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【全年齢版】異世界イチャラブ冒険譚  作者: りっち
7章 家族みんなで冒険譚2 聖域に潜む危機
489/637

489 努力

※R18シーンに該当する表現をカットしております。

 キュールさんとの話し合いを切り上げた俺達は、サクッと入浴して直ぐに寝室に向かった。


 明日から始める本格的な調査を前に、疲れなんか残すわけにはいかないからね。たっぷりじっくり英気を養わないとっ。



 明日に疲れを残さない為に、ゆっくりとフラッタとヴァルゴを可愛がる。



「2人ともお疲れ様。稽古をつけた感じはどうだったのかな?」


「流石にチャールとシーズはまだまだ鍛錬が足りませんが、他のみんなは何の不安も無い感じですね。ムーリも魔法を使わずともラトリアたちについていけると思いますよ」


「全体的に何の問題も無いのじゃが、アウラの扱いには少し困っておるのう。妾の手には余るかも知れぬのじゃ」


「手に余る? 教え上手のフラッタにしては珍しい評価だね?」



 小さなフラッタを撫でるつもりで優しくゆっくりと抱き締める。


 優しい抱擁にくすくすと笑うフラッタのもちもちほっぺたに、ちゅっちゅっとキスを繰り返す。



「アウラは真面目だしやる気もあるのじゃがな。強さを求める衝動のようなものが欠けておるのじゃ」


「強さを求める衝動……?」


「ダンは妾たちを助けようとして、凄まじい速さで強くなってくれたじゃろう? アウラは逆で、頼れる家族に守られている状態なのじゃ。だから強さを求める動機が無いのじゃ」


「それにアウラの才能と資質は群を抜いていますからね。下手に我らの技術を伝えると、アウラの強みを消してしまいかねないかと少し不安で……」


「なるほど。つまりアウラは、戦闘技術を修める必要が無いほどの才能の持ち主ってことかぁ……」



 不安げな表情のヴァルゴにもちゅっちゅっとキスを繰り返し、ヴァルゴの不安をゆっくり解していく。



「人間族だったダンは、その種族的な脆弱性を補う為に誰よりも強く強さを望んだであろう? アウラは逆でな。この世界の誰よりも強靭な肉体を持つからこそ、技術の重要性を本能的に理解できないのじゃよ」


「アウラの場合は下手に我々の常識に当て嵌めないで、強靭な肉体と複数の種族特性を使いこなす方が良いのではないでしょうか。旦那様の娘らしく、自分のスタイルを作りだす方が合っていると思いますよ」



 事ある毎に人間族さんの雑魚っぷりに辟易していた俺とは逆で、身体能力だけで敵を圧倒できているアウラには技術を身に付ける必要性を理解できないわけだ。



 確かにアウラはこの世界の誰とも違った戦い方が可能なんだし、独自スタイルを探っていく方がいいのかもしれない。


 究極的な話になるけど、突き詰めたアウラの真似を出来る人間は他には居ないのだから。



 ゆっくり丁寧に時間をかけて2人をいっぱい可愛がったあと、順番にみんなのことも可愛がる。


 何人かにはお仕置きを言い渡しておいたけどとてもそんな気分じゃなくなったので、負担がかからないように全員をゆっくり優しく愛してあげて、眠るまでよしよしなでなでしてあげた。



 みんながくぅくぅと寝息を立てている中で、魔力補充の必要性から毎回最後に相手することになるアウラの事を抱き締める。



「フラッタとヴァルゴの見立てを信用して、アウラはひたすら手合わせを繰り返そうか。技術が必要だと感じるまでは自由に戦ってみようね」


「う~。真面目に練習してるつもりなんだけどな~?」



 アウラが不満げに頬を膨らませる。


 その膨らんだほっぺにちゅっとキスをして、ご機嫌斜めの愛娘を宥めてあげる。



「アウラが真面目なことはみんな分かってるよ。アウラが悪いんじゃなくって、教える俺達のやり方がアウラには合ってないんじゃないかってだけでさ」


「んー……。でも私、パパにもママたちに全然敵わないんだよ? なのに訓練をしないなんてアベコベじゃないのー?」


「アウラ。努力する事は大切だけど、やり方が間違っていたら意味が無いんだよ?」


「へ? 努力に間違いなんてあるの?」



 俺の言葉が意外だったのか、キョトンとしながら俺に問いかけてくるアウラ。



 報われない努力があるなんてことは、ある程度生きていれば本能的に分かることだと思うんだけどね。


 実質10歳、満年齢ひと桁のアウラにはまだピンとこなかったか~。



「正しいとか間違いとかがあるんじゃなくて、自分の望む未来に繋がる努力かどうかって違いはあると思うんだ」


「えっと……。つまり、努力の種類が違う?」


「そうそう、種類の違いだね。何も考えずにただ努力をすれば誰しも望む未来を手に入れられたのなら、今頃みんな幸せになれてたと思うよ?」



 努力は必ず報われるなんて嘘っぱちで、努力は無駄にならないなんて言葉も嘘っぱちだ。


 実際に努力が無駄になることなんて当たり前のようにあって、現実に報われない努力はいくらでもある。



 成長するためには努力が欠かせない。だけど『努力』なんてひと言で括ってしまってはいけないくらいに、努力の内容は多岐に渡る。


 成功者になる為には、努力をする前に努力を選ぶ必要があるんだ。



「努力って歩みと似ていてね。積み重ねれば積み重ねるほどに努力した方向に進むことが出来るんだ。けれどこれは、人は努力した方向にしか進めないってことでもあるんだよ」


「……それって努力の種類が違うって言うよりは、努力の向きが違うって感じだね?」


「向き。そうそう、まさにその通りだよアウラ」



 凄いよアウラ。満年齢9歳のくせに努力の方向性に思い至るなんて、俺の娘って天才なんじゃないの? いやこの世界最高の天才なんだけど。


 正解者にはキスの雨を進呈してあげるよー。ちゅっちゅっ。



「努力には向き、方向性があるんだ。努力を積み重ねる前に、まずは努力の方向性を間違えないことが肝心なんだ」


「んー……。でもパパ、その方向性ってどうやって確認すればいいの? 歩みに似てるって言うなら、歩いてみないと何処に辿り着くかなんて分からないじゃない」


「そうだね。だから歩みを始める前に自分が何処へ行きたいか、自分が何を望んでいるのかを明確にしておく必要があるんだ。目的がハッキリしていれば向かう方向も自ずと見えてくるもんなんだよ」


「目的……。私がなにを望んでいるのかかぁ……」



 流石にこんな話はアウラには早すぎたのか、う~んと唸って顔を顰めてしまうアウラ。


 そんな彼女の顔中にちゅっちゅと口付けを繰り返し、彼女の思考を邪魔してあげる。



「ちょっとパパ、そんなことされたら考え事ができないよぉ?」


「考え事なんてさせないよ? アウラは俺の事だけ考えていればいいんだから」



 アウラの思考を停止させる為に口を塞ぎ、彼女との甘いキスを繰り返す。



 ついつい努力の方向性なんて語っちゃったけど、よくよく考えたらアウラって満年齢9歳で、しかもエルフ並みのご長寿さんなのだ。


 努力を無駄にする時間もあるし、失敗から学ぶ時間だっていくらでもある。



 親心から愛する娘には失敗して欲しくないと色々語っちゃったけど、正解まで一直線に導いてしまうのも違うよな。


 アウラが失敗してもフォローできるように、見守って支えてあげてこその保護者なんじゃないか?



「アウラにはこれからいくらでも時間があるからね。色んな事を試していこう。パパもママたちも、アウラと一緒に色んなことがしたくて仕方ないんだから」



 アウラがなにも考えられないように沢山悪戯して、気を失うように眠ったアウラを優しく抱きしめながら、俺も短い眠りを楽しんだ。




 朝になってからも、チャールたちを待たせないように素早くみんなを可愛がって、昨日探索を終えたグローグの集落まで転移した。


 使役した魔物を受け取ってから、みんなに提案があると言って出発を待ってもらう。



「このまま全員で固まって行動していてもあんまり意味が無いと思うから、今日からは分担して動かない?」


「うん。それはそれで構わないけど、どうして急にそんなことを言い出したの?」



 ニーナが首を傾げて俺に問いかけてくる。


 俺の提案に反対なんじゃなくて、その理由を知りたいみたいだ。



「種族会議もまだ先だって分かったんだから、別に急ぐ必要も無いんじゃない? チャールたちと一緒だとえっちなことが出来ないから分散したいの?」


「くっ……! それは想定してなかったけど、改めて言われるとその理由も確かにあるかもぉっ!?」


「ダンよ。下らぬ事を言ってないでさっさと質問に答えんか。分担の内容も動機も早う話すのじゃ」



 呆れ顔のほっぺにお詫びのキスをしてあげると、まるで雲が晴れるように笑顔になるフラッタ。


 可愛い! お前可愛すぎるよぉぉ!



「分担しようと思ったのは、固まって動いて調査を長引かせるよりも効率よく調査を終わらせて、浮いた時間にみんなと沢山愛し会いたいなって思ったからなんだ」


「うん。家族だけなら遠慮無くえっちなことをしてくるけど、今はキュールさんやチャールたちが居るからね。愛し合う時間を確保する為に調査の効率を上げようというなら、ぼくはダンに大賛成だよっ」


「えっちなリーチェがダンに反対するわけないのは知ってるけど、お姉さんは分担の内容を聞くまでは賛成しないわよぉ?」



 エロ神リーチェはエロに一直線に加勢してくれるけど、ティムルは分担の動機よりも内容の方が知りたいようだ。


 っていうかリーチェ。ティムルにえっちって言われてモジモジしてるんじゃないよ。



「俺たち仕合わせの暴君はここで戦う意味が全く無いし、ラトリアたちが居ればキュールさんたちにも全く危険が無い事は分かったからね。俺達は別行動したほうがいいかなって」


「具体的には?」


「ラトリアたちとキュールさんたちは今まで通り聖域の奥を目指してもらう。その間俺とリーチェはライオネルさんからの依頼をこなそうと思ってる」


「リーチェと2人きりになるのですか? 物凄くえっちな事をされそうですね?」



 こらこらヴァルゴ、話の腰を折るんじゃないよ。


 そしてリーチェもめっちゃ期待した視線を送ってくるんじゃありませんっ! その期待には全力で応える所存ですけど!



「樹海に慣れたヴァルゴは、ラトリアたちの引率をしながらアウラとひたすら手合わせしてくれる? アウラに必要なのは基礎的な技術よりも、強者との戦闘経験の方だと思うから」


「それは私も同感です。畏まりました」


「ニーナ、ティムル、フラッタの3人はそれぞれ別の方向に散って、聖域の端を確認して欲しい。聖域の中心を探る前に、まずは聖域の広さを把握しよう」


「了解だよーっ。思いっきり走っちゃうのーっ!」


「端の確認をすればいいのね? じゃあ魔力の流れの把握は後回しでいいのかしら?」



 1人で思い切り走り回れる事にはしゃぐニーナと、熱視による聖域内の魔力調査について確認してくるティムル。


 実に対照的な反応だなぁ。どっちも可愛いことには変わりないけどっ。



「後回しにしてもいいし、熱視を発動しながら端まで行ってみてもいいよ。でも異変を感じたら必ず報告してね?」


「ええ。聖域の樹海は異質な場所だからね。過信はしないわ」


「聖域の端に到達した後はどうすれば良いのじゃ? そこで待ってれば良いのか、それとも誰かと合流するべきかの?」


「聖域の端を確認した人はラトリアたちと合流してくれる? 俺に合流されると我慢出来なくなって押し倒しちゃうと思うから」


「そんなことを言われると合流したくなってくるじゃろうが。自重せい自重を」



 んもーフラッタったらぁ。


 そんなにハッキリと押し倒されたいなんて言われたら困っちゃうってばぁ。



「調査が終わったら今日はスペルディアで宿を取っておくね。夢の一夜亭で宿泊した感想を報告するってカラソルさんと約束してあるから」


「私達はそれで構いませんけど、チャールとシーズ、そしてキュールさんはどうされるんですか?」



 リーチェと同じくエロに一直線なムーリが、エロい事は構いませんけどと、家族以外のメンバーの扱いを聞いてくる。


 この世界って内面のエロさとおっぱいの大きさが比例して……いや、ぺたん娘のニーナもエロいから関係ないな。



「3人を家族に迎え入れるって言われても驚きませんけど、まだそういうつもりはないんですよね?」


「まだってなんだよまだって。将来的に家族に迎え入れる算段があるような言い方しないでくれる?」



 ムーリのマシュマロほっぺを両手で軽く揉み揉みしながら質問に答える。


 マシュマロおっぱいを激しく揉み揉みするのは夢の一夜亭まで我慢しないとなっ。



「カラソルさんが言うには、今夢の宿グループは客足が遠退いてて暇なんだってさ。部屋は沢山余ってるらしいから、3人にも別の部屋で泊まってもらおうと思ってるんだ」


「あははっ。まだ人頭税を滞納している2人に夢の一夜亭を体験させちゃうんですかっ? とってもアベコベで、とってもダンさんらしいですねっ」



 ほっぺをムニュムニュされたままで俺に抱き付いて、自身の持つ2つの霊峰をムニュムニュと押し付けてくるムーリ。全身ムニュムニュで幸せぇ……。



 チャールとシーズって14歳だから人頭税の支払いは教会がしてくれたと思ってたんだけど、働き始めたからって理由でギリギリまで自分たちで頑張ってみるつもりらしい。


 2人の職業浸透ペースなら、恐らく問題なく普通に払い終われるだろうな。



「それじゃ行ってくるのっ! みんな、またあとでねーっ」


「リーチェ、えっちな事をするなとは言わないから、夜にはちゃぁんと合流するのよぉ? 今夜は家族みんなで夢の一夜亭に泊まるんですからねー」


「うんっ! 必ず合流するって約束するよっ。ダンと2人っきりで過ごすのも好きだけど、みんなと一緒にダンと過ごすのもすっごく好きだからさっ」


「ならそれぞれの用事をしっかりとこなさんとなっ。ダンよ! 今晩は沢山ご褒美が欲しいのじゃーっ」



 可愛くおねだりをしながら聖域の樹海に消えていくフラッタ。


 俺の提案に納得してくれたみんなは、さっそく提案通りに動き出してくれた。



 なるべく早く調査を終わらせて、浮いた時間に色々な事をしようね。


 キュールさんやチャールとシーズとだって話すことは沢山ある。だから調査はささっと済ませちゃおう。



「さ、リーチェ。まずはスペルディアで宿を予約してこようか」


「それはいいんだけどぉ……。本当に予約だけ、なの……?」



 正面から俺に抱き付いて、エメラルドを思わせる翠の双眸を滲ませながら俺を見上げてくるリーチェ。



 ……間違っても俺達2人っきりで利用しちゃダメだからね?


 なんでそんな思い切り目を逸らしてるのかなー?



 こんなリーチェと2人きりって、俺本当に我慢できるんだろうか……?

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