動を読んでいたらしく、即座に武器を放り投げてキスに応じて来やがった。



 お前ら、ひょっとして今のってブラフだったのかよっ!? こんな素敵なブラフならこっちも大歓迎ですけどねー!



「好きぃ。大好きぃ。ダン、大好きなのじゃぁ」


「フラッタ落ち着いて? 今って魔人族の前で手合わせしてるんだよ? フラッタの相手をするのは大歓迎だけど、えっちなフラッタを俺以外の男には見せたくないんだよ?」


「旦那様ぁ。お慕いしておりますぅ。ヴァルゴは切のうございますよぅ」


「ヴァルゴもストップストップ! あとで思い出して悶絶する奴だから! お前自分の故郷で痴態を晒したら絶対後悔するからねっ!?」



 だ、だめだ! 2人とも全く話を聞いてくれない……!


 2人ともぐいぐいと体を擦りつけながら唇を突き出して、涙目上目遣いでキスをねだってくるよぉ!



 くっ! 滅茶苦茶可愛いしこの場で押し倒したい……!


 けど2人のエロい姿は俺が永久に独占すべき資源なのだ! このままここで続きをするわけにはぁっ!



「ごめんニーナ! あと任せちゃっていいかな!? 俺達先に別荘に行ってるからぁっ!」


「了解なのーっ。チャールたちを送ったら食事を持って直ぐに合流するから、ダンはめいっぱい楽しんでねっ」



 サンキューニーナ司令官! 殿(しんがり)はお任せしますぅぅぅ!


 フラッタとキスしたままアナザーポータルを詠唱し、ヴァルゴとキスしたままポータルを詠唱して、一気に別荘まで転移する。



 今更後悔したって、もう許してやらないぞぉっ! 2人とも大好きーーーっ!

※こっそり捕捉。


 真面目に槍の鍛錬を続けているムーリは確かに腕を上げておりますが、流石にダンの評価は過剰すぎます。トライラムフォロワーの中にムーリを倒せる相手は居ないのではないか? という評価は妥当ですが、自分と比べた時の評価がポンコツ過ぎています。

 これはムーリを過大評価しすぎていると言うよりは、自分自身を過小評価しすぎていると言った方が正しいかもしれません。


 魔導師を浸透させて槍も上達してきたムーリは、ターニアと一緒であればアウターエフェクトの撃破も可能だと思われます。ですがダンのように死線を掻い潜ってきた経験の無いムーリは、アウターエフェクト戦で実力を遺憾なく発揮するのは少し難しいかもしれません。

 ダンはフラッタとリーチェを家族に迎えると決めた後は、自分の実力を遥かに超えた場所にいち早く辿り着かなければいけませんでした。その強い焦燥感や様々な体験が彼の感情を大きく揺さぶり、限界以上に職業補正を引き出す術を習得する事になりました。


 槍を握った後のムーリは幸せいっぱいで、過去への後悔はあれど、力への渇望度はさほど高くありません。なのでまだムーリ単独でアウターエフェクトを撃破するのは難しいと思われます。

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